月刊チャレンジクエスト 2022.7
<三人称全知視点>
チャレンジクエストの更新日、ジェルメーヌ=ディークス、リディア=ヌクァルダス、フェアトリス=グリチーヌ、リューナ=グレーダス、アフロディーテ=ナルシス――諜報部隊フルール・ド・アンブラルの諜報員達はバトル・クエストの受付で待ち合わせ、そのまま情報収集をすることなく戦いに挑んだ。
早朝とはいえ、挑戦済みの者がいないという訳ではない。しかし、ジェルメーヌ達は自らの眼で見て敵を分析し、攻略方法を見出すことが大切であると考えていた。
敵の観察とそれを元にした対策の立案は過酷な諜報任務を基本的には一人で熟し(チームで行う諜報任務・潜入任務も存在してはいるが)、その場その場で状況を判断して行動しなければならない諜報員達にとっては必須の能力である。彼女達の場合には、月刊チャレンジクエストはその力を磨く場という側面もあった。
今回のボスは【氷の大将軍】グランディネ=サディストと【討夷将軍】ミズファ=スターベイション――久しぶりの人型のエネミーである。
ルヴェリオス帝国に同じ女将軍として仕えていたが、極めて関係は険悪でその関係を示すように同じ戦場に立った回数は極めて少なく、共闘の回数は皆無だったと言われている。
しかし、その力はどちらも強力無比。更に二人の戦闘能力は忠実に再現しつつ、しっかりと連携が取れるように調整がなされており、それに加えてチャレンジクエスト独自の仕様も使いされているため、その戦闘力とコンビネーションは本物のグランディネとミズファ以上と言えるかもしれない。
『それでは、バトル開始!』
「氷片弾」
誰よりも先に動いたのはグランティネだった。使用した技は大量の鋭い氷片を展開させ、それを飛ばして攻撃をする「フリーレンシュタイン」だが、その威力は生前のグランティネが使っていた「フリーレンシュタイン」よりも高く調整されているようだ。
「焔盾要塞」
無数の鋭い氷片は慌てず冷静にジェルメーヌが展開した巨大な炎の壁に防がれてジェルメーヌ達には届かない。
ミズファが衝撃を叩き込んで炎の壁を突破してくる可能性があったが、ジェルメーヌ達は攻撃に打って出る前に一旦このタイミングで作戦を立てることにした。
「グランティネとミズファ、どちらから狙いますか?」
「グランティネの奥の手の『時空凍結・大紅蓮』は『時間解脱魔法-クロック・エスケープ-』を使えば無効化できると思うのだけど、ミズファの振動の方は直接的な無効化方法がないのよね。だから、ミズファを討伐してからグランティネという順番で討伐した方がより安全に攻略できると思うわ」
ジェルメーヌの問いにリディアが答え、この瞬間にミズファから順に討伐するという作戦が決まった。果たして、その作戦は吉と出るのか凶と出るのか――。
「振動剣・震碎斬り!」
炎の壁目掛けて斬撃を放ち、震動にも匹敵する振動を放ってきたミズファだったが、その行動は予測済み。神速闘気を纏った上で俊身を使って素早く炎の壁の裏側から脱出し、五人同時に裏武装闘気で創り出した刀を構えて斬りかかった。
「「「「「ダークマター・ファルセダー」」」」」
武装闘気と神光闘気、闇属性の魔力を纏わせた斬撃を放ちつつ、諜報部隊フルール・ド・アンブラルの諜報員が習得している「フェイク魔法」に分類される闇属性魔法も同時に発動して一気にミズファを仕留めに掛かるジェルメーヌ達。
光系統属性耐性を低下させた後、暗黒物質を反転させたような明煌物質を勢いよく噴き上がらせるオリジナルの「フェイク魔法」に分類される聖属性魔法――「ホーリーマター・ファルセダー」と対を成す「ダークマター・ファルセダー」には闇属性耐性を低下させた後に暗黒物質を勢いよく噴き上がらせるという効果がある。この闇属性耐性の低下は加算式で効果を及ぼすため、大人数で発動すればするほど闇属性耐性の低下量が上昇する。
その恩恵を最大限受けられるように、「ダークマター・ファルセダー」の発動は寸分の狂いなく同時に行われた。チーム戦を想定した訓練の成果である。
流石に「ダークマター・ファルセダー」単体では撃破されなかったが、減少したHPでは弱点となった闇属性の魔力を纏った五人の斬撃を耐え切ることはできず、二回目の攻撃を放つ前にミズファは無数のポリゴンと化して消滅した。
「ミズファを倒した程度で調子に乗るな! 氷盾! 氷河地獄!」
ミズファを討伐したことでグランティネが自分が一人になった時の身に使用する技「ミズファを倒した程度で調子に乗るな!」を発動し、ATK、MAT、SPD、LUKが大アップさせる代わりに自身のDEFとMDFを超特大ダウンさせた後、自身のDEFを大アップし、攻撃を三回完全にカットするバリアを張った上で「攻撃を三回完全にカットするバリアを張る」のスキルカードを五枚設置する「氷盾」を発動した後、部屋全体に猛吹雪を発生させる「氷河地獄」を発動する。
体温低下による移動力低下と身体能力にほとんど行動不能になるほどのペナルティという強力なバッドステータスに加え、運が悪いと凍結のバッドステータスを付加する猛吹雪がジェルメーヌ達に襲い掛かった。
「ミズファを倒した程度で調子に乗るな!」の効果でLUKが上昇しているため、凍結効果はほぼ確定で作用する。上昇した魔法攻撃力も相まってパーティに壊滅的なダメージを及ぼす一撃と化した「氷河地獄」だったが、強引に治癒闘気を体内に巡らせることでジェルメーヌ達は猛吹雪を耐え切り、凍結のバッドステータスと行動不能のバッドステータスを最小限で食い止めた。
「障壁干渉」
「「「「「ホーリーマター・ファルセダー」」」」」
猛吹雪の中、フェアトリスが放った無属性バリア潰し魔法を合図に寸分の狂いもなく放たれた明煌物質がグランティネに襲い掛かる。
「ミズファを倒した程度で調子に乗るな!」の魔法防御力の特大低下が災いし、グランティネは光系統属性耐性の低下後の明煌物質の奔流を耐え切れず、無数のポリゴンと化して消滅した。
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◆2022年7月 月刊チャレンジクエスト
・【氷の大将軍】グランティネ
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名称:【氷の大将軍】グランティネ 属性:氷
HP:39,000,000 チャージまで五ターン DEF=MDF
通常攻撃
・氷片弾 敵単体攻撃(物理・威力大)
・七塊氷片弾 敵単体攻撃(物理・威力大・七撃・一撃一撃で狙いを定めて攻撃することができる)
・氷刃剣 敵単体攻撃(物理・威力特大+低確率で凍結のバッドステータスを付加)
・氷尖柱 敵全体攻撃(物理・威力大・必中攻撃)
・氷島降撃 敵全体攻撃(物理・威力超特大)
・氷盾 自身のDEFを大アップ+攻撃を三回完全にカットするバリアを張る+「攻撃を三回完全にカットするバリアを張る」のスキルカードを五枚設置
・氷再生 自身を大回復+ 「自身のHPを小回復」のスキルカードを十枚設置+自身にリカバリーを付加
・氷河地獄 部屋全体攻撃(魔法・威力特大+体温低下による移動力低下と身体能力にほとんど行動不能になるほどのペナルティ+低確率で凍結のバッドステータスを付加)
・氷軍隊 氷の兵隊を生み出す+「敵全体攻撃(魔法・威力特大)」のスキルカードを五枚設置
・氷域世界 敵単体攻撃(魔法・威力特大+確定で凍結のバッドステータスを付加) ※敵の近距離攻撃を受けた際のカウンター
・ミズファを倒した程度で調子に乗るなATK+MAT+SPD+LUKが大アップ+DEFとDEFが超特大ダウン ※エネミー≤1
チャージ攻撃
・時空凍結・大紅蓮 一定時間の時間停止
・氷嵐大将軍 (魔法・敵全体に0.00000000001%ダメージカットバリアを張る+威力超々特大+自身のATK大アップ+命中した相手に「魔法・威力超々特大」のスキルカードを100枚設置」)
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・【討夷将軍】ミズファ
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名称:【討夷将軍】ミズファ 属性:風
HP:39,000,000 チャージまで五ターン DEF=MDF
通常攻撃
・振動剣・震碎斬り 敵全体攻撃(物理・威力超特大)
・振動剣・震碎連続斬り 敵全体攻撃(物理・威力超特大・一撃、一撃、一撃、三撃)
・グランティネを倒したか! 気を引き締めて行かないとね! ATK+MAT+SPD+LUKが大アップ+DEFとMDFが超特大ダウン ※エネミー≤1
通常攻撃 自身の HP が0%から75%の範囲内でこの条件の実行回数が一回未満
・盛り上がってきたね! ATKを特大アップ+チャージカウントを最大にする ※次のチャージ技は確定で「振動剣・超震碎連続斬り」になる。
通常攻撃 自身の HP が0%から50%の範囲内でこの条件の実行回数が一回未満
・アタシをナメるんじゃないよ! ATKを超特大アップ+チャージカウントを最大にする ※次のチャージ技は確定で「振動剣・超震碎連続斬り」になる。
チャージ攻撃
・振動剣・超震碎斬り 敵全体攻撃(物理・威力超々特大)
・振動剣・超震碎連続斬り 敵全体攻撃(物理・威力超特大・一撃、一撃、一撃、三撃)
・振動剣・天地鳴動 敵全体攻撃(敵全体に0.00000000001%ダメージカットバリア+物理・威力超々々特大) ※戦闘開始から四十分経過した以降のチャージ技は全てこれになる
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それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。
※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。




