そして、きつねさんの物語
初冒険ファンタジー物になります。
少しずつ作っていきますので、よろしくお願いいたします。
ある日の事だった。
うさぎさんに出会った。
白くてもふもふのシッポ、頭には立派なお耳が二本ピョコピョコしていた。
二足歩行の珍しい子だった。
手はまるで獣の用であり、その前足に近いかわいい手を握りたくなるくらいにかわいい。
その子は言った。
「そこのお兄さん、この世界は始めてなの?」
見た目よりも想像通りのかわいい声に私は、心の中でなんと言うかわいさの化身だ…と、不覚にもわずか数分、意識が止まったかのような錯覚すら覚えた。
次に言葉を拾う時、私は予想とは違うけど、覚悟をすることになった。
「この世界はお兄さんたちの居る世界とは違う、魂が姿を変える場所なの。」
そういうとひかりだすその身体は、彼女を包み込み、彼女が人の姿となる。
「おいおい…嘘だろ?」
「こんな姿になるなんて…」
目の前には王冠を被った姫が玉座へと座っていて。
さっきの子がそうだった感じとは思えない、人間の可愛さになっていた。
「驚いた?私もここに来たてなのよ。」
白い素肌、無垢なその目は紛れもなくどこかの姫そのものであった…。
「ところであなたはどんな姿になるのかしら?」
私の姿がひかりだし、手が肉球へと変わり…シッポが生え…気が付くともふもふのキツネさんになっていた。
ああ…なんてことだろうか!
自らの姿が憧れたキツネになっていて、まるで夢のようだ!と、私は喜んだ。
そんな時に目の前の玉座が一瞬で消え。
姫の後ろには巨大な大樹が見える。
やや強めの風が吹き、大樹が揺れた。
サー…サー…と。
その光景はとても綺麗だった…。
知らずに辿り着いたその世界には穏やかな時が流れていた。
私が知る世界とは違い時間がかなりゆっくりに感じていた。
大樹の目の前にいた姫は軽くお辞儀をすると。
また、うさぎさんになったのだ。
この世界ってなんなんだろうか?
素朴な疑問が湧いてきた。
「姫…いや、うさぎさん、この世界は何処なんでしょうか?」
すると…「ここは現実と幻想の狭間…みたいなところよ。」
その一言で何かを理解した私は、自ら得たこの変化の力を使う事になるのであった。
周りの景色は大草原で、大樹が一本あるだけ…うさぎさんとは一緒だけど、このままここに居るだけではお腹も空くし、きっとやすめる場所などはないだろう。
そう確信をした私は、うさぎさんと一緒に大樹を後にした。
果ての無い旅路になりそうな…でも、何故かワクワクしてくるその世界に。
私は来てしまったのである。
これがもし、私にとっての初めてなら…きっと、君も初めてだよね。
よろしくね!