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お酒の販売について

さて、話は戻りますが

既に契約完了している元食堂の持ち主だった親子夫婦を交えて新しい店舗を見て回っている。

海に面した壁を取り払い、ガラスをはめた扉が並び、そこなら一面に空の青と海の青が見渡せる。

そして、そのガラスの入った扉を開けるとテラス席になっており、そこからは右を見ればウシオさん達の居る港が、左を見れば砂浜が見える。

眺めは最高のロケーションのこの店はきっと若いカップルからよ指示も良いはず。

「あの、前はどのようなメニューを出していたんですか?」

私は話しやすそうな若奥様に尋ねた。

「お肉を焼いた物や野菜を炒めた物、後はパスタ料理です。最初の頃は港の漁師さんがお昼に来てくれてはいたのですが、最近は・・・」

うん。

分かっている。

良く来ていた漁師さん達は市場の中の居酒屋風なウシオさんのお店でどんちゃん騒ぎをしていましたよ。

「お酒は出していなかったのですか?」

一応聞いてみる。

「お酒を販売するのには資格がいるので、私達のような無学の者は・・・」

うん。

やっぱり、あるよね。

誰でも彼でも勝手に売れないようにする資格が。

薬とかお酒とかね。

許可位ならハードルも低いかもしれないけど、資格取得となると大変かも。

識字率もそんなに高くない世界みたいだし。

そう言えば、ウシオさんの所は大丈夫なのかな?

そう思いウシオさんを見ると頭をお思いっきり振られた。

「経理をやっている者が頭が良いからついでに取ってる」

と、何故か私に弁明してくる。

「別に聞いてませんよ」

気にはなったけど。

「エトラ様の目が言ってますよ」

ウシオさんはそっと横を見ながら小さく呟く。

けど、その呟きはバッチリ聞こえていました。

そんなに聞きたそうな顔をしていたかしら?

まぁ、資格があるなら良いか。

「その、資格を持っている人が常駐していないといけないのですか?」

これは大事な事だ。

資格を持った人がいないと営業できないとか、資格を持った人が休めないなんて事になってはいけない。

私はマキシムさんに問いかけた。

だって、商業ギルドのサブマスだから。

「資格を持った者がある程度の役職でギルドに登録していただければ、常に店舗にいなくても大丈夫です。ただし、普通の従業員ですと勤務している時のみの販売になります」

「そうですか。分かりました。因にその資格の試験はいつ頃でしょうか?」

勿論それは、私が資格を取得すれば良いかとの思いなんだけどね。

因に、この国では資格は個人の財産らしく、個人でしか取得は出来ないそうだ。

販売する為にはその個人の資格プラスお店や商会としての許可が必要らしい。

つまり、資格と許可の二点セットで初めて販売出来るらしい。


私はマキシムさんを見ながら先ほどの質問の答えを待つ。

マキシムさんはとても言いにくそうに口を動かす。

「実は・・・」

マキシムさんが話し出すとほぼ同時にキリさんが話しに割って来た。

「資格試験は一年に一回の春にあります。ですので、今直ぐに試験を受けるのは無理です。もし宜しければ私も資格を持っていますので、重用して頂ければと思います」

キリさんは丁寧に私に提案する。

けど、キリさんはレンジさんの補佐官なのに、私の商会に名前を載せて良いのだろうか?

「エトラ様が資格を取ってから変更も出来ますのでご安心下さい。私は数年はエトラ様をお手伝いする予定で来ていますので」

数年、レンジさんからキリさんを借りられる期間。

「分かりました。改めて、是非とも宜しくお願いしますね。キリさん」


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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