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聖地
デオンらはやっと聖地へ辿り着いた。
ただの原っぱである。デオンの帯剣が光を出す。
「これは……!」
剣を構えたデオンは空間を斬った。空間からレモン色の切れ目が現れ、中へ入った。
レモン色の空とミルクが流れる川。極彩色の葉の木々。
「妖精界だ!」
しばらくすると目つきの悪い赤竜がデオンを迎えるようにすり寄って来た。
「帰って来れた!」
懐かしい小麦やカカオ、コーヒー、サトウキビ農園。
黄緑色のドアを見つけ、開けるとブダ王宮の中庭へ出た。
「お父さん!」
双子は泣きながらデオンへ駆け寄った。
「あら、そのチュニック懐かしいデザインねぇ」
クーシーとルカが服の生地を触った。
「別の世界のエルフからもらったんだ。結局、妖精に助けられた訳だ」
竜に焼かれたことは許してやろうとデオンは決めた。
完