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Act.8-245 バトル・シャトーのお披露目と剣武大会 scene.13

<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ビオラ=マラキア>


 ここで全員が一斉に攻撃に転じなかったのは、乱戦になった結果、同士討ちになることを避けるためと思われる。

 遠距離の魔法と、近距離の剣というのは、相性が頗る悪い。万が一誤射すれば、味方を撃破し兼ねないからだ。

 だけど、これまでの戦闘からこのままちびりちびりと小出しな戦力で仕掛けていては、勝利は夢のまた夢であると確信したのだろう。ここでの十二人の同時出撃はなかなか思い切った、素晴らしい選択であると思う。


叢雨忍術(レインファントム)篠突く手裏剣(しのつくあめ)


 無数の微細な、刃のような形状の雨が寄せ集まって生まれた水の巨大な手裏剣に神光闘気を纏わせると、レインは思いっきり擲ってくる。それが、十二人の攻撃の嚆矢となった。


凍魔の白雪剣ソード・オブ・スノウホワイト


「高速錬金術式」


 冷気を収束して一振りの剣を作り上げ、武装闘気を纏わせたアゴーギクと小柄な身体と不釣り合いな巨大な剣を作り上げて武装闘気を纏わせたカトリーヌが挟撃を仕掛けてくる。


「圓流耀刄-比翼-」


 武装闘気を三重に纏わせた双剣から繰り出した圓式の不可視の斬撃でアゴーギクとカトリーヌをその武器諸共両断すると、水の巨大な手裏剣を「クリムゾン・プロージョン」で蒸発させ、「心を凍てつかせて気配を消し、相手の背後に回り込む」というプルウィア専用の特殊技能「蜃気楼(シンキロウ)」を使ってボクの背後に転移したプルウィアと斬り結んだ。


「【水神顕現-龗-】」


「至近距離からその攻撃はキツいですね。クリムゾン・プロージョン」


 水の九頭龍を蒸発させると、新たに獲得した魂魄の霸気《秋水》――あらゆる水分に干渉し、操作する魂魄の霸気で血流を加速させることで爆発的な瞬発力を得た上で放つ「一突必殺ワン・ストライク・ワン・キル」と共にプルウィアによって完成された、プルウィアだけの必殺技――超高速斬撃「一斬必殺ワン・スラッシュ・ワン・キル」が炸裂した。


 本来、この超高血圧には人間の心臓や血管は耐えられないけど、武装闘気を上手く使うことで負担を無効化することでノーリスクで放つことが可能になる。

 とはいえ、その速度は圓式に及ばない。ボクの圓式にあっさりと受け止められたプルウィアの剣に「常夜流忍暗殺剣術・毒入太刀」の猛毒を流し込み、その衝撃と痛みで剣を落とした瞬間を狙って「ダークマター・フェイク」を放って闇に飲み込ませて消滅させた。


叢雨忍刀流(レインファントム)斬雨(きりさめ)


雨纏誅刺(ウテンチュウシ)


「サングリッター・アタック・スペシャライゼーション! サングリッター・エンチャート!! サングリッター・ファイナル・エクステリオン!!!」


 レインの刀から猛烈な水が吹き出し、空中で無数の水の刃と化して高速で落下する。

 『王国騎士の剣(エスカリボール)』に水の魔力と武装闘気、神光闘気を纏わせ、更に神攻闘気、神堅闘気、神速闘気を纏ったバチストが激流を細い錐状に変化させてボクに向かって突きを放ち、体の細胞を光属性の魔力で活性化させる諸刃の剣の光魔法で攻撃力を高め、光属性の魔力を剣に付与したリヴァスが光り輝く斬撃を拡散させた。


 《太陽神》を使って光の速度の俊身でリヴァスの背後に回り込み、『神竜の鱗鎧』の上から相手の身体に直接武装闘気を流し込むことで内部から敵の身体を破壊する武流爆撃、そして神光闘気を組み合わせを放って撃破すると、そのままレインに狙いを定めて攻撃を仕掛け――その狙いに気づいたファンマン、レオネイド、フレデリカ、ジャスティーナ、バチスト、カルコスに計ったようなほぼ同時攻撃を仕掛けられた。


 ファンマンとレオネイドは息のあった同時攻撃で挟撃を仕掛け、二人の対角線上からはフレデリカとジャスティーナが双剣と一刀で圓式の斬撃を放ってくる。

 そして、五方向目と六方向目――北と南からカルコスと水の魔力を大きく引き伸ばし、循環させることで大きな流れを作り出すことで宛ら回転鋸のように水の刃を変化させる「雨纏循延(ウテンジュンエン)」を発動したバチストが挟撃を仕掛けてくる。


 まさに、六角形包囲網――この攻撃を突破するには、一人ずつ的確に落としていくのが一番手っ取り早い。

 まずは、光の速度の圓式でファンマンを、そして振り返りざまにレオネイドを二人と剣を交えず両断し、続いてフレデリカの双剣から繰り出される圓式の斬撃を同じ圓式の斬撃で受け止め、直接相手に触れずに武装闘気を衝撃波として放つことで吹き飛ばす武気衝撃を使って剣を弾いた隙を突いて光の速度の圓式を放って撃破、振り向き様に、ジャスティーナの圓式の斬撃を左の太刀で受け止め、右の太刀で放った圓式でジャスティーナを撃破した。


叢雨忍刀流(レインファントム)烈霖(さみだれ)


 レインの刀から吹き出した猛烈な水が無数の小さな刃へと変化し、背後に展開した魔法陣から吹き出した激流を利用して一気にボクに迫ったレインがすれ違いざまにボクに斬撃を放って撃破を狙ったようだけど、あまりにも狙いが見え透いている。

 レインの斬撃を紙躱を使って躱し、そのまま圓式の斬撃を浴びせて逆辻斬りを成功させた。レインはそのまま激流に乗って飛ばされ、その勢いでポリゴンを散らせていく。


 十二人の中で残ったのはエルセリスただ一人。

 この夏に習得したばかりの俊身を使い、ボクとの距離を詰めると同時に武装闘気を纏わせた剣で型通りのラングリス王国騎士剣術を放ってくる。

 七度エルセリスと全く同じ型で剣を交錯させた後、右の太刀に武装闘気と覇王の霸気、そして聖属性の魔力を纏わせ、横薙ぎすると同時に解放して猛烈な光の真一文字斬りを放ち、エルセリスを胴のところで両断して、ポリゴン化する間も無く消し飛ばした。


「朧黎黒流・疾風覇薙!」



 未だに敗北し、復活した者達は戻ってこない。……レベルを少々高めに設定してしまったかな? もっと早く第二波がやってくる予定だったんだけど。


 次に仕掛けてきたのは、バルトロメオ、ソットマリーノ、ボルティセ、ロックス、シャードン、ラル、ヘルムート、ラミリア、フォッサス、イフィス、トーマスだった。


「魂魄の霸気《戦騎士》」


 無数の剣を顕現し、縦横無尽に攻撃を仕掛けることができる《剣》を発動したバルトロメオが戦騎士の鎧型のエネルギーを纏う《幻騎士》を発動し、高エネルギー体の幻騎士を実体化させる《闘騎士》で実体化させると、その上から武装闘気を三重に纏わせて斬り掛かってきた。


「――海王子の波斬トリートーン・ウェイブレイド


「魂魄の霸気《凍鮫》」


 そして、バルトロメオに続くようにソットマリーノは二振りのサーベルに武装闘気と覇王の霸気を纏わせると、その上から水を纏わせて斬り掛かり、更に生物内の水に干渉して水の内部に衝撃波を伝達させることができる《海握》を使って不可視の衝撃を空気中の水分を伝播させて放ってきた。

 無数の獰猛な氷の鮫を作り出して攻撃するボルティセの《凍鮫》によって生まれた二体の氷の鮫が猛烈なスピードで空中を泳ぎながらボクへと迫り、ロングソードに武装闘気と覇王の霸気を纏わせて斬り掛かってくる。


 この中で一番先に対処しなければならないのはバルトロメオ……ではなく、水を伝わる不可視の衝撃だ。

 《海握》を使って衝撃を相殺すると、シャードンのオリジナルの水属性造形魔法「怒りの鮫特攻アングリー・シャードン」を発動して、武装闘気を纏わせた無数の鮫を《凍鮫》の鮫に嗾しかける。


「魂魄の霸気《海皇》!」


 《凍鮫》が撃破されたタイミングで対象した地点を中心に大量の水を発生させ、目標が動いたとしても、その目標と同時に移動する水のフィールドを形成する《海域》を展開し、バルトロメオ、ソットマリーノ、ボルティセを呑み込む。

 この一手で一番不利益を被ったのはバルトロメオで、最も利益を得たのはソットマリーノだった。

 瞬時に風の魔法で呼吸を確保したバルトロメオだけど、あまり水中戦は得意としていない。一方、人魚族のソットマリーノとボルティセには地の利が生まれた。ソットマリーノは自身の魂魄の霸気が通用するこの《海域》を何故生み出したのかと訝しんでいるんじゃないかな?


「魂魄の霸気《海泳》――魂魄の霸気《太陽神》」


 《海握》を使ってボクを仕留めようとしたソットマリーノが真っ先に沈んだ。

 超空洞現象スーパーキャビテーションを利用して亜音速で移動することが可能になる《海泳》を、光の速度で行った結果――ソットマリーノの伝達した衝撃を躱して肉薄し、武装闘気の防御を刺し貫いて撃破することに成功したのだ。

 ボルティセも、ボクが海棲族並みの泳ぎができることを知っているから差したる驚きもないようで、ソットマリーノもきっとこれについては然程の驚きも感じていなかったんじゃないかな? ただ、圧倒的な速度で伝達される衝撃を避けられるとは露ほども思っていなかっただろうけど。


 縦横無尽に襲い掛かる《剣》を悉く躱しつつ、魂魄の霸気《戦騎士》を使って《剣》をばら撒き、水中の各所で剣舞を演じる中、ボクは《海泳》と《太陽神》を解除して双刀を構えた。


「――海王子の海流突きトリートーン・ヴォルテックス


 ボルティセのロングソードが纏った水が渦を成し、激流を纏った突きが放たれる。

 ボクも「静寂流十九芸 剣術応用止ノ型 鋒止突」を応用して「海王子の海流突きトリートーン・ヴォルテックス」を放って受け止めると、次の攻撃が放たれる前にボルティセの守りを掻い潜って圓式の斬撃を浴びせてポリゴンへと変えた。


 二人を撃破し切ったところで、ボクは《海域》を解除し、右の剣の鋒をバルトロメオに向けた。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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