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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-23 臨時班派遣間近〜臨時班候補達vsローザの模擬戦〜 scene.3

<三人称全知視点>


大燕羽弾(スワロー・ストーム)


 燕は至近距離から羽を弾丸のように放つ。武装闘気を纏わせることで威力も上がっており、その攻撃力は武装闘気を纏っていなかったローザの顔に無数の切り傷を刻むほどだ。


「……義姉さんの顔に攻撃を……許せませんね」


「ネスト様、お供しますわ」


「ネストさん、ソフィスさん、お気持ちは分かりますが冷静に……これは模擬戦ですから、ローザ様の顔に一生傷が残る訳ではありません。……それに、ここで仲間割れは得策ではありませんよ」


 青筋を立てたルーネスとアインスを必死に静止しながらネストとソフィスに早まらないように声を掛けるサレム。

 ……まあ、サレムもローザの顔に傷をつけた燕に怒りを覚えない訳ではないので、気持ちは分からないでもないのだが。


「武装闘気を纏っていない顔を狙うとはなかなか考えましたねぇ。……そして、至近距離からの大飛燕弾マキシマムスワロー・バースト、回避不能な絶妙な攻撃の応酬ですねぇ」


 水属性、闇属性、光属性を複合することで誕生した鎮属性と火属性の複合魔法――これが、燕の習得した新たな魔法だ。

 共通する効果として、鎮属性の鎮静効果があり、相手の痛みを和らげることが可能で、それと同時に眠気を引き起こす。威力の期待できない「小飛燕弾ミニスワロー・ショット」は麻酔的な使い方がメインだが、標準サイズの「飛燕弾(スワロー・ショット)」は攻撃としても十分通用するレベルであり、巨大な青い燕を放つ「大飛燕弾マキシマムスワロー・バースト」であれば抗い難き眠気を引き起こす。


 小さければ小さいほど攻撃速度も上がるため、大きくなればなるほどその分回避も簡単になるのだが、燕は確実に命中させられるように至近距離から「大飛燕弾マキシマムスワロー・バースト」を放った。

 それでも回避しようと思えば回避できるのだが、ローザはあえて回避を選ばなかったため「大飛燕弾マキシマムスワロー・バースト」が直撃――これまでの疲労もあってか戦闘中に眠ってしまった。


「……これでトドメよ! 大燕翼撃(スワロー・ドライブ)!!」


 無防備な寝顔を晒すローザに向けて容赦なく攻撃を仕掛ける燕。

 これで撃破とはいかずともかなりのダメージを与えられるんじゃないかと思った矢先、ローザの目がパチっと見開いて燕と目があった。


「――ッ! 起きるの早過ぎるでしょ! もう一度寝なさい! 飛燕雨(スワロー・レイン)


「生憎とボクは僅かな殺気でも防衛反応で目を覚ましちゃうんでねぇ。――もう底は見切ったよ。臨時班合格水準だけどボクを倒すには足りないかな? 幽霊の魂撃(スピリット・ハンマー)


 魂魄エネルギーの奔流を放つリサーナのオリジナルの無属性魂魄魔法に武装闘気を纏わせて放ち、雨の雨粒一つ一つが「小飛燕弾ミニスワロー・ショット」よりも小さい青い燕になっている燕の降らせた豪雨を吹き飛ばすと、至近距離に迫った燕に向かって石化効果のある黒い毒でできた毒竜の頭部を嗾しかけた。


石毒蛇竜バジリスクポイズン・ヒドラ(アギト)


 スザンナが開発した魔法「毒竜(ヒドラ)(アギト)」と『這い寄る混沌の蛇』のアポピスが開発した魔法の一つで『蛇の魔導書』に掲載されている闇属性・毒属性複合魔法「這い寄る石毒の蛇スリザリン・バジリスク」を元に作り出した闇属性と毒属性複合魔法で石化効果のある黒い毒でできた毒竜の頭部のみを生み出す「八岐の石毒蛇竜スリザリン・バジリスク・ポイズンヒドラ」の派生魔法を直撃で浴びた燕は一瞬にして石化し、続いて放たれた無数の幽霊を集結させ、竜巻の形状にして放つリサーナのオリジナルの無属性魂魄魔法を元に作り出したローザのオリジナル魔法「幽霊の撃嵐(スピリット・ストーム)」によって落下し始めていた燕の石像も粉々に打ち砕かれる。


「そうですねぇ……では、次はこういうのはどうでしょう? 石毒蛇竜の審判者バジリスクヒドラ・ジャイアント


 石毒魔法の恐ろしさを見せつけた絶好のタイミングでローザは新たな石毒魔法を発動する。

 スザンナが開発した魔法「毒竜の巨人(ヒドラ・ジャイアント)」と『這い寄る混沌の蛇』のアポピスが開発した魔法の一つで『蛇の魔導書』に掲載されている闇属性・毒属性複合魔法「這い寄る石毒の蛇スリザリン・バジリスク」を元に作り出した闇属性と毒属性複合魔法によって、九つの毒竜の顔を持つ全身石化効果のある黒い毒でできた巨人が二体戦場に投入された。



超音爆破(フォルティッシッシモ)――爆音(チュドーン)!」


 天音は猛烈な音の衝撃波を放つ音魔法に奏でた音から連想できる物理現象を引き起こす「音響の天恵」の力を組み合わせ、一体ずつ巨人を確実に爆破に巻き込んで爆裂四散させる。

 

「まさか、こんなにもあっさり『毒竜の巨人(ヒドラ・ジャイアント)』を撃破されるとは……面白い!」


「『音響の天恵』――覚醒(アウェイク)音速移動(マッハ)


 「毒竜の巨人(ヒドラ・ジャイアント)」を撃破して見せた天音は今度はローザに狙いを定め、「音響の天恵」の力を解放する。

 「音響の天恵」を含む「天恵の実』には覚醒(アウェイク)と呼ばれる段階があると言われている。今回の修行で天音はその段階に到達していた。


 覚醒(アウェイク)によって天音が得た新たな力は音速移動――より正確に言えば、音速で移動するのではなく音そのものになって移動することが可能になる能力である。

 音という波に体を置き換えているため、武装闘気を支えなければ実体を捉えることはできない。つまり、武装闘気のような特殊な力がない相手に対しては一方的な蹂躙が可能となる能力である。


「ボク相手に速さで勝負とはいい度胸だねぇ。《天照日孁大御神アマテラス・ヒルメノオオミカミ》――《太陽神》!」


 《太陽神》の力で自身の身体を光そのものに変化させ、光速移動したローザは武装闘気を纏わせた脚で光の速度の蹴りを放つ。

 レーザーと化した蹴りは音化していた天音に命中――的確に腹を貫いて撃破に追い込んだ。


「残るは雪菜さん、黒華さん、桃花さん、篝火さん、美結さん、小筆さん、雫さん、綾夏さん、春海さん、火憐さん、玲華さん、菊夜さん、沙羅さん、アルベルト殿、ソフィスさん、ルーネス殿下、サレム殿下、アインス殿下、ルイーズさん、ネスト、プリムヴェールさん……まだまだかなりの数残っていますねぇ。一気に撃破したいところですが、実力把握もしないといけないし……というか、別に律儀に一対一で仕掛けてこなくでいいですよ?」


「では、次は私と綾夏さんの二人が相手だ」


濃霧の森(ミスト・フォレスト)! 霧の造形者モデラー・オブ・ミスト


 「夜霧の天恵」を使い、霧から拳銃を作り出した綾夏が弾丸を連射する。その全てに武装闘気を纏わせており威力は申し分ないが、見気を駆使すれば容易に躱すことができる。


「風刃空断・双刀」


超多重障壁(ファランクス)


 風の刃十二本を一本ずつ消費することで、目視している場所ならばどこでも斬ることができるミスルトウのオリジナル風魔法を双剣として発動し、次々と風の刃を放ってくるローザに対し、雫は様々な性質の二十四枚の障壁を展開する魔法を展開して攻撃を防ぐ。


「一枚の防壁を破壊しても、そのすぐ下にまた新たな防壁が出てくるため障壁の突破は困難ということですか。ならば、障壁干渉クラッキング・ディフェンス! 八岐の石毒蛇竜バジリスク・ポイズンヒドラ


 「超多重障壁(ファランクス)」の障壁を書き換えて弱体化させると、ローザは闇属性と毒属性複合魔法で石化効果のある黒い毒で作られた九つ首の毒竜を放って雫の障壁の破壊と石毒による石化を狙った。


多重の環状鋼籬(スチール・ヘンジ)


「なるほど、ボクの『多重の環状石籬(ストーム・ヘンジ)』を金属に置き換えた魔法ですか。鋼鉄の壁を創り出す『巨鋼の壁(スチール・ウォール)』を円形状に、それぞれの鋼鉄が互い違いになるように設置することで防御する魔法……『守護者の天恵』だけに頼らず魔法の腕も磨いているようですねぇ。そして――」


無空領域ノーオキシジン・ワールド! 猛毒性気体(ポイズン・ガス)!」


 雫に注意が向けられている隙を突き、綾夏は覚醒(アウェイク)に至った「夜霧の天恵」を使って空気から酸素を取り出し、そこに猛毒のガスを流し込む。

 勝利を確信した綾夏だったが……。


「まさか……この攻撃も通用しないの!?」


「あまりにも派手に動き過ぎたよ。ベストパートナーの二人が、雫さんの作ったこの隙を突かないなんてことがある訳がない。……『サーキュレーションバリア』、自分の周囲に空気の領域を作り出してその中で大気を循環させる魔法だよ。『無空領域ノーオキシジン・ワールド』を使われた直後に発動したから酸素を抜かれても問題無かったという訳。そして、いくら強力な力を持っていてもボクの魔法を上回る干渉力が無ければこの壁は崩せない」


「……だけど、酸素は奪ったわ。その酸素を使って『蒼焔燃剣(ブルーソード)』を使うことはできる」


 覚醒(アウェイク)に至った「夜霧の天恵」の力を使い、大量の酸素を手中に纏めて点火、完全燃焼させた青い炎の剣を雫の手に創り出すと、綾夏から武器を受け取った雫は地を蹴って加速する。


超多重障壁(ファランクス)


「無意味だよ。障壁干渉クラッキング・ディフェンス


 何十枚も重なっている障壁をそのままぶつけることで攻撃に利用する雫に対し、ローザは障壁の強度を低下させると武装闘気を纏った拳で粉砕――そのまま接近戦を仕掛けてくる雫に裏武装闘気の剣を作り出して応戦する構えを取った。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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