魔石について
さて、午後は港から少し離れた高台にある海を一望出来る店舗へと来ていた。
ここは老夫婦とその息子の若夫婦で食堂を営んでいたのだが、客足が思ったより少なく経営難になった為に売り払う事にしたらしい。
既に契約はキリさんが終わらせてくれていたが、新店舗を見てみたいとの話だったので、改築が終了した今日4人をお招きしたのだ。
そして、何故かマキシムさんとウシオさんもついて来て、現在8人で新しい店舗を見学している。
外装の海に面した壁は思いっきり取り払い、ガラスをはめた扉を設置。
中からでも海が見える仕様だ。
この世界のガラスは透明度が増すと滅茶苦茶お高い。
そんなお高いガラスを惜しみ無く使用している辺り、改築代金は相当な額になると思う。
それを簡単にお金を出してくれるレンジさん。大物だ。
一度会ってお礼をしなくては、と、今は本気で思っている。
そんな事を思いながら改装した店舗を見学する。
厨房も広く、マキシムさんとタックを組んだ冷蔵庫の魔道具を置く場所も確保されている。
実はメイソンさんに冷蔵庫になる箱を作成依頼しており、それが完成したマキシムさんが氷の魔術の術式を刻んだ魔石を設置してくれる事になっている。
因に、魔石は魔獣の死骸や、ダンジョンの中から取れるけど、その大きさも質もまちまちで、魔獣から取れる魔石はその魔獣のレベルや属性によって変わり、ダンジョンは魔力の流れに左右されるらしい。
そして、人の魔力で作られた人工魔石は込められた属性の魔力の量により、大きさと質が変わるらしい。
因にだが、C級魔獣から取れる魔石クラスの魔石を作るのに必要な魔力は1000位だそうだ。
これで冷蔵庫を作った場合一年近くは持つそうだが、冷凍庫だと4ヶ月持てば良いらしい。
コスパ悪い。
それで行くとB級魔獣クラスだと冷凍庫なら一年持つらしく、必要な魔力は2000らしい。
魔力が2倍なのに、持ちが3倍とか、数学的に合わないが、それ位の魔力量を入れて行くと魔石としての質に変化が起こり、その為に持ちが良いらしい。
と、言うのも魔石を作る時は途中で魔力の注入を止めるとそこで魔石が完成するらしく、完成するまでは魔力を注ぎ続けなければいけないらしいので、その為の変質だとマキシムさん説だ。
魔力操作が出来るようになったら私もキリさんに魔石の作り方を習う予定だ。
今はまだ、力の配分が出来ていないので、練習がてら冒険者ランクとレベル上げに力を入れている。
そんな訳で、この店舗の冷凍庫と冷凍庫の魔石は私が魔力操作を会得するまではマキシムさんにお願いする事にしたのだ。
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