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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-455 ファンデッド伯爵領にて〜ファンデッド伯爵家とルーセント伯爵家の顔合わせ〜 scene.16

<一人称視点・リーリエ>


 レイチェルシーナが従魔になったことを確認した後、ボクはレイチェルシーナと共に迷宮の最奥部に移動する。

 ちなみに、名前は勿論変更せずにレイチェルシーナ・ξ・ラビュリントのままだよ。


 名前(NAME):レイチェルシーナ・ξ・ラビュリント

 種族(SPECIES)洌刀魔剣師カレント・ブレイドマンサー妖精剣士フェアリー・ソードマスター迷宮統括者(ギア・マスター)

 所有(owner):リーリエ

 HP:18,000,000

 MP:43,000,000

 STR:30,000,000

 DEX:45,000,000

 VIT:35,000,000

 MND:31,000,000

 INT:32,000,000

 AGI:49,000,000

 LUK:40,000,000

 CRI:10,000,000

 ▼


『マスター! 容赦が無さ過ぎますよ!! もうトラウマものです!!』


「……殺さないようにかなり加減していたんだけどねぇ。本気でやったら、もっと大変なバトルになっていたと思うよ?」


 大袈裟に「怖かった!」と騒ぎ、睨んでくるレイチェルシーナにジト目を向けると、レイチェルシーナは震え上がった。

 ……解せぬ。


「最下層の財宝は後で回収するとして、まずは迷宮のシステムを管理する魔法陣の方に案内してもらいたい。変更点は全部で三つ。一つ目は迷宮外部へ魔物が氾濫しないように設定を変更、二つ目は迷宮内の設定に関して今後一切の改竄を禁止する設定、そして三つ目が迷宮に挑戦する者を個別に記録し、各々が討伐した魔物の数に応じて個別に最下層で報酬を受け取れるようにする設定だ」


 一つ目は従来通りだねぇ。これでファンテッド領が魔物の氾濫に悩まされることは無くなるだろう。

 二つ目はレイドゾーン『大穴の果てへの参道』に適応したものと同一のものだ。これに関しては悪意あるものが設定を変更するリスクを考え、それぞれの迷宮でも同様の措置を取ってもらっている。


 最後の設定も念の為だ。多種族同盟加盟国の戦力の強さは大幅に強化され、高難易度大迷宮(レイドダンジョン)も攻略される可能性が出てきた。

 そうなると、やはり攻略によって手に入る財宝を巡って問題が生じることになる。


 ただ高難易度大迷宮(レイドダンジョン)を攻略しただけでは財宝は手に入らない。財宝の正体は討伐した魔物のドロップアイテムだからねぇ。

 そして、迷宮を一度攻略すると、そのパーティや個人が財宝は総取りすることになってしまう。後少しで攻略できるというところまで来ていたパーティが攻略直後に最下層まで辿り着いても手に入る財宝は微々たるもの、最悪の場合は無しという結果になる。


 それに、他のパーティも魔物討伐に貢献しているからねぇ。だから、誰にでも平等にチャンスがあるように討伐数を個別に記録し、その討伐数に応じた量の財宝を手に入れることができるという形式に変更することにした。

 まあ、設定の変更ができない未攻略の迷宮に関してはどうしようもないから最初の攻略者が総取りできるルールが維持されるんだけどねぇ。


『今のように、迷宮を攻略した者がそれまでに倒された魔物のドロップアイテムを総取りできる形から、それぞれの挑戦者の努力に応じたドロップアイテムが得られるように条件を変更すれば良いのですね。魔物の再湧き(リスポーン)の時間についてはどうなさいますか?』


「流石に再湧き(リスポーン)の時間はそのままでいいよ。再湧きを待つのも良し、討伐されたタイミングを見計らって先に進むも良し、どういう選択をするかも迷宮探索の醍醐味だからねぇ」


『承知致しましたわ』


 さて、レイチェルシーナに迷宮の再設定もしてもらったし、迷宮攻略の報酬を回収してラインヴェルド達に声を掛けてからファンデッド伯爵邸に戻ろうかな?

 まずは今回のお楽しみ、迷宮攻略の報酬の確認だ。ボクの予想が正しければ、大規模戦闘(レイド)名物のレア物の素材がある筈だけど。


 ……うーん、目ぼしいのものは無かったか。ドロップアイテムリストを確認させてもらったけど、残念ながら今回はドロップしてくれなかった。

 これ(・・)はきっとアルマ先輩の悩みを解決する切り札になってくれるだろうから期待していたんだけどねぇ。……仕方ない試行錯誤するとしようか? 幸い時間なんてものはいくらでも捻出できる。


 しかし、本当に良いタイミングで迷宮が出現したよねぇ。アルマ先輩の日頃の行いが良いからかな?



<一人称視点・アルマ=ファンデッド>


 圓様は迷宮から帰還されてすぐに厨房に向かわれました。

 迷宮統括者(ギア・マスター)と呼ばれる強力な魔物との戦いを終えたばかりにも拘らず、いつもと変わらない様子なのは流石という他ありませんね。


 そして、夕餉の予定時刻である午後七時となりました。

 圓様はスペシャリテ級のフルコースの準備を終えられてから転移魔法でファンデッド伯爵邸を離れられました。恐らく、スペシャルゲストを呼びに行くためでしょう。


 圓様と入れ替わるように、迷宮に赴いていたラインヴェルド陛下、クレールさん、デルフィーナさんが戻ってきました。ちなみに、迷宮で合流したルイーズ様達はそのままビオラ特殊科学部隊の拠点に戻られたそうです。

 個人的には、ファンデッド伯爵領を危機から守ってくださった皆様に直接お礼が言いたかったのですが、致し方ありませんね。後ほど、圓様にお礼を伝えると共に、彼女達にもお礼の言葉を伝えてもらえるようにお願いしましょう。


 ……そして、夕餉の時間となりました。いえ、夕餉の時刻になってしまいました、と言った方が正しい表現かもしれません。

 覚悟していたとはいえ、緊張で胃が痛いです。


 圓様は王太后様と王妃殿下、ニーフェ離宮筆頭侍女様を連れてファンデッド伯爵邸へと戻ってきました。

 これは非常に常識的な話ですが、一貴族のパーティなどではない私的な食事の場に王族が参加するなど前例がありません。……いえ、圓様によればラピスラズリ公爵家の夕餉の席に国王陛下を始め王族の方々が参加されたこともあるようですし、滞在期間中には国王陛下も我が家で食事をとられていたので前例がない訳ではないのですが……国王陛下に関してはあまりにも規格外で常識というものが通用しないお方なので例外中の例外として私の中では処理しています。


 ですが、王妃殿下や王太后様といった常識や良識を持ち合わせた王族の方が夕餉の場に参加されるというのは、やはり国王陛下やバルトロメオが参加するのとはまた別の意味を持つのだと思います。

 国王陛下が参加された夕餉の席はそれはそれで別の意味で緊張したのですが、それとはまた違った緊張感があります。


 国王陛下と接して少しだけ王族への耐性がついてきたお父様、お義母様、メレクもかなり緊張していますし、ルーセント伯爵夫人やオルタンス嬢まで緊張の面持ちをしています。

 平静と変わらないのはクィレル様くらいでしょうか? 後、バルトロメオは別の意味で震えているようですね。まあ、今回は国王陛下の暴走が目に余っただけでバルトロメオは別に何も悪いことをしていませんから、もしもの時は助け舟を……いえ、そのようなこと、畏れ多くてできませんね。もしもの場合はバルトロメオのことを見捨てましょうそうしましょう。


「ファンデッド伯爵家の皆様、ルーセント伯爵家の皆様、本日はお招きありがとう。今日はファンデッド伯爵家とルーセント伯爵家、両家の良好な関係を確認する場だったのよね。そのような日にお邪魔をすることになって、本当に申し訳なかったわ。でも、私やカルナの訪問を受け入れてくれてとても嬉しかったわ。私もファンデッド伯爵家の皆様に直接お礼を言いたかったの。アルマさん、皆様、愚息バルトロメオのことを受け入れてくださり、本当にありがとうございます」


 おっ、王太后様が頭を下げられました! お父様もお義母様もメレクもどうして良いか分からずパニックになっていますし、私も内心パニックです。

 ですが、同時に光栄なことでもあります。母としてバルトロメオと私の婚約を祝福してくださる、それはとても喜ばしいことですから。


「おっ、王太后様、王妃殿下、あまりおもてなしはできませんが……」


「うふふ、ファンデッド伯爵。そんなに緊張しなくても良いのよ。今日は公式の場ではないわ」


「メレク、お母様もこういっているんだし、そう緊張するなって」


「……ラインヴェルド、貴方はもっと緊張感を持って暮らすべきだと私は常々思っているわ。圓様の助力をもらい、貴方の行いの一部始終を全て見させて頂きました。……分かっていますね」


「なっ、なんのことやら? おい、親友! 圓! お前から証言してくれ!!」


「…………???」


「……ラインヴェルド様」


「かっ、カルナ!? なんでそんな他人行儀なんだ?」


「…………ファンデッド伯爵家の皆様とルーセント伯爵家の皆様、圓様とそのご友人の方々に掛けたご迷惑、私もしっかりとこの目で見させて頂きました。……流石にあのような傍若無人な振る舞い、幻滅してしまいますわよ」


「……そん、な……」


 膝から崩れ落ちる陛下ですが……これ、絶対反省していない奴ですよね。また、絶対にやらかす奴ですよね!!

 圓様も王太后様も王妃殿下も揃って隠す素振りすらなく溜息を吐いています。……日頃の苦労が垣間見える瞬間ですね。


「ファンデッド前伯爵、ファンデッド前伯爵夫人、ルーセント伯爵、それぞれ思いはあるのでしょう? ですが、少々問題児ですが、私の可愛い息子の晴れ舞台、私も是非その晴れ舞台に花を添えさせて頂きたいと思っているわ。圓様が折角美味しい料理を用意してくださっているようだし、食事をしながらゆっくりと議論を深めていきましょうか?」


 王太后様はにっこりと微笑んでいますが……今日の夕餉は荒れそうですね。

 折角の圓様のスペシャリテ、できればじっくり味わいたかったのですが……。


 王妃殿下は国王陛下の隣に座りました。一見すると仲睦まじいように見えますが、実際は暴れ馬を側で監視する調教師のようですね。

 王太后様はクィレル様の目の前に座られました。……圓様を除いて最大の敵はやはりクィレル様だからでしょうか?


 ジェルメーヌさん、クレール様、デルフィーナ様、ニーフェ様は席には着きません。使用人が同じテーブルについてはならないというルール故ですが、先日までは国王陛下のご厚意もあって同席の許可をもらえました。……ですが、流石に王太后様と王妃殿下がいらっしゃるのに、それは難しいでしょうね。


「ファンデッド伯爵、一つ許可を頂きたいことがあるわ。ニーフェにも食卓に着く許可を頂きたいの。彼女は私の友人なのだけど、なかなかこういった機会はないの。今日は非公式の場、またとない機会だから、私の友人にも圓様の料理を食べてもらいたいのよ」


「えぇ、勿論です」


「では、ボクからもジェルメーヌさん、クレールさん、デルフィーナさんの着席許可をもらえないかな?」


 ということで、席に着席しないのは圓様だけとなりました。……何故、この場で最も地位が高い圓様が座らないのかさっぱり分からないのですが。


「あら? 圓様、貴女は座らないの?」


「まあ、こっちの方が気が楽ですし、味見で正直お腹いっぱいでして……流石に今回はダブル結婚式に向けたお話が優先ですので給仕役はファンデッド伯爵家の使用人の皆様とうちの料理人補佐(・・・・・)にお願いしました。それでは、ボクのスペシャリテ、とくとご賞味あれ!!」

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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