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Act.8-1 ローザ・ラピスラズリ十歳の誕生日 scene.1 上

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト>


 誕生日当日、愛用している「E.DEVISE」を掛け、この日のためにカノープスが用意した豪奢なドレスを身に纏い、ヘレナ達に散々メイクやヘアメイクやらを施された(ちなみに普段は一人でドレスの着脱から必要な時はメイクまでやっている。ステータスで装備変更自在だから楽なんだよねぇ)ボクは、思いっきり令嬢の猫を被って貴族達の応対をしていた。


 ここに来るまで、本当に大変だった。一次会や二次会の料理の手配やら、会場の準備、その他諸々……招待状はラインヴェルド達とカノープスが勝手に決めて送っちゃって後からリストだけ渡されている何それ舐めてんのっていう状況だったから、そこからジーノ達に協力してもらって参加者一人一人の基本情報や嗜好を調べ上げることになったし、やることが山積みだった。

 うん、十歳になった公爵令嬢にやらせる仕事じゃねぇな、と思ったよ。まあ、料理に関しては【万物創造】で思いっきりチート使ったし、基本情報や嗜好は完全記憶で丸暗記したし、その他の項目に関してもジーノ達の助力を得た訳だから、随分と楽させてもらったんだけどねぇ。

 ……しかし、誕生日ってこんなに苦行だったっけ? という疑問は未だにボクの中で燻っているんだけど。


 今回はボクに興味を持っている貴族達もかなりの数居たことから、既に表向きの誕生会である一次会の参加者も王族、大公家(招待されたのはバルトロメオだけだけど)以下貴族、有力聖職者などなどかなりの数になっている。

 ……本来は存在しない二次会の方が多種族同盟加盟国の重鎮から暗殺組織のメンバーに至るまでかなり闇鍋みたい感じになっているから相対的にマシに見えるんだけど。……しかし、この闇鍋にアクアマリン伯爵家御一行様をぶち込むとか正気か? いや、確かにニルヴァスとソフィスは事情を知っているけどさ……あの奇人変人狂人の部類やキャラの濃い連中の中に混ぜるとか正気の沙汰じゃないと思うんだけど。


 とりあえず、アーネストが発狂しないように事前に状況は説明して、アクアマリン伯爵家に届いた二次会の招待状は無かったことにしてもらって、後日うちで小規模のお茶会を開く約束をして許してもらった。……まあ、ニルヴァスは後々奇人変人狂人筆頭のラインヴェルド辺りとも関わらないといけなくなるとは思うけど。


 今回の誕生日会の招待客の中には、当然のように乙女ゲーム関係者も大勢いる。


 まずは、攻略対象の一人で第三王子のヘンリー=ブライトネスと、同じく攻略対象の一人で第四王子のヴァン=ブライトネス。


 普段は派閥闘争をしている(ように見せかけている)第一王子ヴェモンハルト=ブライトネス、第二王子ルクシア=ブライトネス、更には第一王女のプリムラ=ブライトネスや王弟バルトロメオ=ブライトネス、王太后のビアンカ=ブライトネスまで含めたロイヤルファミリー勢揃いでの参加ということで、ラピスラズリ公爵家が王家との強固な繋がりを作ることを狙っているなどと曲解されていることから、特定の王子との婚約を検討していると言った話は上がっていないけど、ブライトネス王国の貴族を四分する第一王子派、第二王子派、第三王子派、第四王子派の四派全てから派閥の力関係に影響を与える存在として動向を注視されているのは間違いない。……まあ、未だ婚約者のいない第三王子と婚約を結ぶ可能性が大いに考えられると警戒はされているだろうけど。

 ラインヴェルドが「なんでプリムラとくっつく可能性は考えねぇんだろうな? ってか、そもそも乙女ゲームみたいにヘンリーと婚約結ぶ気は本当にねぇんだろ? 国王としては釣り合いが取れていないの承知の上で国の誰かを二番手か三番手にしてくれたらありがてぇんだけど」ってなんか世迷言言っていたけど、同性婚の概念がないこの国で世間的にプリムラとボクの婚約が認められる訳がないし、仮に認められても二番手とか三番手になったらなったで王家の権力が失墜するよ!? 大体、ボクは月紫さん一筋で例え百合ハーレムだったとしても築くつもりは更々ないし、プリムラはゲーム通りルークディーン=ヴァルムトと婚約させる方向で行くつもりなんじゃないの? なんかそのためにどこかで仕込みをするつもりだってクソ陛下らしいゲス顔で言ってたじゃん?


 他にもヴァーミリオン侯爵家令嬢でヴァンの婚約者のスカーレット=ヴァーミリオン、ヴァルムト宮中伯家の子息ルークディーン=ヴァルムトと婚外子で長兄のアルベルト=ヴァルムト、メリダの事実上の追放に伴い再編された宮廷魔法師団の団長を務めるホネスト=ブラックストーンの息子ジュード=ブラックストーン、ライブラリア子爵家令嬢のメアリー=ライブラリア、スフォルツァード侯爵家長女のジャンヌ=スフォルツァード、ブラン伯爵家の長女フィネオ=ブラン、ブライトネス王国第一騎士団騎士団長ジルイグス=パルムドーハの息子ゼルド=パルムドーハ、ジリル商会の会長モルヴォル=ジリルの孫ジィード=ジリルに至るまで攻略対象が勢揃い。

 更に、統括侍女のノクト=エスハイム、離宮筆頭侍女のニーフェ=ホーリンク、王子宮廷筆頭侍女のレイン=ローゼルハウト、王女宮筆頭侍女のペチュニア=ジュシューという王宮侍女のトップ四人に、現職大臣のディラン・ヴァルグファウトス・テネーブル、第一騎士団騎士団長のジルイグス=パルムドーハ、第二騎士団騎士団長ディーエル=ノッディルク、第三騎士団長のモーランジュ=サルヴァトーレ、天馬騎士団騎士団長イスタルティ=ジェルエスネ、陸上騎兵団騎兵長ペルミタージュ=レストレイ、王国宮廷近衛騎士団騎士団長のシモン=グスタフ、現宮廷魔法師団相談役で「落葉の魔女(フォール・リーフィー)」の異名を持つ大賢者ミーフィリア=ナノーグ、ヴェモンハルトの婚約者で国で一番の才女と称えられるスザンナ=アンブローズ、三大商会の一つであるジリル商会の会長夫妻モルヴォル=ジリルとバタフリア=ジリル、マルゲッタ商会の会頭ルアグナーァ=マルゲッタ、天上の薔薇聖女神教団の教皇のアレッサンドロス=テオドール、筆頭枢機卿コンラート=シラクサ、天上の薔薇騎士修道会騎士団長ヴェルナルド=グロリアカンザス、天上の薔薇治癒師修道会の治癒師長ルイーゼ=プファルツ、今をときめくビオラ商会の大幹部の一人アンクワール=ゼルベードなど大物という大物を全方面から呼び寄せた結果、「ラピスラズリ公爵家の現公爵は子煩悩だ」などと言ったあらぬ噂も立っている……事実には相違ないけどさ。ボクのお父様って、必要ならボクを殺すような人だよ? まあ、死んでやる気は更々ないけどさ。


 ちなみに、招待状はビオラ商会の会長アネモネ宛てだったそうだけど、彼女が諸事情で参加できないこと、彼女よりもアンクワールの方がゼルベード商会の会頭としての経歴もあり、この誕生会への出席に相応しいなどの意見も挙がったことからアネモネではなく、アンクワールが参加することになったようだけど……まあ、実際のところを言えば、ペルちゃんに協力をお願いしたり、それこそいくらでもやりようはあったんだけど、自分で自分に「誕生日おめでとう」っていうのはなんか痛いなぁって思ってねぇ。……即刻却下したってのがオチ。


 まあ、そんな身の程知らずな誕生日会だけど、思いの外貴族達の反応は上々で、早めに会場入りした貴族達は既に楽しく談笑したり、挨拶巡りをして楽しんでいる。

 今日ばかりはアクア、ディラン、ラインヴェルド、バルトロメオ、ヴェモンハルト、カノープス辺りの問題児を十把一絡げに部屋に集めて「くれぐれも、誕生日を台無しにするような真似はしないように」と色々と先回りして釘を刺しておいたので大丈夫だと思うし思いたい……んだけど、一番に会場入りしたアクアとディランが既に挨拶まわりを放棄して思いっきり食事にガッツいているんだよなぁ……念のために、アクアにラピスラズリ公爵家のメイド服じゃなくてドレスを着させておいて良かったよ。


 ……しかし、ディラン。一々貴族に「そのご令嬢は婚約者ですか?」って問われる度に「そんな訳ねぇだろ? アクアは俺の相棒で最高の親友だぜ!」って返答するの、物凄いカオスだからやめてもらえないかな? しかも二人して「何言ってんだ、コイツ」って顔をしているけど、普通は男女で仲良く居たら婚約者を疑うし、片方子供に見えるからロリコン疑われるの普通だから! ……うん、アクアはこっちでは成人年齢に達しているんだけどねぇ。まあ、なんていうか、その……見えないから。もう成長は止まってしまったんだよね。


 ネストとカルミアは会場内で挨拶回りをしている。

 義弟のネストはカノープスに似たのかまず間違いなくボロは出さないし、カルミアも五歳児とは思えないほどしっかりしているし、ネストも居るから大丈夫だろうねぇ……普段は甘えん坊なんだけど、そんな雰囲気は微塵も感じさせないほどしっかりとご挨拶しているし、少しはアクアとディランにも見習ってもらいたいものだよ。……というか、大人の方が色々と酷くないかな?


 ちなみに、ボクはカノープスを伴って会場の前でご挨拶。

 カトレヤはネスト達とは別行動で挨拶回りをしていると、ボク達の動きは大凡こんな感じ。

 カトレヤには貴族夫人達の付き合いがあるだろうし、貴族子女には貴族子女の付き合いがあるだろうからねぇ……その点、カノープスも挨拶回りをしないといけないんじゃないかとは思うけど、お迎えの役割をボク一人に任せるというのは不自然に思えるからと一応配慮がされているそう。


 ……さて、ボクが会場入りできるのはいつのことやら。ってか、誕生日会の主役が会場に居なくて本当に大丈夫なの!?

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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