1章《そして異世界へ》 2
投稿したと思ってたら出来てなかった…
もし読もうとしてくれてあれ?無い。と思われた方いらっしゃいましたらすいません…
瞼の向こうが明るく見える。久しぶりに見るような朝日で海翔は目が覚めた。目に入ったのは空ではな木目のある天井だったのだが…そんなものが見える場所で寝た覚えはというか寝た覚えすらない。
(ここどこだなんでこんな所にいるんだ?)
と思いながら上半身を持ち上げると―
「わっ!」
とバランスを崩し床に落ちた。寝ていたのはハンモックのようなものだった。そして辺りを見渡してみるとそれは家のようであった。窓がひとつずつ、地球で言う勉強机のようなものと背もたれのある椅子。そして机と椅子は見た目はまるっきり木そのものである。
周りを見渡しても特に何かが起こるわけでもないのでドアを開け廊下に出た。そこにはもう一部屋と下に降りる階段があったので、下に降りてみる。そうすると
「気分はどうだ?その歳ではまだ使えないはずの魔法を暴発した謎の子よ」
と落ち着きよく響く低い声で聞かれ驚いた。
声の主は階段をおりたところにあるリビングに位置するような広めの部屋の椅子に座って本を読んでいた白髪の男だった。
「え、えと…どちら様でしょうか…」
「それはこっちのセリフだがな、まぁどちらにせよ話すことだから順序はどうでもいいな。俺はゼトス、ゼトス・ハードバルだ。」
「あ、すいません…というのも全く記憶が無いもので…、僕はミヤ…じゃない、カイト・ミヤウチです。」
ゼトスさんの名前を聞いた感じだと英語表記のように名を前に持って来ているような感じだったので急いで治した。
「ふむ、珍しい名だな…、あまり聞かん。」
「あ、あはは…。ところで僕はどうしてここに?」
「ファデラ草原に倒れていたのだよ。それもだいぶ街道から離れた所でな。急激な魔素から魔法への変換を感じてな、その場に行くと魔法の行使した跡と使えないはずのお前がいたというわけだ」
「使えないはずの魔法の行使した跡…」
少し思い出してきた。犬のような狼のような魔物に襲われ死にそうになった時、確かにアーギルさんの声を聞いた。そこから水が吹き出したりその魔物目掛けて降ってきたりしたような気がする。
(てことはあれはアーギルさんがやったのかな…、でもどうやって?)
「何か考えているところ悪いが」
「あ、はい」
またやってしまうところだった。
「とりあえず聞きたいこともある。カイト、お前からもいくつかあるだろうからとりあえず座ったらどうだ?」
海翔はずっと階段を2段ほど上がったところで立ちながら話していた。そのことに気づいた海翔は勧められたとおりにゼトスさんの向かい側にあった椅子に腰をかけた。すると読んでいた本に木の葉出できた付箋のようなものを挟み奥の方へ行ってしまった。
少しするとコップを持って戻ってきた。どうやらお茶を入れてきてくれたらしい。
「わざわざすいません、ありがとうございます」
「気にするな」
礼を言い起きてから何も口にしてなかったので1口飲む。渋い。抹茶に似ているが色は茶色ぽいので分からない。
「子供用のものはあいにくなくてな、無理ならすまんが水をだすが?」
「いえ、大丈夫です。このくらい渋みがあった方が美味しい」
「フッ、その歳でわかったような口を」
(まぁ、約4つ年齢が下がっていまが中1くらいだからこの人から見れば子供だよなー)
と思いながら抹茶のようなお茶をすする。
「さて、落ち着いたところで質問をしたいのだがいいか?」
「あ、はい…」
さてどう説明するのが正解なのか。違う世界から来ましたと言って信じてもらえるとは限らない。こちらの世界で異世界転生者がどれだけ差別されるかも分かっていないこの状況でそれを明かすのは愚策だろうと考えていた。
(他の質問も注意して答えなくちゃな)
「まず、お前はどこから来たのだ?」
いきなりの難題に考え込んでしまう。国名も地名も分からないこの状態で当てずっぽうなことを言えば怪しまれるのは避けられないだろう。あまり長く黙っているのもおかしい。
「え、えぇっと…」
「言えないなら別にいい。無理に聞こうとはしないさ」
「あの…はい…すいません」
「謝ることは無い。では、お前は昨夜どうやってバウンズを倒した?形跡から見て水の魔法のようであったがその歳では使えるはずもないだろう?」
「バウンズって、あの犬みたいな魔物ですか?」
「犬っというのが分からないが昨夜お前と対峙していた魔物だ。かなり一般的ではあるが知らないか?」
咄嗟に犬のようなと言ってしまった。この世界にいるかも分からないのにその例えは失敗だったと言った後に後悔した。どうやら流してくれてはいるようだがあまり重ねると怪しまれるのも時間の問題だろう。
「一応まだ13歳なんですけど、たぶん使ったのは僕じゃないです」
「あの時あの場にあった魔素を宿した動物はお前とバウンズだけだったはずだが…」
(そんなことまで分かるのか…)
「えっと…信じてもらえるか分からないんですけど、声が聞こえたんです。誰かの声が聞こえたあとあの水の魔法が魔物を攻撃しだしたんです」
誰かの、と濁したのはエーギルさんには他言するなと言われていたからだ。だがこんなことを信じてくれるのかとある種の賭けだったが説明のしようがこれしかないので仕方がない。
「ほう?お前、加護を受けているのか。にしてはバウンズを知らなかったようだし、その歳で基礎体術、強化魔術を使えないなんてことがあるか?しかも草原になんの装備も持たずその珍しい服を着て…か」
言われてみれば服装がだいぶおかしい。海翔は学校帰りだったのだから服としてはブレザーとワイシャツ、ネクタイ、ズボンを履いている。それに対しゼトスさんはと言うと、元の世界での私服とは全く違うものでとても簡易的なものだった。シャツのようなものを着ているが布1枚で作っているようで細かい縫い目などはなく唯一ボタンくらいが糸でとめられていた。ズボンは元の世界で言うジャージのようなものだろうか、それでもやはり装飾などはなく動きやすさに重点を置いているのがわかる。
目に見えてこんなに服装に違いが出てしまうといくら話を繕った所で意味が無いと思っているとゼトスさんが目を細め口には笑みを浮かべながらこちらを見ていた。
「カイト、お前もしや異人か?」
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