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光の神様、闇の神様

エトラが手を合わせた所で突如ガクンと頭が前に動いた。


ビックリして声を掛ければ、先程までのエトラとは明らかに違うオーラが漂う。


「何これ、美味しそう」


エトラはそう言うとフレンチトーストにフォークを差した。


パクパクと食べるエトラはこの料理の制作者とは思えない位「美味しい」「こんな料理があるの」と感嘆しながら食べている。


すると、旦那が突然立ち上がる。


「まさか、御身は神様でしょうか?」


カチンコチンと緊張しながらエトラへ話しかける旦那。


「何を言っているの」


とうとうおかしくなってしまったのかと途方に暮れて旦那を見る。


「右手が光っている」


旦那の言葉に私もエトラの右手を見ると、眩い光を放つ紋様が見えた。


「本来なら加護持ちの紋様は手の甲にだけ現れる、が、エトラの紋様は肘の所まで伸びている」


確かによくよく思い出してみると、伯爵夫人として王宮のお茶会へ招かれた時に見た王妃様の加護持ちの紋様は手の甲だけだった。


我が国の英雄と並ぶ程の実力者と言われる王妃様。

女性だけのお茶会と言う事で手袋を外して見せて下さったから良く覚えている。


「そう、我は光の神。そちらは、これからこの体の主がお世話になるのだから今日は顔を出しに来た。決して食べ物に釣られた訳ではない」


光の神様はそう言うとフレンチトーストをペロリとたいらげると、次はフライドポテトを食べる。


半分以上食べた所で今度は左腕の紋様が光りだす。


「姉上ずるい。我にも下さい」


エトラは更に一人で二役をやり始めた。


「おお、これがフライドポテト。ポテトフライとは違うのか?」


エトラはそう言うと再びフライドポテトを食べ出す。


ポテトフライとフライドポテト?

言葉を逆にしただけのようにも思うが、如何せん、私にもその違いは分からない。


そして、皿の上にあったフライドポテトを全て食べ尽くすと、今度は私達の皿を見ながら思案する。


これは欲しいと言う事だろうか?


「我は闇の神、その皿の食べ物を供物として捧げる栄誉を与えよう」


堂々と食べ物を要求するエトラ。


旦那は頭を下げながら「どうぞ、お納め下さい」と言いながら自身の皿を差し出した。


エトラは嬉しそうにその皿を受け取ると美味しそうに食べる。


「ふむ。美味かったぞ。次はポテトフライなる物を要求すると伝えてくれ」


それだけ言うとエトラはテーブルに突っ伏した。


フライドポテトとポテトフライの違いは良く分からなかったが、神様がご所望となるとこれに勝る食べ物だろう事だけは推察出来た。


そして、エトラが起きたら是非にポテトフライを作って貰うと決めたのだ。


お読み頂きありがとうございます。

また、読んで頂けたら幸いです。

執筆のモチベーションアップのため高評価頂けたら嬉しいです。

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