Act.1 用語辞典・世界観紹介篇 part.Ⅲ
◆乙女ゲーム『スターチス・レコード』
高槻斉人とフルール・ドリスがタッグを組んだ第五作。主に百合ルートを入れるか入れないかで戦争が勃発し、その度に真央が仲裁に入ろうとして言葉の槍で刺されて胃腸炎を何度も再発した。
Console Game(家庭用ゲーム)に分類される乙女ゲームで、本来は乙女ゲームが専門ではないバトルジャンキーな高槻斉人が初めて作った乙女ゲーム。そのため、戦闘要素はかなり充実。
設定厨の二人が世界観を広げ過ぎた結果(隣国の設定や、ドSな騎士団長などの愉快? な登場人物達)だが、当時圓が流行ると予想していた家庭用ゲームでは容量が全く足りなくなり、無く無く考えた設定の多くをボツにすることになった。そのボツ設定はこれまでの作品、その後の作品と比較しても圧倒的であり「ボツの屍の上に完成した乙女ゲームというシュールな存在」と社内では認識されている。
主に恋愛に興味を持つ女の子や大きなお友達、仕事に疲れたOLや女子中高生などに人気を博したが「「もう家庭用ゲームは作らねえ」」という高槻と圓の意見が一致し、その後隆盛を極めるスマホゲーム、更にはVRゲーム、FDゲーム(フルダイブ式VRゲーム)などの方に力を入れていくことになる。
主人公は平民出身。冒険者の父親が活躍したことで準男爵の地位を与えられ、一代限りとはいえ貴族の娘である主人公は貴族として学園に通うことになる。更に光属性を持つため聖女候補にもなり、バトルPartでは魔王を倒しにいくという設定もあった……が、これもボツになり、聖女候補にはなるものもバトルPartは大きく削られ、やはり恋愛がメインの王道? 乙女ゲームに収まる。
攻略対象は典型的な美形王子様(ただし若干腹黒)な第三王子、俺様系な第四王子、クール系な宰相子息、猪突猛進な雰囲気を感じさせる兄のような近衛騎士を目指す騎士見習い、宮廷魔法師を目指す真面目な魔法使い見習い、チャラ男な雰囲気を感じさせる公爵家子息(養子だが……)、学園に潜入していた暗殺者、隣国の王子、騎士団長の一人息子、大商人の一人息子の十人。そこに本編全クリア後に追加される隠しルートにより攻略が可能となる隠しキャラが登場する。
ライバルキャラや敵役の第一王女など多くの敵キャラが登場するが、中でも印象的なのは唯一悪役令嬢と評される公爵令嬢。ちなみに、ほぼ全てのパターンで死刑または国外追放。残るルートだと暗殺者にバッサリ殺されるか、そもそもフェイドアウトしているかの二択。フェイドアウトしていても暗殺者に殺されているかもしれない。
◇メインキャラクター
・主人公(デフォルト名:マリエッタ)
乙女ゲーム『スターチス・レコード』の主人公。名前は選択可能で家名はスターチス。花言葉は「変わらぬ心」「永遠に変わらない」、ピンクのスターチスの花言葉は「永久不変」、淡紫のスターチスの花言葉は「上品」、青紫のスターチスの花言葉は「知識」。
冒険者の父親が活躍したことで準男爵の地位を与えられ、一代限りとはいえ貴族の娘である主人公は貴族として学園に通うことになる。更に光属性を持つことが判明し、聖女候補に抜擢される。
快活で天真爛漫な性格で貴族からすると突拍子もない行動を取ることも多く貴族から見たらなんとも型破りな性格。またその人の良さもあって攻略対象と仲を深めていく。
通常ルートでは最大で十人、隠しを合わせると更に人数の増えた逆ハーレムが可能。圓さん念願の百合ルートが可能な隠しキャラもいるぞ!?
・ヘンリー=ブライトネス
ブライトネス王国の第三王子でローザとは婚約関係にある人物。攻略対象の一人。属性は火・水・風・土の四属性全て。典型的な美形の完璧に見える金髪の王子様だが、実はかなり腹黒。
ローザの横暴に耐えかね、最終的には国外追放にするか、主人公が正式に聖女に認定された際に暗殺者を差し向けた聖女暗殺未遂の罪で処刑するか、主人公をナイフで殺しにかかるローザから守るためにローザを剣で刺し殺して国を出るかの三択。
・ネスト=ラピスラズリ
ラピスラズリ公爵家の子息。攻略対象の一人。色気たっぷりな色男。ローザがヘンリーと婚約し、嫁ぐことがほぼ確定したことで分家筋のソーダライト子爵家から養子に出された。属性は風。
長男と次男とは異なり、ソーダライト子爵家の当主と娼婦の間に設けてしまった子供であり、そのことから義母や異母兄弟からイジメられ、更にラピスラズリ公爵家に養子に出された後もローザは突然できた義弟を快く思っておらずに苛め、義母のカトレヤも先述の噂を真に受けて冷たく当たった結果、ラピスラズリ公爵家でも居場所を失う。
そんな生活の果てにネストは孤独を女遊びに走り、チャラ男へと大変身を遂げることになる。
・ローザ=ラピスラズリ
乙女ゲーム『スターチス・レコード』のライバルキャラで唯一悪役令嬢の称号を与えられている人物。ラピスラズリ公爵家の令嬢。
ラピスラズリ家に関する矛盾が生じる様々な設定を削られた結果、娘にダダ甘な父と大人しく娘を叱れない母親の元に育ち高慢ちきな我儘お嬢様として成長したというところで落ち着いている。属性は微弱な光属性と強力な闇属性。
主に絡んでくるのは婚約者であるヘンリールートと義弟であるネストルート。しかし、他のルートでも光属性を持ち聖女に相応しいのは自分だと考えるローザは同じ聖女候補である主人公に絡んでくるため、ほぼ全てのルートで大なり小なり邪魔をしてくる。
最終的にはこれまでの目に余る横暴から国外追放にされるか、主人公が正式に聖女に認定された際に暗殺者を差し向けた聖女暗殺未遂の罪で処刑されるか、主人公をナイフで殺しに掛かり、ヘンリーに剣で刺し殺されるかの三択。まだ国外追放の方がマシな気がしないでもない。
・ヴァン=ブライトネス
ブライトネス王国の第四王子で俺様系キャラ。側室の子であるヴァンは正室の子で年も近く、優秀なヘンリーに対して劣等感を抱いている。属性は火・水・風・土の四属性全て。銀髪の野性味溢れる王子とヘンリーとは対極に位置する形で設定されている。
兄に対する強い劣等感と、スカーレットの姉二人に対する劣等感を重ね、幼い頃にスカーレットを勇気付けたことがある。
・スカーレット=ヴァーミリオン
ヴァーミリオン侯爵家令嬢でヴァンの婚約者。属性は火。蜂蜜色の髪を持つ美少女。ライバルキャラの一人だが「令嬢の中の令嬢」として正々堂々と主人公と対峙する。どっかの誰かさんとは大違い。
スカーレットの母は後妻であり、更にヴァーミリオン家を象徴する燃えるような赤髪を継承しなかった。そのため、「その赤褐色の髪は身分の低い貴女に相応しいわ」と悪口を言われ続けるようになり、自信を無くしていたが、姉の誕生会にやって来ていたヴァンに壁際で一人寂しくしていたところを発見され、勇気付けられて自信を取り戻す。
・ニルヴァス=アクアマリン
ブライトネス王国の宰相の息子で伯爵子息。クール系美青年。属性は水。優秀な宰相である父のようになりたいと努力を重ねている。青髪とアクアマリンを彷彿とさせる水色の瞳を持つ人形のような整った容姿をしている。青髪は父親である宰相譲り、アクアマリンを彷彿とさせる水色の瞳は母親譲り。
・ソフィス=アクアマリン
ブライトネス王国の宰相の娘で伯爵令嬢。父にも母にも見られない白髪と赤い瞳という形質が発現しており、「呪われた子」と呼ばれて気味悪がられたり嫌われていた。属性は水。
かつては人目につかないようにできる限り自分の部屋から出ず、メイド達使用人にも気味悪がられるため、誰とも関わろうとしなかったが、シスコンなニルヴァスが積極的に関わるうちに兄にだけは心を開くようになる。
ニルヴァスの攻略のためには先にソフィスと友人になる必要がある。攻略の鍵は引き篭もり中の心の支えであった本。物語に浸って空想する趣味がある。
ボツ設定ではオタク気質があり、一度喋り出すと幻想的美少女な性格が崩壊する。
実は本編全クリア後に追加される隠しルートにより攻略が可能となる隠しキャラ。さあ、君もソフィスちゃんとの百合を実現させよう!
・ルークディーン=ヴァルムト
ヴァルムト宮中伯家の子息。猪突猛進な雰囲気を感じさせる兄のような近衛騎士を目指す騎士見習い。攻略対象の一人。属性は風。
兄のようになりたいと奮闘した結果、ドM覚醒する要素を秘めている。
プリムラの婚約者だが、主人公にも惹かれていき……。
・アルベルト=ヴァルムト
ヴァルムト宮中伯家の子息。本編全クリア後に追加される隠しルートにより攻略が可能となる隠しキャラ。
本編にはルークディーンがドMであることを暈して伝えるキャラとして登場。ヴァルムト家の長子だが父が独身の頃に羽目を外した結果生まれた子供なので家を継ぐ権利はない。
本来ならば家に居られる立場ではないが、義母がよくできた人だったため、家を継げない立場ではあるものの、別の場所で養育されていたアルベルトをすぐに引き取り我が子同然に育てられた。弟との仲も良く、父からも謝罪を受けたため何かを思うこともない。
跡目争いに参加する気がないことを示すために騎士団への入団試験を受け、新人騎士でありながら近衛騎士に抜擢される。
・プリムラ=ブライトネス
ブライトネス王国の第一王女。乙女ゲーム『スターチス・レコード』のライバルキャラで最も高い地位にいる。属性は火・水・風・土の四属性全て。
ルークディーンルートで敵対するライバルキャラで、見た目は金髪に青い瞳を持つ肉饅頭の如きデブス。ちなみに、当初は痩せて美少女となり、主人公と百合な関係になるという案があったが高槻によってボツにされた挙句、ついでに痩せる展開そのものを削られた。挙句高槻が「フリフリのドレスを身に纏った肉塊? 肉饅頭? まあ、そんなノリです」と笑いながらインタビューに答えたため、翌日社内でクロスカウンターで高槻と圓が同士討ちになるという意味不明な展開が起きた。
主人公が攻略対象であるルークディーンに近づくと嫌味を言い、更に好感度上昇イベントの際に立ち塞がったり、邪魔を回避するためにはミニゲームにチャレンジして高得点を上げないといけない、更に高槻か凝りすぎてミニゲームの難易度が高くプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、不可能の五種類の結果があり、本編全クリアのためには全てでプラチナを取らないといけないため、最もミニゲームの数が多いプリムラ絡みは面倒で……高槻散れ。……挙句、ゴールド、シルバー、ブロンズ、不可の四段階でそれぞれセリフが変わるという徹底ぶり。プリムラに対する憎らしさと苛立ち、そして高槻に対する殺意が湧くキャラである。
その高いスペックからも分かる通り、実は聡明で、溺愛する父に対し「いずれ嫁がせるための姫」、愛玩道具として見ているのではないかと考え、「真実の愛」に飢えており、誰よりも愛されたいと思う中で性格がねじ曲がって我儘な性格となったという裏設定があるが、公式には発表されていない。そんな厄介なキャラであるプリムラだが、やはりローザに比べたらマシなようで、やり込み要素にチャレンジしているプレイヤー以外からは相対的にそこまで印象に残らないキャラとして見られている。
・ジュード=ブラックストーン
ブラックストーン子爵家子息。宮廷魔法師を目指す真面目な魔法使い見習い。攻略対象の一人。属性は無……えっ。
宮廷魔法師を目指す寡黙な男で性別問わず惑わす魔性の魅力を持つ。魔法の腕が立ち、宮廷魔法師を目指しているが彼の魔法には属性が無く、それがコンプレックスになっている。
ジュードルートのメインは彼にでも使える魔法を見つけることであり、図書館や古書店など本絡みの場所を巡る展開になる。激しいバトルもなく、ライバルキャラや悪役令嬢が勝負を仕掛けてくることもなく、穏やかな時間が流れているため最も好きなルートとしてあげる者も多い。
・メアリー=ライブラリア
ライブラリア子爵家令嬢。図書館の亡霊と言われるほど図書館に引きこもっている人見知りの少女。扱いは友人キャラでライバルキャラではない。まあ、本編が進む中で展開によってはジュードに惹かれていくが、本人が人見知りで内向的な性格のため、勝負となっても微笑ましいものになることは確実。本編のメインは無属性のジュードでも使える魔法を探すことであり、展開が他のルートのように荒んでいないため乙女ゲーム『スターチス・レコード』唯一のオアシスなどと言われている。実際、ジュードとメアリーの人気は高い。
・アインス=フォルトナ
ブライトネス王国の隣国であるフォルトナ王国の第三王子。攻略対象の一人。正室から生まれた第一王子ルーネス、側室から生まれた第二王子サレムと兄弟関係にあり、第二王子とは別の側室を母に持つがアインスの母は若くして流行病で命を落としてしまう。第一王子の母であるイリスによって我が子のように育てられ、ルーネスとも仲が良い。しかし、その一方でサレムの派閥との関係は険悪。第三王子である自分を神輿にする者達が出ることを危惧してルーネスのために国を出る決意をし、親戚筋のスフォルツァード侯爵家を頼ってブライトネス王国に避難してきた。
・ジャンヌ=スフォルツァード
アインスルートの友人キャラ。演劇部の部長を務める男役が得意な花形女優。アインスの従妹で親戚筋。アーロンルートを回避した後のアインスルートの攻略の鍵を握る人物。アインスルートは演劇部が絡むイベントがあり、一番人気を誇るサブキャラであるジャンヌとフィネオファンに人気があり、ジュードルートと双璧を成す乙女ゲーム『スターチス・レコード』屈指の人気ルートとなっている。
また、ジャンヌとフィネオの百合を愛するファンもあり、二次創作本が多数執筆されている他、現実世界にも様々な種類のファンクラブが存在する。百合を一ルートしか入れられなかった圓の最後の抵抗であり、二人の百合を気に入っている模様。また現実世界のファンクラブにも全て所属している。
・アーロン=シャドウギア
表向きはシャドウギア家の三男を名乗っているが、その正体はアインスを殺すために学園に潜入していた暗殺者。攻略対象の一人。依頼者はフォルトナ王国の第二王子。アーロンルートはアインスルートと分岐する形で始まり、ミニゲームが一切ない代わりに戦闘パートは作中最難関と言われている。
偶然、アーロンの正体を知ってしまった主人公はアーロンから命を狙われるも、何故かどれも中途半端で終わってしまう。アーロンは既に自分にはない陽だまりのような明るさを持つ主人公に惹かれてしまっており、好きになってしまい、主人公を殺すことに躊躇してしまう。……その事実に気づく。そして、アーロンは暗殺業から足を洗うことにする訳だが……。
それ以前も選択肢によって殺される訳だが、本編はここから。組織を抜けようとしたアーロンに対する報復が開始され、そこから暗殺者とのバトル、バトル、バトル。選んだ選択肢によって分岐するルートでは最終的に主人公は捕らえられてしまう(確定)。それまでに選んだルートによってはアーロンが助けに来てくれてそのまま逃げ切り、フォルトナ王国とは別の隣国に高飛びだが、失敗すると一人で死ぬかアーロンを巻き込んで二人で死ぬことになる。それ以外のルートでも暗殺者を斥けながら別の隣国に高飛びすることになる。
・フィネオ=ブラン
アインスルートの友人キャラでゼルドルートのライバルキャラ。演劇部の副部長を務めるお姫様のような天使のような愛らしい花形女優。見た目に反して腹黒ところもある。
フィネオが敵として登場するルートはアインスルートに比べてフィネオとジャンヌの絡みが少なく、またフィネオの腹黒ところが多少強調されているため、フィネオファンにはあまり好かれていない。
こちらも正当に愛を競うルートで主人公が表立って嫌がらせを受けることはない。……まあ、多少酷いことを言われるため嫌われることもあるが、負けを認めたフィネオは最後に二人の仲を祝福して喜んでくれるため、その時の笑みのスチルを狙うファンもいることにはいる。
・ゼルド=パルムドーハ
ブライトネス王国の第一騎士団の騎士団の一人息子でフィネオの婚約者。攻略対象の一人。フィネオの婚約者。
騎士団長を継ぐべく教育を受けてきたが、父とは異なり身体が弱く、学園で友人となったヘンリーの剣になれるのかと不安に思うようになった。しかし、主人公と邂逅してその天真爛漫さに触れていく中で次第に気持ちが軽くなり、恋が芽生えていく。
・ジィード=ジリル
三大商会の一つであるジリル商会の会長の孫。攻略対象の一人。平民出身ということで親近感を持たれているため、元々好感度が高く、またライバルキャラもいないため最も攻略が簡単なルートと言われている。
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それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。
※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。




