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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 2. 乙女ゲームにボツ設定を追加すると世界観が崩壊するようです。

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Act.2-13 素材回収クエスト:ワイバーンの鱗を三匹分手に入れろ! scene.2

<一人称視点・リーリエ>


「お嬢様、これって護衛必要ないですよね?」


 リーリエに戻って癖で剣の柄に手を添えてようと手を伸ばしていると、ヒースがそんなことを言い出した。

 ……まあ、護衛って言ってもずっと同行しているだけで戦闘の一つもしていないんだからつまらないのも仕方ないよねぇ。


 おっ、丁度新しい魔物が湧いてきたみたいだ。……あれは、トレント系に属するアサルト・オノドリムか。

 ……よし。


「ヒースお兄ちゃん、頑張ってね♡」


 一旦ローザに戻ってヒースにあざとくお願いする。悪役令嬢だから威力は半減しているだろうけど、まだ二歳だからねぇ、こういう分かりやすいのも通用するんじゃないかって思ったんだけど……。


「――チッキショォォォ、やってやるぜぇぇぇ」


 あっ、野太刀を持って突撃していった。頑張れ〜。……男ってチョロい、のか? それとも、単にジーノとエリシェアの「お嬢様の命令だ、行け」という視線に耐えられなかったのか?


「次はアクアさん、頑張ってください」


「……お嬢様、私の相手はどの魔物ですか?」


「マッスル・ド・ラビットです」


 筋骨隆々な二足歩行の、全く可愛らしくない兎が筋肉アピールをしながらゆっくりとこちらに近づいてくる。……ウサギモチーフなのに筋骨隆々で全く可愛らしくないってのが、流石は高槻クオリティだって思うよ。


「……お嬢様、戦いが終わったら目一杯モフモフしてもよろしいでしょうか?」


「いいですよ? 私は『腹黒いってなぁに? お腹が黒くなる病気なの?』と素で聴くような天然さは持ち合わせていませんし、アクアさんの本心は分かっていますから。――好きなだけモフモフしていいよ♡ アクアお姉ちゃん♡」


 嬉々としてウサギに突撃していくアクア。こっちは本当の意味でチョロい。


「アクアさんの扱いに手慣れているご様子ですね」


「まあ、あの手のタイプの扱いはネットの小説が書籍化されたものを読んで学習したからねぇ」


 一応、国会図書館並みとは言わないけど、とりあえず発売された全てのライトノベルや漫画は全て手に入れるようにしていたし、専門書も含めたらそれこそ凄まじい本を持っていた。

 最終的には図書館という区画が生まれて他の図書館から相互貸借を求められたこともあったけど、結局ボクが欲しいものは大体購入するから拒否したんだっけ。その分一部区画は一般開放はして、収益を得ていたけどねぇ(勿論有料)。


「それじゃあ、流れでエリシェアさんとジーノさんにも実力を披露してもらいたいんだけど……」


「……本日の夕食はお嬢様のお料理を頂きたいです」


 まあ、普通に考えてそもそも使用人と貴族が一緒に食事をすることなんてあり得ないし、況してや使用人が貴族令嬢の手作り料理を食べるなんて万に一つも起こり得ない、それこそ無作法だといわれてもしかたのないことなんだけど(そもそも高位の貴族令嬢は自分が厨房に立つだけで恥だと思っているみたいだし、そもそも浮上することすらない問題なんだけど)、ボクの中身は元庶民だし、そこそこの収入を得るようになってからもメイドの真似事をしていたから全くとっていいほど抵抗なく厨房に入れるんだよねぇ。

 最近はラピスラズリ公爵家の料理人を統括する料理長で橙色の髪を刈り上げた屈強な身体を持つジェイコブ=ジェンデイブとも打ち解け、料理の情報の交換も行っている。料理人としての腕はボクよりも上だけど、前世の家族(・・)で全料理人を統括している料理統括の役職についていた高遠(たかとう)(あつし)には遠く及ばない。

 まあ、相手は元は三つ星レストランの副料理長だったものの勤めていたレストランと方針が異なったことで関係が悪化して店を追われたという人間関係の拗れさえなければ三つ星に相応しい本物の料理人――しかし、妥協を一切しないっていうストイックを地でいくとんでもない人だから、ボク如きでは勝ち目がないんだよねぇ。別にジェイコブの腕が悪いとは言わないけど、あれが相手だと可哀想ってことになる。


 まあ、そもそも、この異世界で香辛料がかなり貴重だというのもジェイコブにとってはマイナスになっている。

 かつて、美食の国法風西(フォンセ)を含む西洋諸国にとって香辛料は貴重なものだった。元の世界でも香辛料を巡って戦争が勃発するほどだったけど、こっちも似たようなもので、かなりの種類の香辛料が手に入る一帯は、獣人族によるユミル自由同盟、エルフの支配下にある緑霊の森の両陣営の支配下だし、ボクの保有している香辛料も無限じゃないから早めに仕入れられるようにエルフや獣人族と和解しておきたいねぇ。まあ、国同士はダメだけど個人と国なら可能性は随分と上がるだろうし……今回は本当に内密にいかないと、バレたら絶対に外交に利用されるよねぇ。


 毒の塗られた刀を構えたエリシェアが猛スピードでワイルドファング・ボアに突撃していく……あっ、止めないと。毒の武器で殺したら食材にはならないからねぇ。


「ジーノさん、エリシェアさんを止めてもらえないかな? 毒の塗られた武器で倒したら食材にならないからねぇ」


「――畏まりました」


 そう言い残してジーノは姿を消した。いや、無音で弾かれたように飛び出して瞬く間にエリシェアに追いついてエリシェアを制し、生成した氷の剣でワイルドファング・ボアの急所を的確に一刺ししたってということかな。

 動きに全く淀みはなかったし、流石はラピスラズリ公爵家の統括執事ってところだねぇ。


 ラルも湧いてきたゴブリン・マローダーの群れ相手に水魔法と大鎌を駆使して善戦している。……本当にボクが必要ないんじゃないかっていうレベルで高レベルなパーティだよねぇ。


「さて、ボクもそろそろちょっとだけ本気出しますか。――渡辺流奥義・颶風鬼砕! 千羽鬼殺流奥義・北辰-圓式-」


 瞬間、溢れかえった猛烈な霊力が横薙ぎされるのと同時に爆発し、善悪や真理をよく見通し、国土を守護し、災難を排除し、正邪を見極め、敵を退け、病を排除し、また人の寿命を延ばす福徳ある面と、それが邪であれば寿命を絶ち斬る面の二つの顔を持つ菩薩の名を関する通り、斬りたいものを斬り、斬りたくないものは斬らないという斬るものを選別するという性質が付与され、辺り一帯に斬撃が迸った。


「たった一撃で一帯の魔物が全滅!? お嬢様、やっぱりチートですよね、それ!!」


「別にチートではありませんよ。斬るものを選別するという性質を付与した周囲一帯に霊力の斬撃を放って両断する技を組み合わせただけで、大したことはしていません」


「……ローザお嬢様。奥義という言葉が聞こえたのは気のせいでしょうか?」


「まあ、確かに奥義なんだけどねぇ……でも、鬼斬の中では最上位クラスの技を二つの組み合わせでも他の陣営に必ずしも有利に働くかどうかは違うし、何よりこんな素人のボクでも習得できたんだから、才能さえ(・・・・)あれば誰にでも習得できる筈だよ?」


 嘘は言っていない。実際、《聖法庁(ホーリー)》の日本支部の支部長を務める九重(ここのえ)勇悟(ゆうご)さんには「いい線を言っているが、とても一流にはなれないレベル」と評されたし、他の師匠にも同じような評価を受けた。まあ、あの時よりも転生したから遥に適正は上昇しているし、九重さんの「その全てが一流であれば勝ち目はない」という反実仮想は半ば現実になり掛けているんだけど。


「まあ、圓さんが化け物だってのは元から分かっていた話でしょう? ……明らかに意味不明な強さの圓さんに、伝説の【ブライトネス王家の裏の剣】……どう考えてもアタシだけ実力が劣っているわよね」


 ……いや、長年【ブライトネス王家の裏の剣】に潰されなかった極夜の黒狼のリーダーってのも相当ヤバいと思うんだけど……というか、雰囲気的にいつでも潰せるけど見逃されてきたのかな? 国家に直接仇なす敵って訳じゃなかったし、ブライトネス家の王子暗殺とか企んだ時は首を刎ねるつもりできたのかもしれない。怖や怖や。


「ラルさんはそうとう強いと思うけど、もし戦力強化がしたいって言うならこれなんかどうかな?」


 四次元空間……ではなく、統合アイテムストレージから取り出したのは、電磁加速式拳銃(ミニレールガン)

 今のラルでは弾丸に霊力と闘気を込めて火種として威力を上げることはできないけど、魔法陣刻印を駆使してシャマシュ教国産の魔法の刻印や、原初魔法を直接込めるなどの方法で弾丸を強化するという方法を取ることは可能だ。それに――。


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百合薗圓/ローザ=ラピスラズリ 17歳/2歳 女 レベル:3

天職:錬金術師、書写師、公爵令嬢、悪役令嬢、裏ボス令嬢、鑑定士、薬師、刀剣術士、大魔法師、巫覡、竜騎士、戦乙女、暗殺者・盗剣術師、天上聖女、魔剣術士、天上勇者、ゲームクリエイター 職業:ー 副職業:公爵令嬢、冒険者

筋力:3

体力:8

器用:15000

耐久:5

敏捷:12

知力:14000

精神:16000

魔力:30000

魔耐:8

運:777

魅力:690

戦闘系技能:剣術…双剣術+斬撃速度上昇+斬撃威力上昇+抜刀速度上昇+刺突速度上昇+刺突威力上昇+連続高速刺突+無拍子+明鏡止水+辻斬+不意打+急所狙突+状態異常付与+能力低下・縮地…迅雷縮地+重縮地+震脚+抜き足+無拍子・格闘術…身体強化+部分強化+集中強化+浸透破壊+急所狙突+柔能制剛・槍術…刺突速度上昇+刺突威力上昇+連続高速刺突+火纏+風纏+光纏・生贄之突…貫通力上昇+消費生命力減少・血之喝采…狂乱抑制+身体的制限解除・跳躍…空歩・竜技…竜属性付与+部分竜化+身体能力上昇+風纏・竜鏖・毒付与・麻痺付与・投擲・隠業…無音移動+影分身+気配分散+幻撃・剛力…怪力・先読・限界突破

魔法系技能:全属性適性…全属性効果上昇+全属性威力上昇+光属性範囲上昇+発動速度上昇+効果上昇+持続時間上昇+連続発動+複数同時発動+遅延発動+複合魔法+詠唱速度上昇+魔力弾・回復魔法…回復効果上昇+回復速度上昇+範囲回復効果上昇+発動速度上昇+効果上昇+持続時間上昇+付加発動・状態変化系魔法…弱体化効果上昇+弱体化範囲上昇+強化効果上昇+強化範囲上昇+状態異常付与+発動速度上昇+持続時間上昇・支援魔法…回復効果上昇+攻撃力上昇効果上昇+防御力上昇効果上昇+敏捷上昇効果上昇+ 攻撃力低下効果上昇+防御力低下効果上昇+敏捷低下効果上昇・障壁魔法…魔力効率上昇+発動速度上昇+遠隔操作+連続発動+複数同時発動+持続時間上昇+連続発動+遅延発動・加護付与…攻撃力上昇効果上昇+防御力上昇効果上昇+敏捷上昇効果上昇・見鬼・式神顕現…持続時間上昇・魔力回復…高速回復+瞑想+精神波・魔力制御…味方魔力認識+味方魔力量調整+自然魔力回復量上昇・魔法剣…属性適正連動

耐性技能:物理耐性…金剛+瞬間無敵化・全属性耐性

感知技能:鉱物感知・気配感知…正確認識・魔力感知…空間認識+正確認識・罠感知

職業系技能:錬金術…鉱物系鑑定+精密錬成+高速錬成+複製錬成+圧縮錬成+自動錬成+鉱物分離+鉱物解体+鉱物融合+鉱脈干渉+消費魔力減少・彫金…魔法陣刻印・紙作成…全種類紙生成+魔法紙作成、墨類作成…魔法墨作成・書術…高速書写+完全複製+契約書作成・鑑定…高速鑑定+複数鑑定+精密鑑定・調合…高速調合+連続調合+魔法薬調合・薬系鑑定…高速鑑定+複数鑑定+精密鑑定・薬草鑑定…高速鑑定+複数鑑定+精密鑑定・強奪・鍵開・罠設置・罠解除・管理者権限

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 元々の園村(百合薗)白翔()としてのステータスがバグったから魔法陣刻印で強力な魔法も刻印可能になったからねぇ……。


「……これは一体どういう武器なんだい?」


「そうだねぇ……簡単に言うと弓矢みたいな飛び道具だよ。より正確に言うと物体を電磁誘導(ローレンツ力)により加速して撃ち出す装置で、電位差のある二本の電気伝導体製のレールの間に、電流を通す電気伝導体を弾体として挟み、この弾体上の電流とレールの電流に発生する磁場の相互作用によって、弾体を加速して発射する。まあ、引き金を引けば物凄い勢いで中に込められた弾丸っていう金属の塊が飛び出すっていうことだけ分かっていればいいんじゃないかな?」


 まあ、威力は弓矢よりも遥かに上なんだけど……。


「圓様の説明って十分の一も理解できたら御の字よね」


「確かに、お嬢様のお話は難解で、それこそ他言語を用いていると錯覚するほどでございますからね」


 まあ、確かに理科系でもより専門的な知識がないと電磁誘導とそれを利用した兵器については説明できないからねぇ。

 ボクの学歴は小学校中退で中学校は名簿に名前があるだけで一日も通わなかったけど、学力の面は高卒認定試験をノー勉で一発満点合格したことと、高校生に混じって参加した大学入学共通テストで一位を取ったことで多少は証明されているだろうし、文学、音声学、歴史学、科学の得意分野は大学でも多少は通用するレベルだと思う。忙し過ぎたのと時間の有効活用の関係で義務教育は思いっきり無視したけど、それでも勉強を一切していなかった訳ではないからねぇ。独学で勉強は続けていたし、化野さんみたいな専門家も居たから性に合ったやり方で自分のペースで勉強ができた。学校に通うだけしか選択肢がない訳じゃないし、こういうのも選択肢の一つだと思うんだけどねぇ。


「まあ、試しに使ってみたらどうかな? あっ、反動には気を付けてねぇ」


 こういうのは百聞は一見に如かずというか、実践に勝るものはないということで、実際に試して理解するのが一番早い。理論を説明させても分からないだろうしねぇ。

 ということで、暗殺者だけど拳銃に関しては素人に電磁加速式拳銃(ミニレールガン)を持たせてみた……動画の企画じゃないよ?

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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― 新着の感想 ―
[一言] > ウサギモチーフなのに筋骨隆々で全く可愛らしくない  せめてホッキョクウサギのコレジャナイ感レベルで留めろよとツッコマれてそう。いやまあホッキョクウサギは動画で見ると更にコレジャナイ感が増…
[一言] 『とりあえず発売された全てのライトノベルや漫画は全て手に入れるようにしていたし、専門書も含めたらそれこそ凄まじい本を持っていた。』 その量の内容全て覚えていそうだなぁ。
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