表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

955/1360

Act.9-103 魔法の国事変の戦後処理 scene.1

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


「さて、今回の戦争について振り返ろう。多種族同盟が魔法の国に侵攻した理由は大きく二つ、一つは女神ハーモナイアから簒奪された『管理者権限』を持つQueen of Heartの討伐と『管理者権限』の回収を願うボクと多種族の目的の一致。そして、もう一つは園遊会を舞台とした戦争において同盟を結んだ黒の使徒への協力。まあ、その他に『這い寄る混沌の蛇』の冥黎域の十三使徒――那由多彼方とオルタ=ティブロンの討伐。多少イレギュラーは生じたものの、この目的は大方達せられたことになる。……残念ながら、ブライトネス戦争において奪われた黒華さんの『管理者権限』をオルタ=ティブロンは持っていなかったから回収はできなかったけどねぇ。多種族同盟の一員として、ボクは魔法の国に求めるのは多種族同盟の相互安全保障の枠に所属してもらいたいというものだけど、Queen of Heart政権のような暗黒時代には戻さないでもらいたいという気持ちも個人的には持ち合わせている。今後は黒の使徒を中心に国作りをしてもらうことになるけど、中心というだけで現体制のほとんどは流用する形になると思う。……ボクの案が通ればだけど。勿論、全ての人間が賛同するとは思わない。黒の使徒が政権を取ることに異論を唱える魔法使いは多く出てくるんじゃないかな? まあ、理想としては魔法使いと魔法少女が共存できる秩序の構築だけど、これにはまだまだ時間が必要だと思う。Queen of Heart政権に賛同する者や、Queen of Heart政権の時には声を上げなかったのに、革命が成功した瞬間にイチャモンをつけてくる魔法の国貴族は容赦なく潰してしまえばいいと思う。まあ、その辺りの塩梅は新政府に決めてもらおうとしよう。ボクの国じゃないしねぇ」


「……確かに、そういった貴族が現れる可能性は高い。魔法の国のことを心から思い、黒の使徒政権を真っ向から批判するならともかく、権利欲しさやメンツを守るために戦争を仕掛けるような奴らに何もしないというのは酷な話だな」


 案外、柔軟性も持ち合わせているんだねぇ、ポイズンヴェリー。てっきり、反対してくるかと思ったけど。


「勿論、話し合いで解決するべきところは解決すべきだが」


 まあ、そりゃそうだよねぇ。黒の使徒が目指すのはQueen of Heart政権の恐怖政治の対極にあるものだし。


「まず、続投は人事部門、監査部門、刑務部門の三つ。人事部門は部門長のウェネーフィカさんに退任してもらい、現人事部門副部門長のペンナ=プルーマさんに人事部門部門長をお願いしたいと考えている。監査部門はコルジ・カッファ・ペル・ゲフォルンの死によって空席となった監査部門部門長の椅子に森羅鬼燈さんに就いてもらう。研究部門は現研究部門部門長代行のステラ=オラシオンさんにお願いしたいと思っている。魔法大監獄については警備の見直しを行ってもらいたい。シャッテン・ネクロフィア・ シャハブルーメの脱獄を見逃してしまった罪は大きいよ」


「……無論だ。百合薗圓、貴女も協力してくれるのだろう?」


「勿論、そのつもりだよ」


 まあ、ボクが言い出した話だからねぇ。肝心の奴には逃げられた後だけど、二度とこういう事態にならないように警備は強化しておきたい。


「大魔公安処罰班、退魔局、警備企画課参謀第零部、独立魔導小隊。こうした過剰機関の扱いは難しい。大なり小なり諜報機関を持っている多種族同盟加盟国としてはそれを否定し切るのも難しいけど、現状のまま残すというのは違うと思う。まず、大魔公安処罰班と警備企画課参謀第零部には統合してもらい、魔法の国政府直轄の諜報機関として動いてもらいたい。誰が仕切るかについては魔法の国政府と話し合いの末、できる限り双方納得できる形を模索してもらえると嬉しいねぇ。退魔局も魔法の国政府直轄機関とする。……独立魔導小隊は一つの組織として機能しちゃっているから解体するのも勿体無いよねぇ。ということで、魔法の国直轄の機関として残す。魔法の国諜報部(仮)との棲み分けは暗部の担当するような仕事を魔法の国諜報部(仮)が、それ以外の少数精鋭で動いた方が良い任務を独立魔導小隊が、という形にするといいんじゃないかな? これまでの魔法の国の魔法使い――貴族達から裏金を受け取って護衛というのは無しの方針で。そして、いよいよ魔法の国政府の内部だけど、内務局、外務局、軍務局、近衛隊の四つの部署に分ける。内務局は内政を司る部署で内務局局長は黒の使徒の幹部『烏羽四賢フォー・セイジズ・オブ・レイヴン』の一人である絹紐美結さんにお願いしたい。外務局は外交を司る部署で外務局局長は元人事部門部門長のウェネーフィカさんにお願いしたいと思っている。軍務局は魔法の国の統一軍隊で軍務局局長は炎谷篝火さんにお願いしたいと思っている。最後に近衛隊は魔法の国の中枢を守護する組織だ。この近衛隊隊長は咲良坂桃花さんにお願いしたいと思っている。ここまでで反対意見がある人はいるかな?」


 特にないようなので、話を続けるとしよう。


「菱川小筆さんは本人の希望もあって中枢に関わる役職は無し、ただし政府中枢には参加してもらうという形になる。魔法の国は合議制を基本としてもらいたいからねぇ。各部門と四つの局のトップ、そして菱川小筆さん、真白雪菜さん、刻曜黒華さんでしっかりと話し合って運営していってもらいたい。……えっと、一応肩書きは宮廷画家長でいいんだっけ?」


「はい、宮廷画家長です。バトル・ライブラリーの施設長(アイランド・ブレイン)の仕事もありますので」


「……確かに小筆さんってあんまり組織を束ねるっていうタイプじゃないわよね。黒の使徒が魔法の国を治めるルートだと一人だけ政治に関わらずに放浪の画家として姿を消したのよね?」


「私もその話を聞いて私らしいな、と思いました。黒華さんにせめて籍だけは置いて欲しいと言われなければ施設長(アイランド・ブレイン)の仕事をして日銭を稼ぎつつ、放浪の画家として生きていこうと思っていましたから」


 まあ、彼女らしいエンディングだったんだけどねぇ。ただ、黒華にとっては心強い仲間だからQueen of Heartを倒して「はいおしまい」じゃなくて、その後も力を貸して欲しいと思ったんじゃないかな?


「そして、魔法の国の最中枢、一応肩書き上の頂点である魔法の国女王には真白雪菜さんに就任してもらおうと思っている」


「わ、私ですか!? 黒華さんじゃなくて……私は何もしていないのに。黒華さん達のような志も持っていなかった私が、本当に、その、女王に就任するのですか?」


「完全に黒の使徒がほとんどの要職を独占した挙句、黒の使徒の代表である黒華さんが実権を握れば不満は噴出するだろう。まあ、そうじゃなくても嫌っていう人は多そうな人事だけどねぇ、誰だって頂点に立ちたいものだろうし。その点、真白雪菜さんは黒の使徒所属ではない一般の魔法少女。そして、圧政を敷くQueen of Heartを討伐した魔法少女でもあり、その後、世界を滅ぼそうとした那由多彼方を討伐して世界を救った英雄だ」


「で、でも、それは圓さんの功績で――」


「Queen of Heartの討伐に貢献したのは事実。そして、那由多彼方については実際、討伐に貢献したのは確かでしょう? 那由多彼方は雪菜さんが黒華さんとボクの手を借りつつも己の手で討伐を成し遂げた。そういうシナリオ、いいね?」


「……はい」


 釈然としない顔をしながらも一応同意は貰えた。

 ……まあ、雪菜を魔法の国の女王に据えるのは事前に黒華と話し合って決めていたことだしねぇ。実際、ゲーム時代のエンディングを見比べて雪菜と黒華、どちらの治世が反発が少なかったと言われたら、それは雪菜が魔法の国の女王に就任したルートだった。……まあ、Queen of Heartに比べればどちらも遥かにマシなんだけどねぇ。


「黒華さん、助けてください! 私じゃ絶対に女王は務まりません!!」


「ごめんなさい、私も雪菜さんが女王になるのが一番だと思うわ。大丈夫、私も精一杯雪菜さんに協力するから」


「……そんな」


「その黒華さんには魔法の国の王妃になってもらう。大丈夫、婦婦(ふうふ)二人三脚ならどんな荒波も乗り越えられるさ」


 雪菜と黒華が同時に顔を赤らめた。……可愛い。


「残る研究部門については続投、ただし、カルファさんに関しては五老臣の一人でこのまま中枢に残るのは今後のことを考えるとあまりよろしくない。ということで、研究部門部門長代行のステラさんに研究部門部門長を務めてもらうことになる。一応、カルファさんは研究部門に籍は残すものの……今回の戦争、一応戦勝国の君主としては何かしらの利益をもらいたいと思うんだよねぇ。だから、捕虜という名目でビオラでカルファ・ミディ・ベルン・エディアの身柄を貰い受けたいなぁ、と思っている」


「俺達も戦勝国だけど、何も利益ねぇよな? 親友だけ狡くね?」


「…….時空騎士(クロノス・マスター)の給与出てるし、好きなだけ暴れられる環境を今回も用意したし、ウェネーフィカさん(生贄)も用意したし、これ以上何か不満あるの?」


「……私は生贄の扱いなのか?」


 まあ、外務局は多種族同盟関連の仕事が増えるからねぇ。アーネスト達へのお土産としてはいい人材(もの)が手に入ったんじゃないかな?


「これからよろしくお願いしますでございます」


「……お手柔らかに頼む」


 流石のウェネーフィカの顔も引き攣っていた。満面の笑みのメアレイズとサーレとの対比が凄いねぇ。


「カルファさん、本当に大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫ですよ! 圓さんはなんでも魔法の国由来じゃない魔法少女に関する知識も豊富と聞きますし、魔法少女に関する技術も持っておられるようです。私は正直、人造魔法少女は魔法少女にあらず、真の魔法少女とは言えないと思っていたのですが、それが浅慮だったことにようやく気づくことができました。是非、共同研究を、と思っていたので捕虜の話は渡りに船でした」


「そうですか……それは良かったわ」


 「あの変態が喜んでいるなら、別にいいか」と死んだ魚の目をカルファに向けるステラだけど、当のカルファはノイシュタインに興味津々で全然気づいていないようだった。

 お読みくださり、ありがとうございます。

 よろしければ少しスクロールして頂き、『ブックマーク』をポチッと押して、広告下側にある『ポイント評価』【☆☆☆☆☆】で自由に応援いただけると幸いです! それが執筆の大きな大きな支えとなります。【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてくれたら嬉しいなぁ……(チラッ)


 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ