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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-12 バトル・アイランドのお披露目 scene.7

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


「ルーネス殿下、サレム殿下、アインス殿下、初見で左足撃破できたのだから十分凄いんだよ……だから、そう落ち込まなくてもいいと思うんだけどなぁ」


 受付に戻ってきたルーネス、サレム、アインスの三人はどんよりムードだった。

 ……まあ、正直な話、ボクもあれはやり過ぎだと自覚しているからねぇ。そもそも、初見攻略なんて不可能に近いんだよ。初見じゃないアクア達だってあれで一回以上やられたらしいし。


「……お父様達はどのように勝利したのですか?」


「均一にダメージを与えながら戦ったら勝てたぜ。俺たちも一度同じ目に遭ったんだぜ? アクアから脚を壊せばもう一方も壊れるって聞いたから重点的に狙ったら、『轟音を立てて崩壊した』ってよく分からない攻撃で死にかけるし、追い打ちかけられるし……」


「そんなこと言ったってまさか対策立てられているとは思わないじゃないか! お嬢様! どういうことですか!?」


「どういうことかって……『ギギ……ギギギ……』の発動条件がエネミー≤1の条件に変更されただけだよ。自分の他にエネミーがいなければ自爆、頭部を含め一体でも残っていれば『轟音を立てて崩壊した』を使う。連鎖的に壊れていくから、全て耐え切れば上手くいけば頭部だけになるか、事前に頭部を倒しておけば勝利確定になるんだけど、頭部は一体になると攻撃が強化されるからねぇ……まあ、オススメは頭部を倒してから胴体、左腕、右腕、左足、右足のうち四つの『轟音を立てて崩壊した』を耐え切るか、同時攻撃で全部削っておいて、頭部を残して『轟音を立てて崩壊した』を使われる前に倒し切って頭部との戦いに持ち込むか……まあ、やり方は色々あるよ」


「厄介な『ジャッジメント・コマンド』も今回追加された『ファーストインスタンス』と同じで当たらなければ問題ないですからね。……つまり、鍵は『轟音を立てて崩壊した』をいかに対処するか、そして、攻撃をいかに避けるかですね。当たったら敗北確実な攻撃ばかりですし」


 ルーネス達が不満そうだけど、挑戦はまたの機会にしてもらってボク達は最後に景品交換所に向かった。

 中心にバトル・シャトーが聳え立ち、北東にバトル・ライブラリー、北西にバトル・アリーナ、東にバトル・ダンジョン、西にバトル・クエスト、南東にバトル・ルーレット、南西にバトル・サブウェイがあるという構造で、この景品交換所はバトル・サブウェイから出てすぐのエントランスにある。

 このエリアにはレストランや土産物店などもあって観光地らしい要素が強い。ここではお金でもポイントでも商品を購入することができる。


 景品交換所は黒い四階建ての建物になっている。一階は受付で二階より上には交換する景品が管理されている倉庫になっている。

 受付は二種類あって、一つ目はポイント交換所、もう一つはチャレンジメダルの交換所になっている。


 ちなみにこの建物の真向かいには冒険者ギルドの出張所があって、ここでも依頼を受けられるようにはなっているんだけど、まあ、こんなところで依頼は受けないよねぇ。


「まずは、チャレンジメダルの交換所……商品は独創級の武器が多いねぇ。擬似魔力炉・擬似魔力回路・特殊な魔力変換器も搭載しているから魔法素養がなくても魔法使用できるようになる。それから、属性を付与した魔力変換器に嵌め込めるクリスタルカートリッジも購入できる。独創級の武器はものによるけど、まあ、最低でもチャレンジメダルは四枚、クリスタルカートリッジは二枚という感じかな? 迷宮産の幻想級武器を元にしたものも多いけど、中にはボクが作った機械系の武器もいくつかある。『空飛ぶ十字架(クロス・ビット)』みたいな厨二武器もあるよ。それから、『魔法大全 第一版』――ボクの知る全ての魔法についての詳細が書かれた辞典で、一冊でチャレンジ十枚、複製ができないように仕掛けは組み込んでいるけど、譲渡は可能、電子版もあるよ。それと……これが一番高いかな? 『典幻召喚(コール・ヴィジョン)』、一冊でチャレンジメダル百枚。これはなかなか作るのに手間が掛かるからねぇ」


「百枚で……圓様に『典幻召喚(コール・ヴィジョン)』を作ってもらえるのですね!?」


 あっ、ソフィスがやる気になったみたいだ。……でも、一ヶ月につき二枚しか獲得できないから先は長いと思うけどねぇ。


「続いてポイント交換所……こっちはあんまり戦い向きですってものが少ないねぇ。まずはビオラ商品券、キリがいい数字で千、五千、万を用意しているよ。ビオラの商品もポイントと交換することはできるから、ビオラ商会合同会社で扱っている商品全般も交換はできる……ただし、ビルとか屋敷とか、そういったものは即日引渡しができないから、ビオラ各担当部署が引き継ぐことになるけど。そして、目玉はポイント交換所でしか交換できない特別な品々。例えば、新星劇場(テアトル・ノヴァ)にはボックス席というものがあるけど、その中でも最上位の中央ボックス席――ミッテルロージェについてはこのポイント交換所でしか入手できないようにしようかと思っている。まあ、当日使用者がいなければ販売するつもりだけどねぇ。……御用聞きでも商品として扱わない予定だから、ここで購入するか、同日早い者勝ちで購入するかどちらかになる。ただ、正直戦闘好きにあんまり演劇好きはいないから人気は出なさそうだよねぇ。それから、プリムラ姫殿下へのプレゼントでお馴染みのインペリアル・イースター・エッグ。これも、完全受注生産にしてビオラでは扱わないことにしたので、このポイント交換所でしか購入できない。後はビオラに下ろしていない高級なワインとかあるけど……」


『な、なんじゃと!? ここでしか買えない『ミルキーウェイ』のロリィタじゃと!? たっ、高い……でも、欲しい!!』


「それから、アスカリッドさんが目を輝かせているように『ミルキーウェイ』のロリィタなどのあります。ここでしか買えない小説の短編とか、二次創作の同人誌の依頼もできますのでよろしければ」


「ほ、本当ですか!?」


 ソフィスが食いついた……というかソフィスほどの執筆力があるなら自分で書いて仕舞えばいいんじゃないかと思うけど、それじゃあ、展開を楽しめなくなるからダメなんだろうねぇ。


「この中で最高額のものは一体何なのかしら?」


「黒華さん、お目が高い。丁度、雪菜さんとのデートにぴったりだよ」


 雪菜と黒華の顔が赤くなっている……可愛い。


「バトル・アイランドには完全予約制のクラブがある。場所はこの島のどこかとだけ言っておこうかな? この島のレストランはアルコール提供もしているから、どこぞの夢の国みたいにこの店だけアルコール提供が可能みたいな特別感はないねぇ。この店は一日一組限定にしようかな? と思っている」


「一日一組ですか……確かにプレミアはありますが、この島のレストランはローザ様の愛弟子のペチカさんの監修を受けているのですよね?」


「アルベルトさんの言いたいことは分かりますよ。ボクだってこれを最高額の商品に据えない方がいいかな……と思っていたんですけどねぇ。ペチカさんと相談している時に『それ以外はあり得ません!!』と猛プッシュされまして……店の店員は一人で、料理人も兼ねています。出すお料理はコース料理一つでメニューは選べません。ここにある他のレストランやブライトネス王国のレストランの方が楽しめる方の方が多いと思います。料理人はボク、出す料理はボクの全力のスペシャリテです。……まあ、そろそろ月紫さんとの再会の時期も近づいてきていますし、料理の腕も鍛えておかないと、と思いまして……聞いてます?」


 あれ? 何でみんな固まったんだろう? アルベルト達だけじゃなくて職員以外のポイント交換所に来ていた人達も固まっているし。


「な、なんじゃと!? この『クラブ・アスセーナ』はローザの!? くっ、エリーザベトにプレゼントしたらきっと喜んでもらえる……しかし、限定の『ミルキーウェイ』のロリィタ……ぐぬぬぬ」


 アスカリッドだけでなく、ここにいるほとんどのメンバーが思案を巡らせているようだねぇ。……誰と一緒に行くか、条件がキツい分、その一回を大切に使いたいと思っているんだろうねぇ。


「ソフィス様はどうなさいます?」


「私は両親とお兄様と一緒に食事をさせてもらおうかな? と思っているところです。……アルベルト様はご家族と、ですか? 正直な話、私達にはあまり関係ない話だと思いますわ。圓様とご一緒になんてお考えだったかもしれませんが、その圓様にもてなされるのですわよ? 決して対等なデートとは言えませんわ。……確かに、圓様の料理を楽しみたい気持ちは強くありますわ。でも、料理を作ってもらって、対面に座ってもらって、一緒にデートってそれはやっぱり違うと思います。いつもお忙しい圓様には、デートの時くらいゆっくりと楽しんで頂きたいのです。……本当はいつも頑張ってくださっている使用人の皆様もご招待したいところですが」


「ソフィスさん、アクアマリン伯爵家御一行様は一組に数えられますよ? ……流石に王宮の使用人全員みたいなことだと無理ですが、それくらいの人数なら大丈夫です」


「……そんな、ご迷惑になるのでは?」


 ソフィスはボクの手間を考えて使用人達を招待するのを諦めようとしているけど、ボクだってお世話になっているし、それくらいは別にアリだと思う。一部の使用人を贔屓すると格差的なものが生じるのは分かるし、それをソフィスがよろしくないと思っている気持ちも分かる。


 まあ、店もそのつもりで広く取ってあるし、大丈夫だと思うけどねぇ。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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