表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

976/1360

Act.9-124 ヴァンヤール森国からの救援依頼 scene.5

<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


「さて、邪魔者はごっそり消えたし話を進めよう。まず、リーティアナさんにはしっかりとヴァンヤール森国の民達を説得してもらいたい。君は緑霊の森への従属を選んだ。生き残る手段はそれしか無いとはいえ、全てが終わってから考えを変えられたら正直困る。処分しないといけない死体が山積することになるからねぇ。そして、それは多種族同盟、緑霊の森、ヴァンヤール森国、どこにとっても望んでいない結末だ。故に、この決断をしたリーティアナさんはしっかりと民の理解を得る必要がある。それができたら緑霊の森と会談を重ねること。緑霊の森にヴァンヤール森国が従属することは決まったけど、具体的にヴァンヤール森国がどのような立ち位置になるのかはこれから決めることだからねぇ。エイミーンさん……はサボるだろうから、ミスルトウさん達緑霊の森の高官達と対話を重ねること。後、緑霊の森への従属はそのまま多種族同盟への加盟も意味する。加盟した以上はヴァンヤール森国が危機に陥れば総軍を上げて助けに行くけど、逆もまた然り。国際互助組織だからねぇ、ボクらが困った時には助けてもらいたい。多種族同盟の詳細や時空騎士(クロノス・マスター)制度とかについてはミスルトウさん、申し訳ないけどヴァンヤール森国との会談の際についでに説明してあげてもらえないかな?」


「説明の件は大丈夫ですが……私よりも適任がこの場におられるのに、私で本当にいいのでしょうか?」


「その適任が誰かは知らないけど、ミスルトウさんは多種族同盟加盟国の高官だよ? 多種族同盟を代表して説明する権利はあると思うんだけどねぇ」


「……そういうことでしたら、承知致しました」


「ミスルトウ様、これからよろしくお願いします」


 とりあえず、これで緑霊の森への従属の件は粗方決まったねぇ。後はミスルトウ達とリーティアナで話を詰めていって、その内容を民達に理解してもらう。……こればかりはリーティアナの手腕を信じるしかないねぇ。


「もう一つ、アレクサンドラさんとの契約はここにいるメンバーについては今日中にしておきたいと思っている。ここにいないメンバーとも結んでもらいたいんだけど、それは後日でもいいかな? ああ、ボクは精霊王の力を戦闘に組み込んでないから滅多に呼び出さないけどねぇ。それ以外の契約者との間で揉めないように召喚の優先権は決めておいた方がいいと思うよ。勿論、リーティアナさんを最優先にして構わない」


『お気遣い感謝するわ。……そうね、ここにいるメンバーだけでも先に契約を結んでおいた方がいいと私も思うわ。引き伸ばしても得られるものが変わる訳じゃないし』


 ボク、エイミーン、ミスルトウ、マグノーリエ、プリムヴェールがこのタイミングでアレクサンドラと契約を結んだ。残るはミーフィリアとレミュアの二人――リコリスは精霊契約に興味がないらしく、シアも適性はあるけど、同じく精霊契約に興味なし。まあ、ビオラ特殊科学部隊の研究って精霊と全く関係ない方向に進んでいるからねぇ……魔法とか、サイボーグとか、クローン技術とか。


「さて、とりあえずここでやることも終わったし、一度迷宮の方に案内してもらってもいいかな?」


「分かりました。……ところで、あの冒険者ギルドの本部長さんはどうなさいますか?」


「アレならもう起きたみたいだからねぇ。迷宮の入り口に行く前に回収しておくよ」


 一旦、リーティアナと分かれてヴァーナムと合流した後、ボクはリーティアナとアレクサンドラ、ヴァーナムの案内でジャイアントホールの最深部へと向かった。



<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


 ジャイアンホールの魔物は事前に討伐されていたということもあって数を減らしていた……みたいだけど、未だに多くの魔物が跋扈していた。

 ゴブリン、コボルト、オーク、トロール、オーガ、ノール、ラッドマンのような亜人系の魔物から薔薇鼬(ローズ・ウィーゼル)一撃熊フェイタルクロー・ベアー大怪鳥(ズー)鷲獅子(グリフォン)群青蝙蝠(ウェアバット)双頭狼(ツーヘッドウルフ)(乙女ゲーム『スターチス・レコード』の敵モンスターとしてデザインされたツインヘッド・ウルフとは別物。ちなみに、ツインヘッド・ウルフも双頭狼(ツーヘッドウルフ)に混じって何体かいるらしい)、巨大な蟾蜍(ジャイアント・トード)猛毒の巨大蛙ポイズン・ギガントード、アサルト・オノドリム(『スターチス・レコード』に登場するトレント系の魔物)、マッスル・ド・ラビット(『スターチス・レコード』に登場する筋骨隆々なキモいウサギ)、突撃鹿(ブレイクディーア)、クラブスパイダー(『スターチス・レコード』に登場する蟹みたいな蜘蛛)、獰猛なる牙猪(ワイルドファングボア)双頭の直疾魔牙犬(オルトス・オルトロス)、マロッキョ・グランサー(『Ancient Faerys On-line』に登場する羽の生えた三つ目の大蜥蜴)、歯のない翼竜(プテラノドン)……なかなかバリエーションが豊富だ。


 基本的には見たことがない魔物はいないし、一体一体は大した強さでもない。時空騎士(クロノス・マスター)を動かす必要もないレベルだけど、問題はその数。これで減らしたというなら元々はどれほどの魔物がこのジャイアン・ホールに溢れかえっていたのだろうか、と想像するだけでゾッとする。

 いや、倒せるよ? 倒せるんだけど、倒したところで次から次へと魔物は増える。結局、元凶を叩かないと終わらないんだけど、普通にレイド攻略に戦力を投入するだけじゃ解決とはいかないんじゃないかな?


 ジャイアントホールで大襲撃(スタンピード)が発生しないように魔物狩りを進めつつ、レイド攻略チームで攻略に当たる。魔物狩りを行うチームの方は別に多種族同盟の精鋭でなくても大丈夫なことはミスルトウが率いた魔法戦士団と精霊術法師団が証明してくれているんだけど(つまり、ヴァンヤール森国の戦力では魔物の討伐は困難を極めるけど、闘気などの技術を獲得した多種族同盟加盟国の軍隊なら余裕で相手取れるレベルの敵だってことだねぇ)……さて、どうしようか?


 今回の場合は確実に人数制限があるからダンジョン内部に余剰戦力を送り込むのは無理だと思うけど、外部に待機させることはレイドダンジョン内部じゃないから当然可能だ。その戦力を有効に活用できる手段があるならば、今後、各地で増える可能性がある『人数制限のあるレイドコンテンツ』の攻略が簡単になる……ということになる。

 『Eternal Fairytale On-line』の制作スタッフの一人としては異世界後に追加されたレイドコンテンツを正当に攻略したいという気持ちもあるけど、そういう悠長なことを言っていられないケースって今後増えてくると思うんだよねぇ、今回みたいな。その場合に少しでも楽ができる方法があるなら、それが可能かどうかを試しておきたい。


 ジャイアントホールの魔物を粗方制圧し、ジャイアントホールの最奥部に到着。最深部の巨大な扉に【万物創造】で創り出した『永久の鍵』を使って解錠……ゲーム時代に実物は登場していなかったけど、作成に成功したのは行幸だった。……というか、これってボクがいなければ成立しなかった話じゃない? この世界のどこかにリベル=マルの大賢者がいるなら話は別だけど。


「どうですか? 原因の究明は可能でしょうか?」


 リーティアナが心配そうな顔で訪ねてくる。その隣ではアレクサンドラがやはりこちらも心配そうにボクの返答を待っていた。


「解錠はできた……けど、今日の突入は断念した方がいい」


「おい、ちょっと待てよ! ここまで来たのにお預けかよ!!」


「親友、そこを何とかできないのかよ!」


「ラインヴェルド陛下とオルパタータダ陛下の気持ちも分かる。それに、ヴァンヤール森国のことを考えれば早急に解決を図るべきだ。ボクだってとっととレイドに挑みたいところだけど……ダンジョン内部の情報を確認したけど、推奨レベルは98,000×32、つまり、レベル98,000の『Eternal Fairytale On-line』のプレイヤーが三十二人で戦うことを想定している魔物が出現するってことになる。レベル云々は超越者(プレイヤー)以外だと指標はないけど、最低でもパーティを四つは用意して挑みたい。どれくらいの広さかは分からないけど、全千階層の高難易度大迷宮(レイドダンジョン)を上回る難易度であることは間違いないからねぇ。対策は万全にして動きたい。……高難易度大迷宮(レイドダンジョン)みたいなズルも多分通用しないものだからねぇ。大凡ゲーム時代の体感の十二倍だとして……そうだねぇ、攻略には一ヶ月以上掛かると考えた方がいい。長期戦になる。……『三千世界の烏を殺し』があるから仮に連続で挑むとしても王政とかには支障が出ないし、レイド明けにしっかりと休んでからレイド開始時点に遡って各々の仕事をして貰うことも可能だし、食料や夜営についても問題ない。それを踏まえて多種族同盟の総力をもってパーティを組んでから挑みたいと思っている。万全を期さずに万が一があったら困るし……一つのパーティはボクが率いるとして、残る三人のリーダーも必要だ。ということで、この後関係各所に連絡して対フルレイドのフルレイドパーティを構築する。ミスルトウさん、フルレイドパーティ構築まで魔法戦士団と精霊術法師団にここに留まってもらってジャイアントホール内の魔物の討伐を任せてもいいかな? もし、難しいようならボクの方で戦略を見繕って配置するけど……」


「それくらいなら大丈夫です。流石にフルレイドに挑めるほどの強さはありませんが、この程度の魔物の討伐程度なら可能だと思います」


「あくまで繋ぎだから、フルレイド開始と同時に撤退してもらって構わない。その後についてはボクに考えがある。……リーティアナさん、アレクサンドラさん、ボクもできる限り早く関係各所に連絡を取ってフルレイドのパーティを揃えるけど、正直どれくらい掛かるか見当がつかないし、攻略そのものも先は不透明だ。でも、必ず攻略して憂いを消し去ってみせる。だから、もう少しだけ待って欲しい」


 さて、フルレイドのパーティの編成か。とりあえず、メンバーは決めたし、後はそれに応じてもらえるかどうか。

 ここにいるラインヴェルド、オルパタータダ、エイミーン、ミスルトウ、マグノーリエ、プリムヴェール、シア、リコリスにはフルレイドへの参加を打診して快諾してもらえた。後は残るメンバーだねぇ。今日分のビオラの仕事をする前にまずはメンバー候補達にレイド参加の依頼をしに行くとしようか。

 お読みくださり、ありがとうございます。

 よろしければ少しスクロールして頂き、『ブックマーク』をポチッと押して、広告下側にある『ポイント評価』【☆☆☆☆☆】で自由に応援いただけると幸いです! それが執筆の大きな大きな支えとなります。【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてくれたら嬉しいなぁ……(チラッ)


 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ