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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-116 人造魔法少女量産計画 scene.2

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


 今から作り出す魔法少女は、魔法の国の人造魔法少女スートランプと(プリンセス)シリーズの人造魔法少女の技術、そしてラツムニゥンエル派、ノイシュタイン派、ノーアから継承し、研究部門が保有し続けてきた魔法の国の現身の技術を融合して創り出した超高級魔法少女・人造魔法少女のハイブリッド魔法少女。

 つまり、現時点での魔法少女技術の集大成と呼ぶべき存在だ。


 スートランプⅡの場合はJOKERがいないため、人数分の素体を消費するけど、今から作り出す超高級魔法少女は無印のスートランプを基にしているので素体も一つで十分。後は固有魔法で解決してくれる。コスパも非常にいい。まあ、その素体も無から作り出せるから実はコスパが良い悪いもないんだけど。


 JOKERを有するスートランプをベースにし、マイナースートの属性システムも搭載する。クラブは火、ハートは水、スペードは風、ダイヤは土属性の魔法を標準で使用することが可能だ。……マイナスートと同じく『スターチス・レコード』の魔法ではなく、魔法少女の固有魔法に含まれているものだけど。

 スートランプやマイナスートと違うのは、スートランプやマイナスートが上からトランプや小アルカナをモチーフとした布を掛けているだけのセンシティブな格好であるのに対して、この新型魔法少女は左の手の甲に自身に対応するスートと数字が小さく刻まれていることだ。これにより、自分のスートや数字が相手に知られることを回避できる……それどころか、自分が軍勢型魔法少女であることを悟らせないように立ち回ることもできる。


 JOKERに関しては魔力補填による軍勢の蘇生に加え、火、水、風、土の四属性全てを自在に操れると別格の力を有し、戦闘能力もハイブリッドの超高級魔法少女が素体となっていることもあって現身に匹敵するくらいの力を持つ。それ以外の素体については、まあ個体差はあるけどスートランプやマイナスートよりは強い……っていうところだねぇ。流石に数字によって戦闘力が変わるからマイナスートやスートランプの上位ナンバーと新型魔法少女の2あたりだと、確実に新型魔法少女が負けるけど。


 新型魔法少女の名はプリンセス・エクレール。固有魔法は「軍勢の力で敵と戦う」と﴾吸収したエネルギーを再利用し、雷の力で敵と戦うよ﴿の二つ……二つの固有魔法を持つという点でも前代未聞の魔法少女ではあるねぇ。まあ、それぞれ出自が別の固有魔法ではあるんだけど。


 魔法陣の調整は必要かな? って思いつつぶっつけ本番で作ってみたけど、結果は大成功。ボクの思っていた通りの魔法少女が完成した。

 ちなみに、例外なく美少女・美女になる魔法少女だけど、プリンセス・エクレールは変身していない状態でも美少女だ。そりゃ、素体に究極調整体アルティメット・ドリーカドモンを使っているしねぇ。


 スートランプ達と違ってそれぞれにしっかりとした自我が与えられているのも特徴かな? ただ、本体であるJOKERの意思に背くような思想は抱けないようになっている。まあ、JOKERの分身体のような存在だからねぇ、他のプリンセス・エクレールって。この辺りの調整は割と魔法陣の設計時点で頭を抱えたけど、上手くいって良かったよ。


「初めまして、貴女がマスターですね」


「初めまして、プリンセス・エクレール。百合薗圓だよ。こっちはシアさんとリコリスさん。今後、二人は君の上司となる。こっちはカルファさん。ボクの協力者だ」


「初めまして、これからよろしくお願いします。シア様、リコリス様、カルファ様」


「彼女にはこれから白夜の元で聖人に至るための修行を受けてもらおうと思う。白夜には後で連絡をしておくから、白夜と合流以後は白夜の指示に従うように。シアさん、引き継ぎを頼めるかな?」


「承知致しました」


「リコリスさんとカルファさんには魔法少女研究を始めてもらいたい。ああ、リコリスさん、カルファさんを正式な方のラボに案内してあげてもらえないかな?」


「……よろしいのですか?」


「まあ、カルファさんなら大丈夫でしょう? 一応、捕虜というか、食客というか、まあ、そんな扱いだけどカルファさんがその気ならVSSCに招いても良いと思っているし。それと、魔法少女の開発を進めたら定期的にレポートを送ってくれるとありがたいなぁ。他の研究と同様にねぇ」


「承知致しました」


 この場をシア達に任せ、ボクはクレセントムーン聖皇国に寄って白夜にプリンセス・エクレールの件を伝えてから、いつも通りビオラの本社に向かった。



<一人称視点・リーリエ>


 季節は十一月の後半に入った。直近の大仕事といえば、一月の新年祭くらいだ。同じタイミングで天上光聖女教から天上の薔薇聖女神教団、そして黒百合聖女神聖法神聖教会へと受け継がれた聖夜祭があるけど、ブライトネス王国は毎年新年祭が優先されるので、近年は聖夜祭の代わりにニコラオス聖祭が根差しつつある。……まあ、ニコラオス聖祭には重要な式典とかは特にないんだけどねぇ。王族の間で日頃の感謝とか様々な想いを込めてプレゼント交換をするくらいかな?


 一応、ボクも立場上聖夜祭の方にも顔を出さないといけないんだけど、王女宮筆頭侍女のローザとしては新年祭に運営側として参加することなっている。

 この新年祭が終われば大きな仕事はしばらくない……園遊会みたいなお茶会もいくつか開かれはするけどねぇ。計画としては、四月頃からペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸に臨時班を派遣したいと考えているから、それまでの準備は新年祭の準備が始まる前に終わらせておきたいと思っている。……まあ、新年祭が終わってからでも良いんだけどねぇ。でも、善は急げって言うし……単にせっかちなだけです、すみません。


 完全予約制のクラブ『クラブ・アスセーナ』のプレオープンについては、エルメンヒルデとの間で日程を調整中。

 大きな仕事は、スティーリアが半壊させてしまった魔法の国刑務部門の改良と、後は学院都市セントピュセルへの潜入に関することの二つ……と思っていたけど、ラインヴェルドの要求があったねぇ。バトル・アイランドのクエストの追加。

 全ての金シンボルを獲得した場合に挑戦できる超高難易度クエストをいくつかと、一回攻略するだけで『クラブ・アスセーナ』の招待と交換できるだけのポイントが手に入るクエスト……後者についてはボスバトルメドレーを検討している。とりあえず、データだけ用意しておいて、後はデバッグだけしに行けば良いか……流石にクリア実績ないものを設置するのは気が引けるからねぇ。


 王女宮筆頭侍女の仕事を終えたところで、ボクはまずオルパタータダに連絡を入れてからフォルトナ=フィートランド連合王国に向かった。

 リーリエの姿で歩いても基本的に何も言われない数少ない貴重な国(といいつつ、ブライトネス王国を除く多種族同盟加盟国のほとんどはリーリエの姿でも歩き回れるんだけどねぇ。宗教の総本山と化しているクレセントムーン聖皇国を除いて)の王城の中を指定された会議室に向かって歩いていくんだけど、何故か侍女もメイドも執事も文官も騎士もボクの姿を視認すると同時に避けていくんだけど……ちょっと傷つくよねぇ。


 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」、「まだ死にたくないッ!!」、「死にたくなかったらとにかく道を開けろッ!!」、「もうやだぁぁぁぁぁ!!」、「こっち来ないでくださいッ! お願いしますからぁぁぁぁぁ!!」という阿鼻叫喚の声が丁度前方から聞こえ、嫌な予感がした瞬間――爆発音にも似た剣戟が響き渡り、オニキス、ファント、ウォスカー、ファイス、モネ、ファンマンが破壊を繰り返しながら暴走する【白の魔王】シューベルトに追われている姿が見え……あっ、前方に居たレオネイドがファンマンに捕まって哀れな被害者と成り果てた。


「……ああ、この光景どこかで見たことあるねぇ。人数増えている上に、ボクの方には味方も無しっていう状況的にはもっと最悪な感じだけど」


 『漆黒魔剣ブラッドリリー』と『白光聖剣ベラドンナリリー』を使うまでもないと判断して、裏武装闘気で片手剣を作り出し、膨大な覇王の霸気を求道の霸気、武装闘気を纏わせた剣の上に纏わせる。


「おっ、リーリエさんじゃねぇか!? 助かったぜ!!」


「助かったぜ、じゃないですよ、ファンマンさん。……って、やっぱり避けられたのってシューベルトの暴走スイッチにボクがなっているからだよねぇ。ちょっと悲しかったんだけど!! 元同僚達に避けられるの!!」


「そんなことは知らん! それよりも、アクアとの婚約をとっとと認めろ!!」


「認める訳ないでしょ! 総隊長サマ!」


 オニキス達を追いかけていたことなど完全に忘れてしまったシューベルトが膨大な覇王の霸気を剣に纏わせて斬り掛かってくる。

 しかし、剣同士が触れ合うことはない。膨大な霸気の激突で王城の一角が吹き飛び、天が二つに割れる中、僅かに拮抗した霸気の衝突もシューベルト側が耐えきれなくなって尋常ならざる勢いでそのまま後方まで吹き飛ばされていった。


 シューベルトは果てしなく飛ばされた先で壁に激突、その壁を突き破ってなおも吹き飛ばされていく。正直、どこに飛ばされていくのか興味がないので、壁を突き破ったところで見気を解除した。


「よっ、数日ぶりだな! リーリエ! ってか、霸気が桁違いになっているじゃねぇか!」


 何事もなく現れたオルパタータダに驚く者はいない。……だって、軒並み避難しちゃっているし、残っている面々はこのクソ国王のことを理解している連中ばかりだし。


「リーリエさんって化け物だったけど、こんなに化け物じゃなかったよな?」


「ファンマン、もうちょっと言い方ってものがあるだろう? リーリエさん、すみません。こいつに悪気はないので許してやってください」


「レオネイドさん、別に擁護しなくて大丈夫ですよ? 正直、霸気が上がった理由は分からないけど、求道神と覇王神の併用を世界全体に広げて『救済の魔女(ナユタ≠カナタ)』の攻撃を無効化していたのが原因かもしれないねぇ」


 『統合アイテムストレージ』から自家製の宝石飴を取り出してファイスの口の中に指で弾いて撃ち込んで黙らせつつ、真面目に解答するとオニキスが「あの光はやっぱり圓さんの霸気だったのか」と呟き、ファントには「親友、そりゃ世界を守るくらいの霸気を使ったら霸気も成長するせ」と半眼で言われてしまった。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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