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Act.8-344 騒乱を呼ぶ園遊会〜ブライトネス王国大戦〜 scene.31

<三人称全知視点>


「いくぞ、スサノオ。黄泉比良坂」


『八尺瓊勾玉』


 ピトフューイは蛇のように執念深く敵を狙い喰らうように襲う無数の闇条を放って天使を撃破し、スサノオは空中に浮遊する九つの勾玉型の光の砲台から弾丸を放って天使達を撃破していく。


「光闇の滅旋撃」


 トネールは『五色の籠手ファイブエレメント・ガントレット』の光と闇の力を使い、に光と闇の螺旋攻撃を放って天使の心の臓を貫いた。


雷光の竜撃サンダーボルト・ドラゴン!」


 クラリスは次々と強大な雷の体を持つ竜を創り出して武装闘気を纏わせると、天使の群れに嗾ける。

 強大な雷の体を持つ竜は次々と天使の腹を食い破り、腹を起点に全身に雷撃を流し込んで黒焦げにした。


「【炎帝】! 蒼焔大鎌(フレイム・サイズ)連撃(ラッシュ)!」


 ホーリィは武装闘気を『蒼焔大鎌-焔獄-』に纏わせて【炎帝】に蒼焔を混入させることで生み出した巨大な蒼焔の火球を放って天使達を焼き尽くしていく。


「サングリッター・エンチャート! サングリッター・アタック・スペシャライゼーション!」


 光属性の魔力を武器に宿して破壊力を上げる光属性付与魔法を槍に纏わせたリヴァスは、体の細胞を光属性の魔力で活性化させる回復能力のない純粋な身体強化で、飛躍的に破壊力とスピードが上昇させ、俊身と空歩を駆使して天使達を撃破していく。

 「サングリッター・アタック・スペシャライゼーション」は強制的に身体強化をするため長時間使用すると負荷に耐えきれなくなり、細胞が崩壊し始めるというデメリットを抱えている。その特性を理解しているリヴァスは短期決戦でできるだけ多くの敵を駆逐して、戦闘不能になる前に戦線を離脱するつもりのようだ。


 エルセリスは俊身と空歩を駆使し、武装闘気を纏わせた剣で型通りのラングリス王国騎士剣術で斬撃を繰り出して天使と斬り結び、ゲリュミュスとガンティツも俊身と空歩を駆使しながら時空属性の魔力を纏わせた剣で天使達を撃破していく。

 ゲリュミュスとガンティツは革命軍出身でラングリス王国相手に革命を成し遂げようとしていただけあって戦闘の素人という訳ではないが、剣士としての練度は騎士のエルセリスに比べて遥かに劣る。その技量の差を時空属性の魔力や魔法を使って補っているという状態だ。


 しかし、それでも一昔前の二人に比べればゲリュミュスとガンティツは大きく成長を遂げている。一昔前であれば、天使達と互角以上の戦いを繰り広げることができなかっただろう。

 革命の頃には全く想像していなかった世界に、ゲリュミュスとガンティツはこの戦争で初めて足を踏み入れたのだ。……もっとも、技量も戦闘経験も他の多種族同盟の選抜者達に比べて遥かに劣る二人は足の爪先をほんの僅かに入れた程度なのだが。まだまだ多種族同盟の選抜者の中でも弱い部類に入るエルセリスも二人にとっては遠い存在だ。



「魂魄の霸気《幻魔》」


 ラルはあらゆる存在証拠を抹消する魂魄の霸気《幻魔》を使い、天使達に悟られることなく戦場を立ち回り、その双刀で次々と天使達を駆逐していく。


殺糸戯曲ラ・グランギニョル・デア・エクス・マキナ


 スピネルが即設置と同時に武装闘気を纏った『万物切断千変万化-レットドラゴーンプラティナクロース-』が一斉に動かし、無数の糸が天使の群れに襲い掛かり、天使達を無数の肉片へと変える。


 ペストーラは『浪漫武装-機械帝神-』の【機械帝神の権能】を発動し、幻想級の銃火器を装備を生贄にして全身を銃火器で武装して天使達を蜂の巣にしていく。

 チャールズは『武装変化-マスターウェポン-』を槍状に変形させると武装闘気を纏わせ、俊身と空歩を駆使して天使達を翻弄しながら、一突きで急所を狙い撃ちして確実に仕留めていく。

 ボルトスは『万物両断-アサルトシザーズ-』に武装闘気を纏わせるとハサミを開いて構え、俊身と空歩を駆使して天使達に肉薄し、次々と天使の首を両断していった。


「【獅子連撃】、【大地鳴動】!」


 「百獣王の尾錠(レオ・バングル)」を起動し、獅子の耳と腕、脚と尻尾が生えて半獣人化したカルメナが『大地鳴動-アスタディザスター-』を次々と狙いを定めた天使に叩き込む。

 地面を揺れ動かす振動を【獅子連撃】を使って二十四回連続で打ち込み、天使を文字通り粉砕した。


『漆黒無双両太刀・黒刃大竜巻(ヴォーパル・ストーム)!』


 エヴァンジェリンは漆黒の靄のようなものを纏わせた両刀をクロスさせ、そのまま八の字を描くように剣を斜め下方向に高速で振り抜くことで漆黒の竜巻のような斬撃を放ち、斬撃に巻き込んだ天使達を次々と撃破していく。


劇毒粘液弾(ヴェノム・ショット)


 ドミティアの手が一瞬粘液――スライム状に変化して、無数の激毒の塊が天使の群れに放たれる。命中した周囲を一瞬にして溶かし、相当するの天使達を撃破した。

 死を免れた天使も利き手を喪った、足を喪ったというように無傷という訳にはいかず、戦闘力が大きく削られている。


暗黒流星槍ダーク・シューティングスター


 リヒャルダは黒いオーラを槍の穂先のような形に変化させ、更に武装闘気を纏わせた槍で高速の突きを次々とアザトホートのコケラに放って撃破する。


狩猟豹の脚(チーター・レッグ)! 熊の爪(ベアー・クロウ)!!』


 ベラトリックスの手と脚が一瞬チーターのものへと変わる。猛烈な速度で空歩を使って天使に接近すると熊の手へと変化させて武装闘気を纏わせ、強烈な引っ掻き攻撃を放って天使を八つ裂きにした。


叛逆する御使フォールン・エンジェル


 サトゥルニナが翼を大きく広げ、武装闘気を込めた黒く染まった無数の光条を放つ。

 無数の光条は天使の群れの心の臓を確実に貫き、絶命した天使達は次々と地上に落下していった。


蜂毒針ヴェノムビー・ニードル!』


 アピトハニーは無数の毒針に武装闘気を纏わせて天使の群れに放ち、針を貫通させると共に毒を体内に侵入させて絶命に追い込む。

 碧羅が空歩を使いながら武装闘気を纏わせた大太刀――黒刀『魑魅魍魎』で薙ぎ払いを繰り出して無数の天使を仕留める。


灼熱鬼爆(オーガ・フレイム)


『苦無連投撃』


『瞬撃斬』


『紫電閃斬』


 日長が灼熱の炎の塊を投げつけて爆発させ、天使を爆炎で包み込んで焼き尽くし、月長が無数の苦無を裏武装闘気で作り出して天使達に放つ。

 紫水は雷属性魔法で生み出した紫電を纏わせると大振りで剣を振り下ろして天使を両断し、玻璃が流れるような美しい連続斬りで天使を仕留める。


魂霊崩壊エーテリアス・ディスインティグレーション


 聖人の領域に達し、神聖魔法を獲得した翡翠が聖なる光の柱を顕現し、巻き込まれた天使を魂諸共消滅させた。



「「ああ、素晴らしい! 素晴らしい痛みです!」」


 天使との戦いで一際異彩を放っていたのがモネとヴァーナムだった。

 二人は一切反撃することなく一方的に天使達の攻撃を浴び続けている。互いの痛みを共有し、互いが攻撃を受ける度にその双方の力を上昇させていく魂魄の霸気は《耐攻共振者》で強くなっている上に、あまり目立った外傷がないとはいえ、かなりショッキングな状況である。

 一方的に嬲られて喜んでいるモネとヴァーナムに、天使達の表情もどことなく引き攣っているようにも見える。


「……あの二人、何をやっているのでしょう。趣味のためにやるべきことをすっかり見失っていたら本末転倒もいいところでしょう」


 相手に見られる力をゼロにすることで、誰からも見つけられない暗殺者となる固有の無属性魔法『不可視(インビジブル)』を駆使してアザトホートのコケラを気づかれることなく次々と撃破しているイルワがモネとヴァーナムに冷ややかな言葉をぶつける。


「イルワさん、あの二人は放っておきましょう。私達は私達の為すべきことを成しましょう」


 「雷閃浮刃フローター・サンダガー」で生み出した無数の小さな雷製のナイフに武装闘気を纏わせ、縦横無尽に戦場を駆け巡らせながら天使達の隙を突き、突き刺して猛烈な電流を流して仕留めているセリーナが呆れ顔でモネとヴァーナムを見ながら姿の見えないイルワに言葉を掛けた。

 実際、二人は完全な戦力外とはいえない。二人は飽きると周りの天使達を剣で両断し、次の天使に狙いを定めるのである。

 そうやって他の面々に比べて遥かに遅いものの天使達を倒しているという功績は確かにあるので何も文句は言えないのが実情なのだ。

 イルワとセリーナが天使達を狩る中、同じギルドマスターであるダヴィッドも負けじと背丈の二倍ほどある薙刀を振るって天使達を仕留めていく。


 一方、現役の冒険者達も決して負けてはいない。


灼熱の連撃弾ファイアバレット・マシンガン


 ティルフィは【多重詠唱】が付与された『賢者の石と接骨木の杖フィロソファーズ・エルダーワンド』で火魔法「火球」を収束させた「ファイアバレット」を無数に放って攻撃する書肆『ビオラ堂』から発売されたエルフの大魔術師マリーゴールド作の『新汎用魔法全書』に掲載された魔法――「灼熱の連撃弾ファイアバレット・マシンガン」を放ち、天使の群れを次々と撃ち落としていく。


「雷炎焦熱地獄」


 ダールムントが杖を掲げると赤い稲妻が戦場を駆け巡り、天使達に襲い掛かる。

 赤い稲妻を浴びた瞬間、天使は地獄の業火に燃やし尽くされ、黒焦げの焼死体と化した。


 ダールムントの有する上位の魔物に対峙した時に切り札として使う地獄の業火を顕現する大魔法「熾炎熱地獄」は本来の使用方法では攻撃範囲が広く、炎を制御することが難しいという弱点を抱えていた。

 基本的には地面に対して発動して延焼を利用することで拡大させるが、単体を狙った場合はそこから攻撃を拡大することができない。燃える先のない空中戦では使い勝手の悪い魔法だ。また、魔法の性質上、攻撃範囲の環境が破壊されるという欠点も抱えている。


 「雷炎焦熱地獄」はその弱点を雷属性との融合によって解消したものである。

 雷撃に命中したものに「熾炎熱地獄」を発動することが可能で、敵が空中にいる場合は延焼も起きない。環境が破壊されることもなく、離れている敵も同時に狙えるので攻撃の範囲は寧ろ増したと良いこと尽くめである。


 ハルトは次々と【創矢工房】で『神水晶の破魔矢(クリスタルアロー)』を生み出すと、武装闘気を纏わせて『天を穿つ櫟の弓(オレルス・ボウ)』に番え、狙いを定めた天使に放って心の臓を撃ち抜いていく。


「――黒より黒く闇より暗き漆黒の混沌に冀う。灰は灰に、塵は塵に、万象等しく灰塵に帰す焦熱を我は望まん! 破壊の魔の奔流を我が手に宿せ! 灰燼爆裂(エクスプロージョン)!」


 『大地を砕く勝利の剣(アース・カリバーン)』を構え、立ち塞がったターニャが詠唱を終えると、無数の深紅の魔法陣が形成され、巨大な灼熱の火球を放ち、アザトホートのコケラを巻き込んで大爆発を巻き起こす。

 爆炎に巻き込まれたアザトホートのコケラは焼き尽くされ、影も形もなくなった。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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