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1章《そして異世界へ》 1

思いのほか序章が長くなってしまってメインが始まるの遅れてしまいました。m(_ _)m

 それは草原を歩んでいた。この世界で生き残るため必要なのは強者であるための力、または挑む相手を見極める目だ。それは強者の中には入らない。がその目で見て戦ってもいい相手かを見極めるのがうまかった。単独行動をしている冒険者を狙い集団で行動しているもの達へはその一人一人が弱いとわかっていても無理はせず時には諦めることもした。そうして生きてきた中で周りのものより強くなることが出来た。

 前を見ていると突然の蒼い光と共に人であろうものが姿を現した。

 現れたものに気づかれる前にそれは気配を消し岩陰に隠れた。



 1分程経っただろうか、光に導かれながら海翔はその先をみていた。するとまたバギィン!と音がなり冥い道の終わりが見えた。

(っ!あれがリフレイスの入口…、どこかの家や神殿に出て教えてくれる人がいるのかな。どんな人だろう…怖くないといいけど)

 そして前を行っていた光の珠が砕けた。と同時に目を開けていられないほどの眩しい光が放たれ思わず海翔は目をつぶった。

 ザッと何かを踏みしめた感覚が足に伝わる。目を開けるとそこは家でもなく神殿でもなくましてや何かの建物ですらない―ただの草原のど真ん中だった。


「へ?」


 間抜けな声がでてしまっている。当たりを見渡すも特に何かあるわけでもなかった。話が違うでは無いか、準備期間があるのに教えてくれる人がいないのではどうしようもない。

(どうしよう…、動かなかったら誰か来るのか?いやけどその線は薄いなぁ…)

 などと考えているとザッザッと自分以外の何者かが地面をふみしめる音が聞こえた。

(なんだいるんじゃない……っっ!)

 顔を上げた先にいたのは―犬のようなでも明らかな敵意を向けてくるなにかだった。


「なんだよ…聞いてないよそんなの…」


 異世界なのだから動物だけでなくいわゆる『魔物』はいるだろうと思っていた。目の前のそれが動物か魔物かは分からないが、精々最初にあうのはよくいるうさぎ型の小さめのやつとかだと思っていた。そんな考えが甘かったと、そしてよりによって自分が死んだ原因となった犬に近いものに出会すなど…、と1歩後退りする。それに合わせ間合いを詰めてくる。もう1歩下がった所で何かが足に当たった。犬らしきものへの注意もしつつ下を見ると石がある。

(これ拾えば少しくらいは戦えるかな…でもその後どーしろって…)

 考えているうちにもジリジリと距離を縮めできているそれを地球と違いいくつかある空に輝く月のようなものからの光が照らした。


 犬よりも大きいそれは真っ黒い毛並みが光を反射している。ただ柔らかい毛と言う訳では無さそうだ。そして1番目を引くのは長く伸びた犬歯、もはや牙である。こんな化け物相手に石で戦えるかと考え至った結論は…

  (絶対無理死ぬ異世界来て10分も経たずに死ぬとか最短記録になるって!)

 逃げた

 全速力で駆けだした。どこに何があるか分からない草原をただ走った。

 だが犬と人間でさえ直線を走れば犬が圧勝するのだ。魔物と競って勝てる訳もなくあろうことか追い抜かれ前に立ちはだかるような形を取られた。


「くっ…」


 今来た道をまた逆戻りする、するとさっきよりも早い段階で回り込まれた。また逆戻りをしようとすると今度はものの数秒で回り込まれた。もう海翔の体力は底を尽きかけていた。

 月が雲に隠され辺りが一気に暗くなる。そしてそれは魔物の姿をより引き立て海翔の恐怖心も限界を迎えた。


「グルルゥ……」


 威圧に気圧され足を絡ませ後ろに転んだ。尾骶骨を打ってなかなかの痛みだがそれどころでは無い。相手にとっては格好の獲物である。

 そして―

 ザザッ!という音とともに魔物が襲いかかってくる。もはや逃げることは叶わない、そう思い腕を顔の前に構えて…


「く、くるなぁーーっ!」


 と叫ぶことしか出来なかった。



「世話のやける…」


「え?」


 閉じていた目を開けると、やはり誰もいない。いやもう目の前にはそれが迫っていた。だがたしかに今―

(エーギルさんの声が…)

 そんな考えをしているうちに牙があと数センチで腕に食い込むという所で―

 ドッ

 と何かの音が鳴った。そして牙による痛みが腕を襲うこともなかった。恐る恐る目を開けてみるとそこには水柱が立っている。それは今も上に突き上げていくように流れている。そしてその流れが途切れると雨が降り出した。そして次の瞬間空からさっきまで襲いかかってきたそれが降ってきたのである。


「ギャンッ!」


 と地面にたたきつけられ一応ダメージはくらっているようだがまだ立ち上がりこちらを睨んでくる。睨まれた海翔はさらに後ずさりをすると今度は―

 ドッドッドッ

 と3本の水柱が立ち、その柱がそれに向かって落ちてきた。

 ドゴゴゴ

 と音を立て3本が地面に突き刺さるとそこには骨が折れたのであろう、足や背中部分が曲がってはけない方向を向いて動かなくなったそれと水溜まりが出来ていた。

(な、なんだったんだよ)

 と立ち上がろうとすると何故か力が抜けていく。しまいにはその場で横に倒れてしまった。

(あれ?おかしいぞ、全然力が入らない…、しかもなんかすごく眠くなっ……)

 そのまま気絶してしまった。




 どのくらいの時間が経ったのか、草原を誰かが歩いてくる。そして水溜まりと魔物の死骸と男の子が倒れている場所で立ち止まった。

ここから着々と力をつけて行ってもらおうと思っています。

続きもよろしければお願いします。

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