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序章 2

まだまだ魔法とか弓とか出ないですすいません。

「んー…。 うぅん」


 と海翔は目を覚ました。いや、目が覚めるという表現があっているのかは分からないが。


(あれ?何してたんだったっけ…、寝た覚えはない気がするけど)


 周りを見渡そうとする、が見えない、目を開けているはずなのに周りが冥い、目を開けていないように冥い。


(え、なんだこれ目は開いてるのに何も見えない…)


 まさかとは思い目が開いてるかを手で確認しようとするまでに焦っていた。だが


「…!!」


 触れないのである。そこにあるはずの自分の顔に、身体に。ただ手を動かしている感覚だけがあるようにどこを探っても空回りするだけ、そして顔の前に手をかざすようにしてもやはり目には何も映っていないと脳が認識していた。


 人は目でものを見ることが出来る。ただそれは光を反射しているものが見えているのであって物が見えていると言うよりかは光が見えているという方が正しい。つまり人は光が無の場所では何も見ることが出来ない、目視で認識することは出来ないのである。つまりは、いま海翔がいる空間では一切の光も遮断された目視できるものは何も無い無の世界だった。

 こんな体験をすると人はどう考えるか、それはー


「夢?いや寝た覚えはないんだし…、気絶なんて滅多なことして―」


 とそこまで独り言をブツブツと言っていた海翔の脳に


「正解だ」


 と一言のすこししゃがれた声が聞こえた。驚き慌てて見渡すがやはり変化はなくただ冥いだけの場所。だけど確かに聞こえた声の主を探してひたすらに見渡す。


「誰…ですか?僕のこと見えてるんですか?ここはどこでどうして僕はここにいてっというか正解ってどいう意味ですか!?」


 一気に捲し上げた。何も見えない状況下で聞こえた声に疑問に思っていたことを叩きつけるように言った。それだけ焦っていたしすこし怖くもなっていた。


「五月蝿い」


「っー!」


 たった一言、その一言で全身に鳥肌がたち寒気が襲った。なにか大きな岩が上から降ってきて自身を地面に縫いつけようとしてくるような圧力を感じた。その力は一瞬だったのかもしれないが忘れることは無いような暴力的な力だった。すると今度は


「ほぅ、まだその空間に留まっていられるのか。予想外の産物に出逢えたな」


 と言ったのが聞こえた。海翔は今鏡があったらまだ顔は青ざめているだろうなぁ、などと思いながらもここのことを聞かなくちゃなと思いまた声をかけた。


「ここは何処ですか」


「我の言霊を受けて直ぐに会話をしようとし声を出せるか、面白い。久々の異人いとだ、教えてやろう。まずはそこから出てこい」


「出て来いって言われてもどうしろって―!」


 その言葉を言い終わる前になにかに頭を力いっぱい引っ張られるような感覚を覚えた。次いで耳がザザーッとノイズのようなものを拾うと光のない世界が砕けた。



 そして海翔は砕けて尚暗い場所に立っていた。違うこととすれば目でしっかりと自分の腕や足が見えること、目の前に石柱のようなものにゆらゆらと揺らめく蒼い火が松明のように燃えていること、それと―さっき居た空間のような冥い、光を全く反射しない、それどころか周りの蒼い火からの光を吸収しているような不気味な椅子のようなものに座ってこちらを見ている黒い影がいることだった。

読んでいただきありがとうございます。次も投稿出来ましたら是非…

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