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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 5. ブライトネス王国ラピスラズリ公爵領発フォルトナ王国着の弾丸ツアー〜他種族との国交樹立とフォルトナ王国諸問題の解決という名の無理難題を七年以内に達成せよ〜

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Act.5-20 第一回異界のバトルロイヤル 一日目 scene.4 上

<一人称視点・リーリエ>


「十五時間で、ひーふーみーよー……残り十一人まで減ったか。……エリア広いし大丈夫だと思っていたんだけど、三日は流石に長すぎたねぇ……いくらポイント二倍と言っても三日目まで辛抱する人の方が少なかったみたいだし。この分だと今日中に決着ついちゃいそうだな……まあ、試合終了から時間加速が解除させれて丁度三時間経ったところで外に出される仕組みになっているから大丈夫なんだけどねぇ」


 ……しかし、居ないねぇ……溶岩島も他のエリアと同じくらいの広さに設定されていて、見気も全域まで届かないし、やっぱりボチボチ探すしかないか。


「まあ折角広い空間があるし、敵もいる訳だから少しくらい実験しても問題ないよねぇ?」


 丁度、実験台になってくれそうなヌル・マグマプリンも来てくれたからねぇ。


 試すのは魂魄の霸気。……えっ? お前の魂魄の霸気は《鏡》で、鏡写して自分が見た魂魄の霸気や自分が受けた魂魄の霸気を同レベルで自在に操ることができる能力だから誰の魂魄の霸気もコピーしていない状況じゃ使えないんじゃなかったのかって? お前、自分の能力の効果を忘れちゃったのかって? 失敬だねぇ……ボクは完全記憶保持者だよ?


 実は魂魄の霸気には【解釈】という概念が存在するみたいでねぇ……まあ、この【解釈】ってのは何か今の魂魄の霸気よりも先の段階とかでもなんでもなく、「ローザ=ラピスラズリの魂魄の霸気は《鏡》で、鏡写して自分が見た魂魄の霸気や自分が受けた魂魄の霸気を同レベルで自在に操ることができる能力」っていうボクの魂魄の霸気が、ボクの魂の形を【解釈】したってことなんだけど。

 だけど、小豆蔲の迅速闘気が、最早迅速闘気とは別物になっていたように、武装闘気や見気にもバリエーションがあるように、魂魄の霸気にも先があるんじゃないかと思ってねぇ。その結果、魂魄の霸気にも先が存在して、その先を見出す方法が【再解釈】と【拡大解釈】という二種類に分かれることが分かったんだよ……いや、色々と試した甲斐があったねぇ。


 【再解釈】とは、魂の形を更に解釈し直すということ。例えばボクは《鏡》の魂を持っていると【解釈】された訳だけど、【再解釈】を経てボクが持っている魂の像は《天照》ということが分かった……って天照って言われても分からないか。


 天照大御神は『秋津洲神話』の主神で太陽と鏡を司る女神で、一人称が「あーし」のピサチップス食べまくっているアマティラスではなくて……って、そんなことは知っているって?

 なんで魂の形が《天照》なのかって言われても返答が難しいんだよねぇ。……ボクの無意識的な性質が天照大御神に似ている……としか解釈のしようがないんだけど、ボクってどう見てもダークサイドだよねぇ? なんで太陽を司る記紀神話の神なのかな?

 《鏡》を【再解釈】した結果、《鏡》、《太陽》、《巫女》という三つの性質を有するということになって、その三要素を持つものが《天照》だから? 巫女……男の娘の巫女はあるけど、ボクって生贄に捧げられるタイプじゃないからねぇ。お姫様みたいに守られているキャラでもな…………そういえば、月紫さんに守られてばかりだったっけ。


 《太陽》ってのも微妙だけど、何かの暗示なのかな? ……そういえば、ボクを見て目が潰れたとか言っていた人がいたっけ? 全く心外だよねぇ? 勝手に目をつけて、勝手に目が焼かれたとか難癖つけて。本当嫌になっちゃうよねぇ……。

 ……えっと、何の話だったっけ? まあ、自分のことは自分じゃ案外分からないものだし、なんで《天照》になったとかは一旦置いておこう……うんうん。


 そして、もう一つ重要なのが【拡大解釈】。辞書的な意味だと「言葉や文章の意味を、自分に都合のいいように広げて解釈すること」ってことになるんだけど、まあそんな悪い意味じゃないからねぇ。

 要は連想ゲームかな? って【再解釈】も連想ゲーム的なところがあるんだけど。例えば、【拡大解釈】によって《鏡》は鏡写して自分が見た魂魄の霸気や自分が受けた魂魄の霸気を同レベルで自在に操ることができる効果の他に、無数の鏡を生み出す《八咫鏡》を有することになって、《太陽》は太陽と光線を顕現する《金烏》と黄金の烏の像を顕現する《八咫烏》へと分化した……って、八咫烏は太陽の象徴とされているし、金烏は「日に鳥がいる」という伝承に見られる想像上の烏だし……ああ、だから太陽を司る《天照》なのか? ……うーん、分からなくなってきたなぁ。


「――《天ツ巫女姫》」


 《天照》の《巫女》としての側面を顕現する。

 黒百合をイメージした『黒百合之姫礼装リリー・プリンセスライン』が消え、古代の巫女服風の衣装が現れた……『黒百合之姫礼装リリー・プリンセスライン』が消滅したとかじゃなくて、魂から生み出された衣が『黒百合之姫礼装リリー・プリンセスライン』と切り替わったってところかな? 《巫女》を解除すれば元の『黒百合之姫礼装リリー・プリンセスライン』に戻るだろうけど。


「――《八咫鏡》』


 次に無数の鏡を空中に顕現して……。


「――《金烏・天磐戸開き》」


 両掌の間で生み出した光線を鏡の一つに向かって放った。

 光線は鏡に反射され、更に別の鏡に反射し、乱反射を重ねた末にヌル・マグマプリンに命中――消し飛ばす。…………凄い威力。

 本来なら火属性に光や炎って相性が悪いんだけど、属性に関してはそのままなのにヌル・マグマプリンにも通用するんだねぇ、まあ魂魄の霸気だから通常の光じゃないってことじゃないかな?


「一先ず調査完了だねぇ……さて、これからどういう方針で行こうかな? 流石に三日になるまで待ってたら、先に数が減ってポイント獲得できなくなりそうだからねぇ……よし、真面目にプレイヤーを探そう!」


 《天ツ巫女姫》の効果で空に飛び上がると、特に行く宛がある訳でもないから、とりあえず溶岩島のゴールがある「溶岩の海の洞窟」を目指すことにして、東方向に向かった。



<三人称全知視点>


 ――ローザの予想を遥かに上回る速度で戦場は加速していく。


 溶岩島に目を向ければ、ゴール「溶岩の海の洞窟」に程近い地点ではラインヴェルドとバルトロメオが、西側に目を向ければシモンとメリダが邂逅を遂げ、白雲世界ではミーフィリアとプリムヴェールが、ヴェモンハルトとイスタルティがそれぞれ邂逅していた。また、ヴェモンハルト達のすぐ側には転移したアクアとディランもいる。


 まるで、運命が早期の試合終結を望んでいるかのように、続々と強敵同士がぶつかり合う状況が生まれていた。


 まずはラインヴェルドとバルトロメオ――兄弟対決の戦いから見てみよう。


「おう、バルトロメオじゃねぇか。珍しいカッコいい服着てんな……羨ましいぜ」


「……そういう兄上こそ珍しい(・・・)な。てっきりもっとポイントを獲得していると思ったが、未だに一ポイントのままとは、驚いたぜ」


「柄にもなく迷ってな(・・・・)。どっちに行けばいいのか分からなくなっちまったんだよ。だから、お前が来てくれたのは嬉しかったぜ……二ポイント目を獲得できるんだからな」


「負けるつもりは更々ないぜ? 俺だって軍務省の長官だからな。兄上と違って実戦にもきっちり参加しているんだぜ?」


 そこで会話は一度途絶えた。これ以上長話をしていても意味はない――語るならば戦闘の中で語るべきだと互いに戦闘準備に入ったのである。


 ラインヴェルドは『ノートゥンク』と『真なる王の剣ソード・オブ・ジェニュインレガリア』を構え、対するバルトロメオは『コールブランド』と『深海のダガー』を構えた。

 二人は同じ二刀流だが、そのスタイルはバルトロメオの剣の片方がダガーであるからか、大きく異なっている。

 二人が使うのは同じ王室剣技ダイナスティー・アーツだが、二人の手札が違うこともあり、全く同じ戦闘スタイルにならないことは容易に想像がついた。


「【大海嘯】!!」


 先手を取ったのはバルトロメオだ。『溟渤のコート』のスキルを発動させて大量の水を生み出し、ノックバックとAGIの低下……つまり、移動速度を低下させる津波を発生させる。


「おっ……と、随分と飛ばしてくるじゃねぇか!! 楽しくなってきやがった!! 《転移》」


 が、その津波はラインヴェルドに当たらない。当たらなければノックバックもスロウも発生しない。


「随分と厄介な攻撃手段を手に入れたみてえだなぁ!!」


 いつの間に少し高めの黒い山に転移していたラインヴェルドが、水が引くのを待って再びバルトロメオの前に姿を現した。

 どうやら、転移した先で聖紋を開放して二刀に宿し、その上から光と焔の魔法と武装闘気と覇道の霸気を纏わせたラインヴェルドが全力を出せるスタイルにしてきたらしい。


「……それが、兄上の魂魄の霸気か?」


 ラインヴェルドの足元に転がっている見覚えのない白い羽の意匠が施されたナイフに一瞥を与え、バルトロメオが尋ねる。


「まあ、流石に気づくよな。俺の魂の形は《転移》みたいでよ、光から作り出されたような七千七百七十七本の白い羽の意匠が施されたナイフを使い、ナイフから別のナイフがある地点に転移することができるみたいなんだ。まあ、昔から俺は自由に憧れていた。自由の身じゃなかったからこそ、城を抜け出して冒険者として活動してみたり、若い頃は自由を求めたものだ。まあ、その自由への憧れ……いや、渇望が今の俺にもあったってことだな! ……さて、俺の切り札――《蒼穹の門(ディヴァイン・ゲート)》は教えてやった。次はお前の番だ、バルトロメオ! お前の魂を見せてみろ! そして、俺をクソ笑わせてみやがれッ!」

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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