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道すがら冒険者ランクアップの講義を聞いてます

森までの約2時間、ただ歩いていたわけではない。

整備されている道から逸れて野原の中を歩く。

「この辺りにポーションの素材があります。常に依頼が出ている素材採取で採取した物の状態によりポイントが違います。クエスト依頼を受けての素材採取よりポイントは低いのですが、こういった地道な作業をこなしていると言う点はギルド側からの好評価ポイントになります」

キリさんは説明しながらも私にどれが薬草かを事細かに説明してくれる。

「薬草を全て覚えるのは難しいので、やはり鑑定魔術の習得は必須でしょう。物を見る時に目に魔力を集中させ良く見ている内に会得出来ると聞いた事があります。眉唾物かもしれませんが、試してみる価値はあるかと」

キリさんは親切に説明してくれる。

固有スキルとは生まれつき持っているスキルらしく、キリさんは生まれつき鑑定魔術が使えたのだろう。

因みにだが、ヤマト島の出身者は神力が備わっている為に、魔力に片寄る固有スキルはないらしい。

これもクロードさんから後で聞いた話だ。

なので、私は地道に魔術の勉強をして身につけるしかない。

けど、神力は魔力では使えないような奇跡の術もあるので、そこはパワーバランスなのだろうと納得もしている。

「そう言えば、エトラ様はどのような魔術を使うのですか?光の矢とか光の盾とか?」

キリさんの質問はもっともだ。

「光で周囲を照らしたり、お掃除をしたりでしょうか」

転移の魔術は神力を使用する言わば奇跡の術。

それを考えると私の使える魔術は本当に些細なもので、答えるのも申し訳ない。

「そ・・・そうですか」

流石のキリさんも少々引き気味だ。

「丁度森に到着しましたので、休憩地に着くまで、魔獣相手に魔術の練習をしましょうか?多少失敗して私がフォローしますので安心して下さい」

なんと頼もしい事か。

流石頼れる大人の男なだけはある。

家の補佐官が有能過ぎて困るよ。

そんな事を考えていると目の前の茂みがガサガサと音を上げる。

そして現れたのは3mは優に越えるどろうコカトリスだった。

「子供のコカトリスですね」

キリさんは余裕そうにそう答える。

「えっと、なんでしたっけ、『光の矢』」

さっきキリさんが言っていた魔術をダメ元で唱えてみる。

多分光で出来た矢が空からいっぱい落ちてくるイメージだ。

ズドドーンと無数の光の矢が空より大地に突き刺さる。

勿論コカトリスにも光の矢が無数に刺さり、これで生きている訳はないと思わせるほどだ。

案の定、光の矢が消えるとコカトリスはスドーンと大きな音を立てて倒れた。

ついでに茂みの奥にいた5体のコカトリスも倒れている。

「せっ、成功です」

キリさんの声が上ずる。

そんなキリさんにお構いなしに質問をした。

「あの、倒した魔獣はどうするのですか?」

だって、これは大事な事だから。

「基本的には魔獣を倒した証明になる部位を持ち帰ります。勿論、魔獣は素材としてはどこも捨てる所はありませんが、コカトリス6体ともなると、私の魔道具の袋でも入りきるかどうか」

そう、奥にいたコカトリスは大人のコカトリスで大きい物だと二階建ての建物を越える位の大きさだ。

「あっ、そういえば神様から採取様にって袋を貰っていたんだ」

イチゴを採取した時にイチゴを入れる袋をクロードさんから貰っていた。

これってキリさんが言う魔道具なのでは?

そう思い、既にゴンちゃんにイチゴを上げた後の空の袋をポケットから取り出した。

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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