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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 4. 緑霊の森のエルフ至上主義者達と暗躍する神々

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Act.4-5 ローザ一行の初遠征と、三つのクエスト scene.5

<一人称視点・沫雪>


「まあ、大して勿体ぶる話でもないんだよねぇ……ランキング一位は闇辻さんっていうんだけど、彼って前世のボクのところで庭師統括をしていた狙撃手の斎羽勇人さん……つまり、ボクの銃火器の師匠なんだよ」


「「「「「「「「「「「「「「『――ああ、なるほど』」」」」」」」」」」」」」」


 お分かり頂けたみたいだねぇ……まあ、師匠なんだし、普通は勝てるとは思わないよねぇ。実際、あの人は銃に愛された天才だから逆立ちしたって一生勝てないだろうけど。


「……ところで、その沫雪殿のアカウントはどれくらいの強さなんだ? 丁度ここに水晶玉があるから試してみてくれないか?」


 ミーフィリアから手渡された水晶玉……これ、懐かしいねぇ。冒険者ギルドで強さ判定に使われたものだ。

 そういえば、ミーフィリアとスザンナが共同開発したんだっけ?


 手渡された瞬間に既にピキッとヒビが入った……まあ、アネモネの時と同じ結果だねぇ。


「驚いたな……冒険者ギルドから連絡を受けた後に改良を施したのだが……。ちなみに、もう一つ水晶玉があるのだが、リーリエのアカウントでも試してみてくれないか?」


 と言ってもう一つ水晶玉を取り出すミーフィリア……どこから取り出したのって思っていたら、空間魔法が掛けられたポシェットを持っているのか。……確か、『スターチス・レコード』の中で希少アイテムとしてデザインした記憶があるねぇ。


 リーリエにアカウントを切り替え、水晶玉に触れた瞬間、内部からエネルギーが溢れるように爆発して水晶玉の欠片が飛び散った……怖っ。


「驚いた……ヒビが入ると聞いたことはあるが、爆発飛散するという事例は聞いたことがない。やはり、リーリエ殿は別格ということか」


「まあ、状況証拠的にはその推理で正しいとボクも思うよ」


 というか、それ以外に理由が思い当たらないし……。


「つまり、アネモネ達と沫雪は大体同格で、リーリエだけは別格ってところだな。分かりやすくて助かるぜ」


「まあ、全アカウントでどれに一番愛情を注いだかって話になったら断トツのリーリエだからねぇ。やっぱり最初に作ったゲームのキャラだから特別なんだよ」


 ディランの問いに答えながら手を動かしてみる。――やっぱり、身体に一番馴染むのはリーリエだねぇ……ローザの身体よりも。

 もしかしたら、百合薗圓の身体以上に……って、流石にそんなことはないか。でも、あの身体ってちょっと重かったからねぇ。リーリエだと本当に身体が軽いし。……流石はカンスト転生勢の身体??


 その後は、夕食会は八時頃まで続き、それから男女別の風呂テントで入浴して睡眠を取るという流れになった。馬鹿な男共が女湯に突撃しようとしてきたり、アクアに返り討ちにされたり、そのアクアが鼻血を出して湯船で撃沈したり、七星侍女(プレイアデス)が『お姉様はやっぱり美しいわ❤︎』ってボクの身体を性的な意味で食べちゃいそうな顔をしていたり、他の女性陣も何故かうっとりボクの身体に見惚れていたり……まあ、基本的には特に問題もなく次の日になった。……ところで、朝起きたらボク用に用意したテントの前で使節団メンバーのほぼ全員がテントに張っておいた「護光結界」付近で撃沈していたけど、一体何があったのかな? ……なんとなく想像がつくけど。


「よっ、親友。どうしたんだ? そんなところで」


「……ファント…………桃源郷には入れなかった、よ……」


「……だろうな」



<一人称視点・アネモネ>


 二日目。八脚軍馬(スレイプニル)の脚力で通常ではありえない速度の旅をしてきたおかげでブライトネス王国の最東端――ダヴァルットの街に到達した。

 三つ目の依頼「護衛クエスト:ミーラン街道に出没する盗賊から商隊を護衛せよ」は、ここから国境を越えてフォルトナ王国の最西端――シルフスの街まで商隊を護衛すること。……まあ、国境に出現する盗賊から商隊を守れって話だねぇ。


 国境ということで、警備は徹底されている筈なんだけど、両国の兵士がいくら目を光らせたとしても限界がある。それに、このミーラン街道はブライトネス王国とフォルトナ王国の貿易の要所――そりゃ、危険と分かっていても狙うよねぇ……。

 特にこのミーラン街道のブライトネス王国―フォルトナ王国間はルート上に大きな山が鎮座していて、見通しも悪い……そこに隠れていれば、簡単に奇襲を仕掛けられるって寸法だねぇ。……まあ、それって最早盗賊っていうより山賊っていうイメージだけど。


 さて、このダヴァルットの街で商隊と合流することになっているけど、その前に冒険者ギルドで終わった依頼を片付けておこうかな? ということで――。


 ギルドに向かったんだけど……まあ、酷い。砂埃と汗臭さ、酒と料理の匂いが入り乱れ、超嗅覚持ちなら即死しそうだねぇ。しかも薄汚い。

 おまけに扉もガタガタ、そもそも基礎からガタガタでダメな施工業者に依頼したのか、将又普段やり慣れていない人が思いつきで日曜大工したのか、はっきり言って王都のギルドとはくらべものにならないほどの劣悪な環境……舐めているの?


「アネモネさん、普通はこんな感じなんですよ。王都の冒険者ギルドが綺麗だったのは、まあ、王都だからですし、更にアネモネさんに魔改造されていますから。辺境に行けば行くほど環境は悪くなりますし、ギルド内での犯罪や嫌がらせの数も比例して多くなっていくものです。……ということで、ご不快かとは思いますが、くれぐれも絡んできた冒険者を壁まで吹き飛ばしてギルドを壊したり、床にめり込ませたりしないでくださいね!!」


 あ〜、ターニャが言うと妙な説得力があるねぇ。実際に仲間(?)という名のダメ男共を目の前で吹き飛ばされたり、床にめり込まされたりしているからねぇ。


「ボクは無抵抗主義者じゃないからねぇ。それは、絡んでくる人に言うべきじゃないのかな?」


「……あっ、ダメだこれ。ジャンローさん、ティルフィさん、ハルトさん! アネモネさんを止めますよ!! 俺達四人で頑張れば――」


「無理だな」「無理ですね」「無理です」


 全く心配性だねぇ……別にまだ冒険者ギルドが半壊すると決まった訳ではないんだよ? まあ、向こうさん次第だけどさぁ。


「……こ、こうなったら、俺だけでも……例え俺の命と引き換えにでも」


「そんなゴミのために命張らなくてもいいと思うけどねぇ。男尊女卑の差別主義者とかにさぁ……」


 と言いながら、「大丈夫大丈夫」ってノリで手をあげて「絶対に大丈夫じゃないだろ!!」っていう仲間の視線を一点に集めながら列の最後尾に並んだ。

 ちなみに、ヴァケラー達は「なんでラルさん達を呼んでこなかったんだろう?」って後悔しているみたいだけど、三人とも残酷だし、ペストーラはともかくラルとスピネルはボクが暴れ始めたら追加参戦すると思うよ? ボクと同じで「馬鹿な男がボコボコにされるのは自業自得」ってタイプだからねぇ。


「おうおうおう、随分なべっぴんさんが来たなぁ! だが、そんな細腕で本当に剣なんて握れんのかぁ? 所詮はごっこ遊びだろ? なら、俺が社会の厳しさってのを教えてやるぜ!」


「「「「「早速、馬鹿が湧いた!?」」」」」


「と、とにかくギルドから一時避難だ! アネモネさんなら流石に俺達を巻き添えにしてこないだろうけど、ブチ切れて大技を放ったりされたら流石に拙い!! というか、普通に死ねる!!」


 血相を変えて次々とギルドから逃走するヴァケラー達……普通は加勢するところだよねぇ? 仲間なんだし。


「ヴァケラーさ〜ん、ちょぉ〜とお待ちなさ〜い」


「――はっ、はい!!」


 条件反射的に止まってヴァケラー。そして、止まってしまって「しまった!?」という表情をするけど、時既にお寿司……じゃなかった、遅し。

 ちなみに、他の四人はとっくの昔に脱出してしまっている……残念、逃げ遅れちゃったねぇ。


「この冒険者の方にちょっと絡まれまして、なんでも、社会の厳しさを教えてくれるみたいなのですよ。まあ、十中八九この場で決闘した上でお持ち帰りを狙っているんだとは思いますが、正直慰み者にされるのは御免被りますし、ちょっと多勢に無勢なので本気を出しちゃおうかと思いまして。まあ、後学のために見学してはいかがでしょうかと思いまして他の皆様は逃げてしまったようで、本当に残念ですが、どうですか、観戦。何か新しい戦い方とか思いつくかもしれませんよ」


「……アネモネさんの戦闘を見ていて今まで勉強になった試しがありませんが(スケールがデカすぎて絶対に真似できないので)……分かりました。どうせ喧嘩は向こうが売ってきたので、ギルドの不手際と先に仕掛けてきた冒険者側の責任ということで、アネモネさんならきっちり落とし所に持っていくでしょうし……まあ、ギルドマスターが頭すっからかんじゃないことを祈りましょう。それじゃあ、アネモネさんに挑もうなんて馬鹿なお考えの皆様、どうぞ死なない程度に頑張ってくださ〜い」


 「やってられねえよ」という表情で椅子の一つを陣取って酒場から軽いつまみ(ちなみに塩が効いた茹でた枝豆)とエールを注文して飲み始めていた……えっ、まさかの飲まねえとやってられねえぜ、って奴??


「あぁ、随分な態度じゃねえか、この女はお前の連れか? 精々目の前で凌辱されるのを見ているんだな」


「あ〜、まずアネモネさんを殺すには超越者(プレイヤー)以上の実力は必要なようですし相手を殺さずに、となければそれ以上に実力の差が必要ですから……そういうことは、アネモネさんがよく挙げるヨグ=ソトホートくらいの実力がないと無理なんじゃないかな。まあ、束になってそれくらいの実力があればアネモネさんを組み伏せて……なんてこともできるんじゃないんですかね? まあ、怖くて想像すらしたくないですけど。……というか、アネモネさんから完全に笑顔消えているし、いつの間にか何か背中にとんでもない武器背負っているし……はっ、十本? 『銀星ツインシルヴァー』も入れて十二本……えっ、十二刀流!? そんなのありなのか!?」


 状況を分かっているのはどうやらヴァケラー一人みたいだねぇ。

 さて、ぶっつけ本番の十二刀流……上手くいくといいなぁ。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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― 新着の感想 ―
[一言] > おまけに扉もガタガタ、そもそも基礎からガタガタでダメな施工業者に依頼したのか、将又普段やり慣れていない人が思いつきで日曜大工したのか、はっきり言って王都のギルドとはくらべものにならないほ…
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