Act.9-11 バトル・アイランドのお披露目 scene.6 下
<三人称全知視点>
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巨人の頭部 の プリトライアル
自身のチャージカウント が 最大になった
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「何もして来ないじゃないか! 『剣聖』の剣技を喰らいやがれ!!」
ギルデロイが勢いよく飛び出して次々と斬撃を浴びせていく。
やはり頭が弱点だろうと考え、狙いを巨人の頭部に定めたようだ。
斬撃が一撃、二撃……しかし、武装闘気すら纏っていない状態で巨人の頭部にダメージを与えることはできない。
そして――。
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巨人の頭部 の ファーストインスタンス
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アルベルト、ギルデロイ、ルーネス、サレム、アインスの五人を守るかのようにバリアが張られた。
「全員退避ですッ!!」
しかし、サレムはそれをただのバリアではなくドリームチームトーナメントで猛威を振るったハッキングオルカや、バトル・シャトーのお披露目を兼ねた剣武大会でアネモネが見せたバリア潰し戦法だと見抜いた。
あらゆる防御を無意味化するこのバリア潰しは全身に武装闘気を纏っていても意味がない。回避できなければ、その時点で負けが確定する。
巨人の頭部の一つ目から光条が放たれ、真っ先にギルデロイが一撃でポリゴン化し、残る四つの光条がアルベルト、ルーネス、サレム、アインスに襲い掛かる。
俊身と空歩に神速闘気を組み合わせ、とにかく光条に当たらないように全力で攻撃を躱す四人――どうやらホーミング効果は備わっていないようで四人は無事に最初の難局を乗り越えることに成功した。ちなみに一戦目に全員攻撃を仕掛けていたラインヴェルド達は抵抗する間も無くこれで撃破されて全滅している。
ちなみに、バリア潰し自体はバリアを張られた時点で理解していた。ただ、近づき過ぎた故に回避し切れなかったというだけである。
まさか、五つもカウントあるんだし一撃目から必殺技撃ってこないだろうという油断が招いた悲劇だった。
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巨人の胴体 の エンシェント・リアクター
巨人の胴体 に リカバリー付与
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巨人の左腕 の エンシェント・リアクター
巨人の左腕 に リカバリー付与
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巨人の右腕 の エンシェント・リアクター
巨人の右腕 に リカバリー付与
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巨人の左足 の エンシェント・リアクター
巨人の左足 に リカバリー付与
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巨人の右足 の エンシェント・リアクター
巨人の右足 に リカバリー付与
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「――ッ!? これは厄介ですね。頭部以外は回復量を超えるダメージを与えない限り倒せないということですか」
「……サレム、どう思う?」
「正攻法は頭を潰すことですが……ローザ様がそんな単純な攻略方法にするでしょうか? それに、方法は一つだけとは限りません。とりあえず、一箇所を決めて四人で攻撃を仕掛けていきましょう」
「お兄様、攻撃する場所は頭以外のどこにするの?」
「そうですね……どこでも変わらないと思いますが、まずは左足を狙いましょう」
剣に武装闘気と覇王の霸気を纏わせたルーネス、サレム、アインスが俊身と神速闘気を駆使して巨人の左足に狙いを定め、ルーネスは圓式とポラリスの刺突技を融合した剣技で、サレムは圓式とファントから習った剣技を融合した剣技で、アインスは圓式とシューベルトから習った剣技を融合した剣技で攻撃を仕掛ける。
出遅れたアルベルトが武装闘気を纏わせて巨人の左足に攻撃を仕掛けようとする……が、その前に巨人の左腕と巨人の右腕が攻撃を仕掛けた。
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巨人の右腕 の パワースタンプ
アルベルト の DEFが中ダウン
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巨人の左腕 の スタン・スタンプ
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巨人の右腕がアルベルトに殴り攻撃を仕掛ける。アルベルトは躱し切れずにダメージを受けた。
更にそこに追い討ちをかけるように巨人の左手が攻撃を仕掛ける。先程の攻撃よりもダメージを受け、更にアルベルトはその威力で気絶した。確定でスタン状態にする攻撃を浴び、アルベルトに大きな隙が生じる。
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巨人の右足 の ランオーバー改
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巨人の右足が独立したように外れ、超高速で戦場を滑る。
ルーネス、サレム、アインスは攻撃を躱すことに成功したが、アルベルトはスタン状態になっていたため躱し切れずに巨人の右足に轢かれてポリゴン化した。この戦い二人目の脱落者である。
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左足への蓄積ダメージLevel.1……出力強化
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ルーネス、サレム、アインスは続いて反撃に出た巨人の左足の攻撃を躱すと、更に攻撃を重ねる。
「「「細結晶炸裂弾」」」
剣技だけではなく、サレムが構築し、ルーネスとアインスに術式を提供した結晶魔法を使い、それぞれ巨大な結晶を生成、巨人の左足を狙って放つ。
巨大な結晶は巨人の左足に命中する直前で炸裂し、無数の細かい結晶と化して巨人の左足に突き刺さった。
その後も鋼鉄の銃巨人の攻撃を巧みに躱しながら巨人の右足に攻撃をし続けるルーネス、サレム、アインス。
「左腕への蓄積ダメージレベル上昇……出力強化」を使用した直後にリカバリーの回復量を上回り続けたルーネス達の攻撃は巨人の左足のHPを半分以上削ることに成功した。
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巨人の左足 の メルトダウン
巨人の左足 の DEFを特大ダウン、巨人の左腕 に メルトダウン付与
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メルトダウン状態となった巨人の左足は熱を帯び、その熱でダメージを受けていく。
リカバリーの効果も消えたことで巨人の左足の回復能力は無くなり、脆弱性も高まった。
一度リカバリーが解除された後に再び「エンシェント・リアクター」を使うことはない。このまま攻撃をし続ければ巨人の左足を討伐することは可能だ。
熱したナイフでバターを切るようにすんなりとダメージが入っていく。HPゲージが高速で減っていき、巨人の左足が撃破されるのも時間の問題だ。
そして、いよいよその瞬間がやってくる。
「巨人の左足、撃破ですね」
ルーネスが安堵の表情を見せる。まだ巨人の左足を倒し切れただけで、巨人の頭部、巨人の胴体、巨人の左腕、巨人の右腕、巨人の右足が残っている状況であるが、全く情報がない中でようやく一体撃破できた時の達成感は一入だったのだ。
しかし数秒後、ルーネスの表情は絶望に染まる。
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胴体は轟音を立てて崩壊した
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部屋全体に衝撃が走り、ルーネス、サレム、アインスは部屋の壁まで吹き飛ばされた。
運良く一秒早く武装闘気を全身に纏うことができたルーネスは壁に打ちつけられる追加ダメージを免れ、満身創痍の状態でも生き残ることができたが、ルーネスが顔を上げるとサレムとアインスはもうポリゴン化して戦場から消えてしまっていた。
先程の攻撃で胴体も消滅している。恐らく、自分の命と引き換えに超強力なダメージを与える技なのだろう。
ギミックは不明だが、恐らく足を壊したことがトリガーになったのではないかとルーネスは推測する。
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左腕は轟音を立てて崩壊した
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しかし、ルーネスが思考を巡らせることができたのもそこまでだった。今度は左腕が崩壊し、その衝撃波でルーネスは今度こそ無数のポリゴンと化して消滅した。
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