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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-50 新たな諜報員達と『フォーリアの指輪』 scene.2

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


「本音を言ってしまえば、正直、戦力になりそうな人間を一般人にしてしまうのは惜しい。光属性の持ち主は少ないからねぇ。……多種族同盟の中枢で取得方法が秘匿されている聖属性魔法は光属性魔法の上位互換だけど、その上にある神聖魔法は光属性の保有者にしか到達できない。ボクとしては是非、蕗谷澪さんのお力をお借りしたいのだけど」


「諜報員でしたね。……私は前世、ただの女子高生でそういった技術は持っていませんでしたし、危険なことは……」


「まあ、危険は確かにあるけど福利厚生はばっちり……住居と食事も提供させてもらうし、給与も基本給に加えて重要な任務をこなせば追加報酬もある。長期的な潜伏任務とかもあるけど、そういった任務で足りなくなった分の休日は何かしらの形で補填させてもらう。……まあ、光属性持ちは希少だし、狙われる可能性もある。そういう時に結局、自分の身は自分で守るしかない。そういった護身の技術も諜報の技術と共に教える。……勿論、一度入ったら抜けられないということはないけど、任務で見聞きしたこと、諜報部隊フルール・ド・アンブラルに関する情報は基本的には口外禁止……もし破れば全力で殺しに行かせてもらうよ」


「まあ、諜報部隊ですから守秘義務は発生しますよね。……どの道、この話を聞かされた以上、一般人になっても守秘義務は発生しますし、自分の身を守るだけの力があるとも言えません。……その力を与えてくださるというのであれば、諜報部隊フルール・ド・アンブラルに所属させて頂きたいと思います」


「決まりだねぇ」


 フォーリア=スヴィルカーチ改め、フロラシオン=リストヴァーの教育は白夜に一任した。ボクはあの四人の教育があるし、聖人の修行を行うとなると他の諜報員では対応できない。

 ……諜報部隊フルール・ド・アンブラルに所属することになった全ての諜報員の中で最も過酷な修行の内容になったけど、是非頑張ってもらいたいねぇ。


 ちなみに、フロラシオンの姿はフォーリアをベースにしつつ、そこにフォーリアの記憶にある蕗谷澪の要素も足している。

 エイフィリプ達の時と同じように究極調整体アルティメット・ドリーカドモンの要素も加えているので、元々ヒロインに相応しいチートスペックだったフォーリアが更に強くなった。フォーリアも「体が軽くなった気がするわ。……それに、綺麗になったわね。……元々綺麗だったけど、こんなに浮世離れした美貌では無かったわ。……これで諜報なんてできるのかしら? 心配だわ」と更に美しくなれたことと身体が軽くなったことに喜びつつも、少し不安そうにしていたけど。


 白夜は臨時班メンバーの候補達の実力を測るための模擬戦をする日までにフロラシオンをどこに出しても恥ずかしくない立派な聖女兼諜報員に育て上げてみせると約束してくれた。

 蕗谷澪(フロラシオン)がどんな感じになるのか当日が楽しみだねぇ。


 ……さて、残る四人の調教……じゃなかった諜報員教育を頑張りますか!



 臨時班メンバーの候補達の実力を測るための模擬戦を終えたその日、フロラシオンが戻ってくるということで元グランビューテ、元オーガスタ、元ジェルファ、元フォーテュードをフロラシオンにお披露目することにした。


 今日までの修行に関する報告は白夜から報告は受けていない。白夜には報告をしないようにお願いしたからねぇ。

 だから、実は楽しみなんだよねぇ……フロラシオンがどんな風に育ったのか。


「……圓様、お久しぶりです。……死ぬかと思いましたよ」


「お疲れ様。……どうやら無事聖人に至ることができたようですねぇ」


『えぇ、要領が良いので教えるのも楽でした。大変な修行も頑張ってついてきてくれましたし、とても教え甲斐のある生徒でした』


「白夜先生はとても教え方が上手くて私も少しずつ強くなっていっているんだって実感できました」


「……ということは、『死ぬかと思った』の理由は修行以外に関してですねぇ」


「はい、白夜先生の教えを受ける条件として天上の黒百合聖女神聖法神聖教会の総本山での仕事を手伝っていたのですが……アレッサンドロス天法導皇臺下、コンラート筆頭枢機卿猊下、マルグリットゥ天法導皇臺下、トレーボル筆頭法司教猊下、カムノッツ天法導皇臺下、ペコラ主教猊下、フィルミィ主教猊下、ミッドレス大司教猊下が次々とリーリエ様、マリーゴールド様、ネメシア様、ラナンキュラス様がいかに凄いのかというお話を懇々とされ、事務仕事がなかなか進まず……しかも、会う度にそれぞれの派閥に勧誘されますし、言い争いを始めてしまいますし」


「それは申し訳無かったねぇ……たくアイツら、まだそんなことやっているのかよ」


『馬鹿につける薬はありませんわね。アイツらは死んでもあのままだと思いますわ。……本当は圓様に良い報告ができるようにしっかりと睨みを効かせるつもりだったのですが、馬耳東風でして』


「まあ、仕方がないことだよ。さて、フロラシオンさんも白夜さんのお墨付きをもらえたことだし、数日ぶりの再会と行こうか? 入ってきていいよ」


 部屋に入ってきたのは金髪を肩まで伸ばした青い瞳の美しいマーメイドドレス姿の女性、ロリィタ衣装に身を包んだファンシーな見た目の可愛らしい少女、黒のフレアスカートアレンジの軍服にを身を包んだ長身の女性、そして桃色のプリンセスラインのドレスに身を包み、丸眼鏡を掛けた知的さと可憐さを両立した美しい銀髪の少女だ。


「あまりにも変わり過ぎて分からないと思うけど……」


「青いマーメイドドレス姿の女性がグランビューテ殿下で、ロリィタ衣装の女性がフォーテュード様、騎士風の凛々しい女性がオーガスタ様、眼鏡をかけたお姫様風の女性がジェルファ様ですね」


「うん、正解。お見事……まあ、分かる要素は残っているから分かるよねぇ」


「フォーテュード様は強面な見た目で可愛いものが好きですし、オーガスタ様は騎士の要素を残しています。ジェルファ様もメガネで解りましたし、グランビューテ殿下は金髪も澄んだ碧眼をそのままです。お久しぶりです、皆様」


「お久しぶりですわ。……今の私はディートリンデ=ケーニヒですわ。ディートリンデとお呼びくださいませ」


「私はガブリエーレ=プフェーアトですわ」


「ギルベルタ=トゥルムです。ギルベルタとお呼びください」


「ヨゼフィーネ=ロイファーです」


「しかし見違えました、フォーリア様。以前の姿も可愛らしかったですが、今の姿も素晴らしいですね。惚れ直しましたわ。……王子であることに胡座をかき、私がやってきたことは償っても償いきれないことでした。……そして、償うことすら許されないこと……グランビューテも、フォーテュードも、オーガスタも、ジェルファも全てあの日死んで、生まれ変わった。私達にできることはあの国と決別し、新国王となったダルフ様が私達が崩壊させてしまったあの焼跡の国を復興し、全ての民達が苦しむことのない良い国にしてくださることを祈ることだけです。……ローザ様から全てお聞きしましたわ。フォーリア様は転生者だったと……今のフォーリア様にお聞きしたいのです。王子の立場もない、富も権力もない私のことをフォーリア様はどう思われますか? もう私に価値はないと、そう思っているのではないでしょうか?」


「そんなことないわ! ……私はきっと本当の意味でグランビューテ殿下のことも、フォーテュード様のことも、オーガスタ様のことも、ジェルファ様のことも見ていなかったのだと思います。『フォーリアの指輪』に囚われ、色々なものが見えていなかったのです。……私は最低の女です。最悪の悪女です。……グランビューテ殿下、既に終わったことですが婚約を解消しましょう。私は……殿下には相応しくありません」


「……私は、私はフォーリアのことが好きですわ! この気持ちに偽りはありません。フォーリア――蕗谷澪様は、どうなのですか! 私のことは好きでもなんでもなかったのですか!?」


「そんなことないわよ! ……私は、私は貴方のことが好き。この数日間、初めてグランビューテ殿下達と離れて、もう一度考えてみたわ。どれが本当で、どれが偽物だったのかって。……この気持ちが偽物かもしれないって一度は思ったわ。でも……そうじゃなかったの。……確かに、お互い足りないところがいっぱいだったわ。私も殿下もお世辞にも性格がいいとは言えない。……でも、あの過ごした時間を思い出した時、立場も忘れて本心で笑い合えたそんな瞬間が確かにあったと思うの。その時のことを思い出した時、私は確信したわ……私は本当にグランビューテ殿下のことを愛しているんだって……もし、私のことを許してくれるなら、もう一度やり直したいわ」


 フロラシオン(フォーリア)ディートリンデ(グランビューテ)が抱き寄せる。ラブラブだねぇ……上質な百合、ご馳走様です、じゅるり。


「……しかし、レティーシャ様には本当に申し訳ないことをしてしまいましたわ。……償っても償い切れる話ではありませんが、どのような形でもいいのでいつか謝罪をしたいです」


「私も、グランビューテ殿下を誘惑しなければレティーシャ様が婚約破棄をされることもありませんでしたし、償っても償い切れることではありませんが、私も必ずレティーシャ様に謝罪をしたいと思っています。圓様、機会を作っては頂けませんか? ……私達に二度目の人生を与えてくださった圓様にこれ以上の物を求めるのは間違っているとは思いますが」


「……それなんだけどねぇ、レティーシャ=アマルファド公爵令嬢には謝罪する必要はないと思うよ」


「それは、どういうことかしら?」


「……メアレイズから報告を受けた時には揃って溜息を吐いちゃったんだけどねぇ。あの戦争終結の騒動の直後にレティーシャ公爵令嬢は年下の伯爵令息と婚約を結んでいたみたいでねぇ。あまりに出来過ぎの話だから情報を集めたようだけど、在学中からその伯爵令息と交流を持っていて……それどころか身体の関係にあったみたいだよ。他にも調べたら出るわ出るわ……巧妙に隠しているから気づかれていなかったみたいだけど、レティーシャ公爵令嬢も何又も掛けていたようだよ。表向きは品行方正な公爵令嬢を装っていたけど、中身はフォーリアなんて目じゃないほどの遊び人で雌犬(ビッチ)だったという訳。ちなみに、既にその情報は拡散されていてレティーシャ公爵令嬢は傲慢王子に捨てられた悲劇の公爵令嬢から一転、貞操観念の緩い阿婆擦れとして嘲笑され、そのお相手の伯爵家共々評判が駄々下がりみたいだよ。まあ、その伯爵家は全力で否定しようとしてレティーシャ公爵令嬢と伯爵子息の婚約も白紙撤回したようだけどねぇ。公爵家の方は王国に居られなくなって夜逃げのように逃げ出して消息不明……だから、会って謝罪をしようにもどこにいるかも分からないんだよねぇ」


 品行方正で貴族令嬢の中の貴族令嬢で、『フォーリアの指輪』の中では悪役令嬢でありながら高い人気を誇ったレティーシャ=アマルファド公爵令嬢の本性を知って、ディートリンデ、フロラシオン、ガブリエーレ、ギルベルタ、ヨゼフィーネが何とも言えない顔になった。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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