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序章 5

やっと少しだけ魔法出ました!

本格的に使うのはまだまだですが…

「いい返事だ。一応言っておくがあちらの世界に行っても元の世界に戻る方法などありはしないからそのつもりでいるのだな」


「そんなのあったって探しもしませんよ」


「そうか、なら良い。では渡る前に少し知識を与えてやる。カイト、お前が渡る世界はリフレイス。まぁ、これまでの常識などは通用しないと思っておけ。なにせお前が興味津々であった()()()()()なのだからな」


(魔法の世界…、何ができるんだろう何を使えるんだろう。あ、もし使うならどの属性の魔法がいいかな、武器もあるよな、それと―)


「まだ話の途中だ。考える時間なら後でいくらでもあるぞ」


「あ…すいません。」


「続きだ。リフレイスに力の使い方もわからないお前を放り投げてもまず1日と経たずに死ぬだろうが、それはまぁ任せておけ、すこしは長く生きれるようにしてやる」


「そんな行って直ぐに死ぬなんて嫌ですよ!?」


「お前の頑張り次第と言ったところだ。」


 魔法などその世界に行ったらそれだけで使えます、なんてことにはならないとは分かっていた。誰かの弟子としてはいるのかな、それとも独学なんて言うんじゃ…と考えていると視線を感じたのでとりあえず置いておくことにした。


「え、えと、さっき言ってた加護というのは?」


「我の力を直々に貸してやる。魔法の属性は水だ」


「水…」


 自分の使える魔法の属性を知りすこし感動した。また考えに浸りそうになるのを必死に我慢し


「他に加護にはどんな効果があるんですか?」


「なんだ、不服か?」


「い、いやそんな訳じゃなくて…」


「フフ、冗談だ。もちろん他にも幾つかあるが…それはまたあちらの世界に渡り1年後に教えてやろう」


(ん?なんで今じゃないんだ?それとなんで1年…)


「あちらの世界で魔法が実際に使えるようになるのは14歳を迎えた夜だ。その夜それぞれの属性のいわゆる『神』から神託と共に魔法を授かる。ある1部の者はもうひとつ与えられるがな」


 どうやらみな最初から魔法を使える訳では無いらしい。しかし時期がバラけるということも話を聞いている限りではなさそうだ。つまりその時を迎えるまでに基礎的なことを学んだりするのだろ、魔法を使うための準備期間というのだろうか。

 となるとカイトは…


「僕は行ったら直ぐに使えるということですか?」


「なんの知識もなく扱えるものだと思うなよ?そのためにお前は13歳の体であちらに飛ばす。なに記憶はそのまま扱うための期間を作っているだけだ」


「あ、わざわざありがとうございます」


(この話の感じだと捨てられるわけじゃなさそうだな、しっかり教えて貰えそうでよかった)


 心配事のひとつが解決した。誰にも教わらず独学で身につけろなどと言われてもできるわけが無いのだ。これはとても大事な事だった。


「教えるのはこのくらいか…、あぁそうだ、魔法は使えんが強化魔術は使えるのでな。大雑把に言うと魔素を取り込みその属性に合った効果をもたらすのが魔法、自らの体に魔素を纏わせ運動能力などを高めるのが大きな括りで言う魔術だ」


 どちらにせよ使えないので意味はあまりないが知識として知っておけという意味だろう。頭にしまっておくことにする。


 そしていよいよ待ちに待った時が来た。


「今我からできる説明は以上が全てだ。では飛ばすとしようか?」


 鼓動の音が大きくなる。いや今の状態の海翔に心臓があるのかは定かではないが海翔自身にはそれが聞こえているような気がしていた。なにせ異世界へ行くのだ。これが興奮せずにいられるものかという風に、今では瞳に光が戻りキラキラと光ってさえいた。


「準備はいいようだな。ではその場で立て、特に緊張する必要は無いが…まぁ無理か、そのままでいろ」




 少しの沈黙の後

 ゴウッ!と風が吹いたような錯覚に陥った。実際は風など吹いていない。虚無の空間なのだ、風などある訳が無い。が、それを錯覚させるような何かを、いや話を聞いた今ならわかる。暴力的なまでの魔素が風を思わすように辺り一面にばらまかれている。元凶はもちろんアーギルだ。そしてー


「“我が言霊により力を顕現させよ、我が神身に宿りし魔素よ”」


 今度はアーギルの元に放出されていた魔素が集まっていく。そしてふたつの蒼白く光る珠にまとまった。そのうちひとつはもう一方に比べ幾分か小さく回っている。もう一方はと言うと海翔の方へと近づいてきていた。


「体に押し込め」


 言われた通り自分の胸に蒼白く光る珠を抱え受け入れる。


「かはっ!なに…これ…熱……」


 今度は海翔自身の体が蒼白くなり始めーー縮んだ。


「それが今からお前の身体だ。大事に扱えよ?それでは暫しの別れだ。久々の客人として話をし、また願いを聞きいれてくれたことに礼を言う。ではあちらの世界での生、存分に楽しめ」


 海翔はと言うとまだ呼吸が整っておらず声が出せずにいた。時間がもうないのだと分かったので、腰を折り礼をした。言葉にして言えないのが残念だが出ないのだからしょうがない、だが何もせずに去るのは日本人としての何かが許さなかった。

 それを見たアーギルは笑っていたように見えた。そして…


「“道を築け《境道(ワーム)》”」


 残っていた蒼い珠が目にも止まらなぬ早さで上へと上がり…

 バギィン!と耳障りな音を響かせた


「“導け《指針(ロード)》”」


 その時海翔は初めて空を飛んだ。何もつけずただ蒼い光を追うように上へあがりそして黒いガラスが割れたような穴が空いている場所へと飛び込み姿を消した。



 またもすこしの沈黙が流れ…


「信じるとするかあいつを…カイトを。クク…フハハハハ」


 とアーギルが1人笑う声だけが冥境に響いた。

これにて序章は終わりです。少し長引いてしまいました<(_ _)>

次から魔法の世界での物語になります。

良ければ続きも見てください。

ブクマしてもらえるとめっちゃ喜びます←単純

また面白くないとかここをこうした方が…などのレビューもあればぜひ

ではまた次もよろしければ時間のある時に見ていってください。

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