Act.1 登場人物紹介 part.Ⅱ
◆財閥七家
・桃郷清之丞
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ桃郷財閥の創業者一族の当主。大昔に鬼ヶ島に渡って鬼を討伐したという桃太郎(桃郷太郎)を祖先に持つ男。
旧・《鬼部》、現《鬼斬機関》の創設にも関わった桃郷一族出身だが、祖父の代で「鬼にもいい奴がいる」という理由で「鬼とは徹底抗戦」という方針の《鬼斬機関》と対立。《鬼斬機関》を抜けている。
清之丞は鬼斬りの技を継承する傍ら、数多くの事業を展開してきた桃郷一族の家業を継ぎ、発展に大きく尽力。また鬼斬りとしての実力も全盛期の桃太郎に匹敵すると言われており、先祖返りを引き起こしている。
かつて小豆蔲に救われたこともあり、彼女が邸を訪れた際には客人としてもてなしている。小豆蔲を通して圓のことを知った際には「この大倭で一番恐ろしい男」と評した。ちなみに、桃が苦手だそう。
・光竹赫映
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ光竹財閥の創業者一族の当主。五人の貴公子を難題で退け、神帝の求婚を拒絶した絶世の美女として歴史の表舞台に登場する。
側仕えの天女から豊かな地球の存在を聞かされており、穢れた地上に興味を持ってしまったという罪で地球に流される。
ここまでは大筋通りだが、月の使者が地球に来た際に月の科学を駆使した兵器で奇襲と追撃を仕掛けて月の使者達を惨殺。生き残った月の民を支配して強大な権力を手に入れる。
極めて好戦的な性格で圓曰く「関わりたくない武闘派お姉さん」。しかし、重度のショタコンなのでショタを召喚すれば鎮められる。
月の民は神仙のうち、天に昇った天仙である。同じ仙人である島子の仲は険悪。会った瞬間に戦争が始まる。
・浦島子
常に自作の釣竿を持ち歩く、糸のような細い目をした道服の男。若い頃に蓬莱山に渡り、修行して地仙に至っている。
現在は浦島財閥の持株会社の会長。常に丁寧語で穏やかに話す男だが、赫映と相対すると殺気を迸らせる。二人の間に何があったのかは謎。
・邪馬凉華
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ邪馬財閥の創業者一族の現当主。かつて九州地方に拠点を置き弧状列島を支配しようとした邪馬台国の女王卑弥呼の末裔。東洋呪術という力を継承しており、中でも呪いが付与された蟲を操り災いをもたらす蠱毒が十八番。
大倭朝廷に敗北しながらも現代まで強大な力を有している。古代の巫女のような衣装を身に纏い、胸元には勾玉を下げている。
陰険でインドア派かと思いきや、実はスポーツ好きのアウトドア派で、特にバトミントンやスカッシュが得意とのこと。
・海宮浅姫
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ海宮財閥の創業者一族の現当主。現在はホテル業を中心に様々な事業を展開している弘原海グループの会長。
海底に存在し、月に到達した月の民と源流を同じにする海仙(天仙と同じもの)が住まう龍宮城の乙姫の直系の子孫である。
・蘆屋祓齋
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ蘆屋財閥の創業者一族の現当主。安倍晴明とライバル関係にあった蘆屋道満の子孫。蘆屋家は安倍晴明との対立以降も陰陽寮に籍を置いていたが、第二次世界大戦後に国家に不審を抱き陰陽寮を抜け、蘆屋財閥を創設した蘆屋清春から数えて三代目。祓屋として活動しながら数多くの事業を展開している。
・三門弥右衛門
大倭秋津洲帝国連邦で強大な力を持つ財閥の一つ三門財閥の創業者一族の現当主。
元々は鴻池財閥、三井財閥、三菱財閥、住友財閥、安田財閥の五大財閥と同じく通常の定義の一財閥だったが、1945年の財閥再編の際に『財力の他に特定の軍事力を保有する富豪又は家族又は同族によって出資された親会社(持株会社)が中核となり、それが支配している諸企業(子会社)に多種の産業を経営させている企業集団』という定義が制定された際に桃郷財閥、光竹財閥、浦島財閥、邪馬財閥、海宮財閥、芦屋財閥の六つが新たに財閥として認定され、ただの富豪に戻った。
その後、AIなどのITで才覚を発揮し、AI騎士と呼ばれる特定の軍事力を持ったため、財閥としての条件を満たす。また、悪質なクラッカーを打ち負かして社員にするという趣味を弥右衛門が持っているため、ハッキング/クラッキング分野では高い技術を持っている。
七三分けの神経質そうな眼鏡。本人はメイドロボを愛しており、完璧なメイドロボを完成させるために仕事をするという完全な趣味に生きる人間。
またサブカルチャーにもかなり傾倒しており、「クールヤマト政策」を掲げる大倭政府に対しては「サブカルチャーに政治が絡むと往々にして失敗して腐る」と露骨に嫌悪感を示している。
◆鬼斬機関/旧・鬼部
大江山で酒呑童子を討伐した源頼光、京都の一条戻橋の上で橋姫を討伐した渡辺綱、鬼ヶ島に渡って鬼を討伐したら桃太郎の子孫によって設立された対鬼機関。
碓井貞光、卜部季武、坂田金時ら他の頼光四天王の名もあるが、最終的には源家、渡辺家、桃郷家の三派に権力が集中した。
精霊や妖精、種族的な鬼も含めたものを生まれついての鬼、人から堕ちた存在や転化した存在、亡霊などを人から成った鬼とし、その両方の討伐を担った。
元々は《鬼部》と名乗っていたが、明治時代の新政府改革の際に《鬼斬機関》と名を変える。
清之丞の祖父の代で「鬼にもいい奴がいる」という理由で「鬼とは徹底抗戦」という方針の《鬼斬機関》から独立。以後、渡辺一族が代々鬼斬の棟梁となっている。
小豆蔲を匿った圓を小豆蔲諸共討伐する目的で派兵し、更に清之丞の乱入に遭う。二対一の戦いで《鬼斬機関》は多くの血を流し、敗北。更に圓によって《鬼斬機関》そのものを買い取られ、完全に指揮下に置かれた。
その後は小豆蔲とも交流を行っており、鬼斬としての仕事はするものの、会った瞬間に問答無用で殺すといったことは無くなった。
・渡辺満剣
現《鬼斬機関》のトップで鬼斬の棟梁。以前は鬼を見ればぶった斬るという容赦のない人物だったが、現在は丸くなっている。
ゲテモノ料理付きで、小豆蔲のお土産を嬉々としてあげようとするため、部下からは小豆蔲共々危険な存在として認識されており、「頼むから二人揃わないでくれ」と切に願われている。
鬼を視る浄眼と代々継承してきた髭切りの太刀を武器としている。
圓に鬼斬の素質があると見ており「あれならそこそこのレベルまではいけるな」と評する一方、「天が二物を与えた……なんてレベルじゃねえな。あれは」と敵に回ったら恐ろしい存在だと考えている。
また、最近の政治家にも否定的な視線を向けており「鬼よりもタチが悪いな、ああいう生物は」と跋扈する魑魅魍魎達に危機感を募らせている。
・千羽雪風
《鬼斬機関》所属の鬼斬で、満剣の直属の部下である女性。圓との同盟以降、満剣からお使いがあるたびに派遣される立場になっており、人使いの荒い棟梁には内心怒りを覚えている……まあ、それを決して口にはしないし、圓達からの待遇はいいし、お茶も美味しいのでいいのだが。と内心思っているのは秘密。
大倭秋津洲という国を影から護る裏の武士としてかつては強い自負があり、「剣姫」や「冷血の鬼斬姫」の異名で呼ばれるほど鬼に対しても一切容赦をしない剣士だったが、圓達との戦いを経て、世界がそんなに単純じゃないことを理解させられ、その後は自分の信じた道を突き進もうと心に決めている。
ゲテモノ料理は本当に嫌いなので、頼むから《鬼斬機関》の本部で解放しないでくれと切に願っているのは他の鬼斬達と同じ。
圓の求めから鬼斬の技を教えた人物。その一方で、鬼斬の技の実力こそまだまだ未熟だが、本来の強さは雪風では到底及ばないということを理解させられ、強大な力を持つ圓に強い安心感を抱く一方で、見捨てられたら、あるいは再び敵対したら……と強い恐怖を抱くようになる。
◆陰陽寮
・土御門遥
平安時代の陰陽師で源平動乱時代(こちらの世界における平安時代末期から室町時代末期)から陰陽寮を統括している安倍氏流土御門家の祖、安倍晴明の直系の子孫。
レディーススーツを着た赤縁眼鏡の女性で、清明桔梗が描かれた黒い扇を携帯している。陰陽師の正装を身につけることはほとんどないが特別に重要な儀式の際には狩衣を改良したような衣装を身に纏う。
大倭秋津洲帝国連邦政府のやり方に内心嫌悪感を抱いていたが、公務員の立場で政府に不服申し立てをすることはできなかった。
政府の命令で圓と衝突する(しかも、尻尾切りで使い捨ての駒くらいにしか考えていない最悪の命令だった)。圓に敗北した後、責任者として命を差し出す代わりに部下達の身の安全の保証を求めるが、あっさり却下され、圓から政府を裏切って圓側につくという案を出される。
その後、政府は陰陽寮をあっさりと手放し、莫大な金と引き換えに圓の配下に加わる。
誰一人の命も奪わず、「君は戦いたくない、ボクも戦いたくない……なら、戦う必要はないよねぇ。ボク、お姉さんみたいな真面目な人好きだし」と、圓達と戦わざるを得なかった自分達を助けてくれた圓に感謝し、忠誠を誓っている。
彼に陰陽師を教えた人物。
◆魔女
元々は原初魔法と原初呪術を扱う者達のことで、魔女のコミュニティでは女尊男卑の傾向があったことと、女性の方が適正が高かったことの二点から魔法を扱う者達の総称として呼ばれるようになった。男の魔女という矛盾した言葉も使われており、基本的に原初魔法や原初呪術を使う者達は全て魔女に該当する。
基本的には悪魔と契約を交わし、対価を支払う代わりにその力の一部を行使する術を指す原初呪術、元々は精霊と契約を交わし霊輝と呼ばれるエネルギーを精霊に手渡して発動する術である原初魔法の二つを使うことができる。原初魔法は更に分解でき、攻撃的なものを魔術、防御的なものを法術と呼ぶのが正確である。この法術は対魔女法術機関《聖法庁》が定義する法術(聖法)とは別物。
◆対魔女法術機関《聖法庁》
選民救世教、三位聖霊教、最終予言教の地下組織がいつしか統合され、宗教から独立したことで誕生した組織。
対魔女の最高機関であり、魔女と戦うための法術や聖術の使い手が集まっている。上位の存在は天使を召喚することができる。
法術や白魔法と呼ばれる力(魔女を倒すためには同じ魔女の技を手に入れる必要があるというところから出発したが、魔女と同列にならないためにこちらは正義の技であると定義しただけであって、原初魔法となんら変わらない)と神界の天使と契約を交わし、或いは融合し、その力を発動する聖術の二つを使うことができる。
◇大倭支部
・九重勇悟
《聖法庁》の大倭支部の支部長を務める夏でもマフラーを巻いた男。
瀬島香澄を巡り、圓達との抗争を引き起こしたことがある。その後、圓に大倭支部を丸ごと購入された結果、圓の傘下に下り、瀬島香澄を見逃すことを約束する。
香澄、圓とは共通の敵として奈留美の存在があり、共闘して倒すことを約束している。
圓に聖術を教えた師匠であり、「いい線を言っているが、とても一流にはなれないレベル」と評したのも彼。その一方で「その全てが一流であれば勝ち目はない」とも評しており、様々な技術を組み合わせた戦法を厄介なものであると評価している。
◆常夜流忍者
・常夜幻
鎌倉時代の人物で、常夜流忍者の礎を築いた初代。
◆五十嵐流
・五十嵐斎
巴の父で五十嵐流の継承者。自分の代で道場を閉じようと考えていたが巴という先祖返りというべき強さの娘によって注目されて喜び、自分の代でかつての五十嵐流十四芸を蘇らせるという夢を叶えるために投資家の圓に助力を求める。
◆神帝
邪馬台国を滅ぼし、弧状列島を大倭秋津洲として支配した一族。当初は大倭朝廷が弧状列島を支配していたが、次第に豪族によって支配圏を奪われていく。
現在も神と同一視され、大きな権利を持っているように見えるが、国を実質支配しているのは大倭政府であり、半ばお飾り状態となっている。
◆大倭政府
江戸時代の武家政権であった徳川幕府を取り込む形で発足した新政権。ほとんどの武士の権力を剥奪したが、一部の武士を特権階級として残し、徳川家をその棟梁として侍局として再編した。
新たに陸軍、海軍、(第二次世界大戦後は空軍)を編成し(陸軍は陸軍省、海軍は海軍省。第二次世界大戦は軍部の全管轄を防衛省が担当し、政治家の下に置かれた)、内務省が管轄する警察(首都警察と地方警察)、と共に非常時の表向きの戦力として侍局を採用している。
神祇省、外務省、内務省、大蔵省、文部省、工部省、司法省(後に裁判所は独立。表向きは三権分立を装っている)、宮内省、陸軍省、海軍省、侍局、陰陽寮(非公開)、鬼斬機関(非公開)といった各省庁と、内閣によって政治が実行され(行政機関)、内閣は国会(立法機関)に所属する政党の議員から選ばれる。
第一次世界大戦から第二次世界大戦の間に軍部が着々と力を力を蓄え、更に第二次世界大戦に向けて全ての政党が統合され大政翼賛会となるが、大倭政府が大東亜共栄圏として掲げた各国を取り込み、大倭秋津洲帝国連邦が成立するという形で第二次世界大戦は幕引きし、米加合衆連邦共和国とは引き分けという形で条約を結んだ際に、不要と判断して解散し、以降は複数の政党が乱立する形に戻った。
現在は軍部の力も低下し、政治家が大きな力を持っている。
財閥の力が無ければ到底第二次世界大戦で勝利できなかったにも拘らず、財閥を「金を持っている奴隷」と認識し、「国家総動員法」を改正した「財閥総動員法」を利用して圧力をかけている。一方、財閥側は大倭政府のやり方に対して腹に据えかねているものの、政府を仮に殲滅したとして自分達が政治をしたいとは思わないので現状はやられるがままになっており、そこで更に政治家が調子に乗るという悪循環に陥っている。
政治家のほとんどは瀬島奈留美に籠絡されており、彼女の思うがまま。
陰陽寮と鬼斬機関は既に圓によって買収されてしまっているが、危機感を覚えている政治家は全くと言っていいほどいない。
・小野田進歩
与党の衆議院議員。大倭政府から「財閥総動員法」を理由に政治家が派遣され、圓様の全財産の国への返還を要求した。屋敷に残っている全統括の合議で方針が決定した後に暗殺され、これが大倭秋津洲帝国連邦と百合薗グループ、財閥七家や《鬼斬機関》と陰陽寮、《聖法庁》の大倭支部をも巻き込んだ戦争の引き金を引くことになる。
◆神界・魔界
・ラファエル
神界の熾天使の一体でホワリエルの上司。
天使らしく悪魔とは犬猿の仲だが、アスモデウスとは息がぴったりである。
天魔対戦では《聖法庁》に召喚されたことを口実に悪魔と全面戦争を繰り広げた。
・アスモデウス
悪魔王の一体でヴィーネットの上司。悪魔らしく天使とは犬猿の仲だが、ラファエルとは息がぴったりだった。
天魔対戦では魔女に召喚されたことを口実に天使と全面戦争を繰り広げた。
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それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。
※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。




