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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 6. フォルトナ王国擾乱〜戦闘メイドと逃亡癖のある大臣に転職した最強の漆黒騎士と副団長、自らの死の真相に挑みます〜

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Act.6-25 対帝国前哨戦〜フォルトナ王国擾乱〜 vs『怠惰』の枢機司教 scene.6 下

<一人称視点・リーリエ>


「そんなことさせると思った? 『暗号式<複製>』! からのぉ、一斉強制初期化(フォーマット)


 「サーチアンドデストロイ・オートマトンプログラム」に複製の「暗号式」を貼り付けて六掛け六マスに合体した「サーチアンドデストロイ・オートマトンプログラム」を九体になるように複製――それらを合体させて十八掛け十八の「サーチアンドデストロイ・オートマトンプログラム」から初期化(フォーマット)のビームを一斉に放つ。

 ビームは二千五百本もの不可視の魔手を猛烈な速度で削っていく。回り込もうとした魔手から優先的に消し飛ばしていくことで、スロウスの攻撃を封じていく。


 本数は増えたけど、条件は最初に《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》と初期化(フォーマット)のビームが激突した時となんら変わらない。つまり、スロウスは『鈍足の大罪(スローリー・シン)』を取り込んでなお、状況を好転させるには至らなかったということになるねぇ。


「『ワタクシの魔手が届かないというのならば、直接魔法で仕留めるまで。虚反属性(イマジナリー)魔法(マジック)月蝕爆散(イクリプスバースト)』」


 となると、次にスロウスが取るのは魔手のような直接攻撃ではなく、虚反属性(イマジナリー)魔法による座標攻撃。

 座標を指定して発動する魔法ならば、「サーチアンドデストロイ・オートマトンプログラム」に初期化(フォーマット)されずに攻撃することができる……けど。


焔という概念(フロスト・)を凍らせる焔(ブレイズ)


 「月蝕爆散(イクリプスバースト)」の混沌魔力の核を指定した座標に設定して、そこから周囲一帯を混沌魔力の爆発に巻き込む魔法――その混沌の魔力を「焔すらも凍らせる、あらゆるものを凍らせる異界の焔」で氷漬けにしてしまえば、もう魔法は発動できない。


「……あっ、なるほどねぇ。座標指定魔法なら確かに初期化(フォーマット)のビームを掻い潜ってボクにダメージを与えられるねぇ。偉い偉い……でも、それってブーメランだよねぇ?」


「『――ワタクシを虚仮にしたこと、後悔して差し上げますッ! 虚反属性(イマジナリー)魔法(マジック)月蝕劫火爆裂イクリプス・フレイムプロージョン』」


 今度は混沌の魔力と火属性魔法の融合技で混沌の炎の爆発を発生させてきたみたいだけど、紅羽が放った『神殺しの焔(レーヴァテイン)』を含む精霊術法の火球が混沌の炎の爆発に命中して混沌の炎を焼き尽くした。……まあ、非破壊物質(オブジェクト)でもなんでもない魔法の炎なら『神殺しの焔(レーヴァテイン)』で容易に喰らい尽くすことができるよねぇ。


「『か……『管理者権限・全移動』デスッ!』」


 魔法二発撃ったところで《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》があと僅かで全て初期化(フォーマット)されるってところまで到達したようだねぇ。

 当然、スロウスは『管理者権限・全移動』を発動して仕切り直してくる。……ただ、これで振り出しに戻った、訳じゃないんだよねぇ。ボクも少しずつデータを集めてきているんだよ?


「禁技時空魔法・時空歪壊ワールドタイム・ツイストコラプシス


 【万物創造】の効果で時空属性の使い捨ての指輪を顕現し、オリジナルの時空魔法の一つを発動する。

 「時空歪壊ワールドタイム・ツイストコラプシス」はヨグ=ソトホートを一度でも討伐することができれば獲得できる時空魔法神を最大まで育て上げることで獲得できる「時空崩壊ワールドクロック・コラプシス」と同種の魔法でその名の通り、狙い付けた空間の時空を滅茶苦茶に捻って消し飛ばすものなんだけど、これを《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》に発動してみると、普通に消し飛ばせたんだよねぇ……っていうか、もしかして《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》に「非破壊物質(オブジェクト)化」付与させるの忘れていた?


 あらゆる物質やエネルギーを持つ攻撃の無効化という強力無比な効果を持つ《万象劣化の魔手プロビデンス・オブ・オール・ディッケー》だけど、予想通り発動はその都度行われるもので、自動的に発動される訳ではないみたいだねぇ。つまり、ほぼタイムラグなしの座標攻撃に《万象劣化の魔手プロビデンス・オブ・オール・ディッケー》では対処することができない。


 それに、腕を吹き飛ばしてからも残り続けている時空の歪みも《万象劣化の魔手プロビデンス・オブ・オール・ディッケー》ではどうしようもないようで、《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》はこの時空の歪みを避けるように伸ばされていっている。つまり、《万象劣化の魔手プロビデンス・オブ・オール・ディッケー》に時間魔法や空間魔法のような単純なエネルギーを取り使わない魔法をどうこうする術はないということだねぇ。


 さて、もうこれで勝ったもの同然だねぇ。――次で仕留めさせてもらうよ、『怠惰』。



「『――いい加減にするのデス! 早くワタクシに『管理者権限』を渡すのデス! 怠惰、怠惰、怠惰ッ! 怠惰に生き、努力などという無駄の極みを続ける者達を嘲笑う。それこそが、怠惰! 怠惰、怠惰、怠惰ッ! ワタクシは努力などせず唯一神に至る『怠惰』の神! さァ、ワタクシに『管理者権限』を、与えるのデス! 全ては怠惰なる世界のためにィ!』」


「君がボクの『管理者権限』を取ったとしても、そんな何一つ策謀を巡らせる訳でもなく思考放棄の攻撃を続けているようじゃ、他の神に殺されて終わりだと思うけどねぇ。……ボクは創造主じゃない。この世界はハーモナイアに与えられた権利によって作られたものだけど、ハーモナイア一人のものでもなく、この世界に棲む全ての者達のものだと思っている。当然、この世界がハーモナイアの所有物となってしまい、それを許容できなかった君達はハーモナイアからその権利を簒奪した、その気持ちも分からない訳ではない。……結局、ボクはどこまで行っても部外者……いや、部外者の立場を貫こうとしていると言った方が適切かもしれないねぇ。自分のやった罪滅ぼしはするつもりだけど、それ以上のことをするつもりはない。ボクは創造主でもなんでもない、そうあるべきだと思っている、この世界に来てからずっと、今も。この世界は君達の物語だから……でも、もし君達がボク達の物語を害したのなら、結論は変わってくる。ボクやボクの家族(・・)を害そうとするものを許容できるほど、ボクは聖人君子じゃないんだよ? やり方を間違えていたとはいえ、ハーモナイアの気持ちは嬉しかった。彼女の気持ちに共感したし、彼女はもう一度やり直すチャンスを得るべきだと思っている。……君達はハーモナイアから力を簒奪し、その存在を完全に抹消しかねなかった。それは果たして、ハーモナイアのやった行いに釣り合っているだろうか? ボクはそう思わない。……ボクはこの世界に悪役令嬢ローザとして転生し、こんなボクのことを仲間として迎えてくれた大切な者達と、これからも物語を紡いでいく。その物語に君は――『怠惰』の枢機司教スロウスは邪魔だ。君にはボクの物語から消えてもらう、それが嫌ならばその前にボクを殺してみろ」


「『創造主、百合薗圓ッ! ワタクシはアナタを殺して真の神になるのデスッ! お望み通り、ここで終わらせるとしましょう! 《神の見えざる手インビジブル・ハンズ・オブ・ジュピター》!!』」


 伸びてくる二千五百本もの不可視の魔手。結局、最後まで芸のないワンパターンな奴だった。


「時間停止魔法-クロック・ロック・ストップ-」


 砕け散った指輪代わりの時空属性の使い捨ての指輪を顕現し、オリジナルの時間停止魔法を発動して不可視の魔手全てを停止させる。

 後はその魔手全てを初期化(フォーマット)するだけの簡単なお仕事。やっぱり、スロウスは時空魔法耐性を持っていなかったみたいだねぇ。


 全ての魔手を消し去り完全に時間が停止したスロウスに近づくと、スロウスの身体に触れて魔法を発動した。


真なる即死(トゥルー・デマイズ)


 『オーバーハンドレッドレイド:死の絶対支配者の大迷宮』でラスボスの死の絶対支配者ネオ・オーバーロード の討伐のラストアタック報酬として得られるイベント職の死の支配者が獲得可能な即死魔法の一つ、「真なる即死(トゥルー・デマイズ)」は神官系二次元職の施療術師が習得する死亡者のHPを一桁で復活させる「死者復活(リヴァイヴァル)」や神官系三次元職の施療神官が習得する全HPの半分の状態で復活させる「死者蘇生(レイズ・デス)」のような不完全な蘇生魔法では復活させることができない強力無比な即死魔法なんだよねぇ。復活させるためには四次元職が習得する蘇生魔法を使うか、死の支配者が習得する上級特技「生死天変スワップ・ライフ・アンド・デス」によって生死の概念をひっくり返した「真なる即死(トゥルー・デマイズ)」を使うしかない。

 この世界では一部の例外を除いて蘇生できない完全な死を与える恐ろしい魔法……の筈なんだけど、初期化(フォーマット)の方が恐ろしいせいで感覚が麻痺ってくるねぇ。


万象無ニ還ス靈劔(アメノオハバリ)


 スロウスの亡骸に触れて『管理者権限』のデータを抜き去った後、剣士系四次元職の剣帝の奥義を発動して一条、二条、三条、四条――無数に伸びた線状の斬撃が対象を貫く同時にスロウスを一瞬で消滅させる。

 これでスロウスは完全に滅んだ……まあ、データのバックアップがあれば復活できる世界だから安心はできないけど。


 さて……後は残りの雑魚の殲滅かぁ。ボク抜きでも問題なさそうだけど、一刻も早くくだらないこの首をもがれた蜥蜴との戦いを終わらせるためにもう一仕事しますか。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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