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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-416 ペドレリーア大陸・ラスパーツィ大陸臨時班派遣再始動〜ビオラ・スクルージ商会戦争〜 五章〜アルマトゥーラ商会と、アンルワッフェ侯爵への謁見〜 scene.2

<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・グラリオーサ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン・レインフォール>


 それから、ボクは『這い寄る混沌の蛇』とのファーストコンタクトとなった枢機卿アンブラル=グレルストンとの戦いから現在の臨時班の活動に至るまで『這い寄る混沌の蛇』との戦いの全てを話した。


「まさか、ペドレリーア大陸以外にも『這い寄る混沌の蛇』の関係者がいるとは。……圓殿はそのアンブラルとヴィオから得られた情報を基にペドレリーア大陸に渡り、プレゲトーン王国の革命騒ぎの解決に尽力されたのですね」


「先ほども話した通り、ボク達はミレーユ姫殿下達では解決が厳しいシナリオ外のイレギュラーな部分に限り助力を行った。そして、その方針は今も変わってはいない。――グリューエグさんはライズムーン王国に大きな亀裂を走らせることとなる第二王子殿下による国王陛下毒殺事件を阻止するために、万が一の場合に備えてボク達に協力を求めるつもりだったんでしょう? だけど、その求めには応じられない。……あの事件はリオンナハト殿下にとってもジェファーズ殿下にとっても良い成長の機会となる。ゲームの記憶を持つイレギュラーが、あんまり干渉し過ぎてその機会を奪うのはどうかと思うよ?」


「――つまり、それは圓様はジェファーズ殿下が凶行に及ぶことを知っていながら阻止するつもりはないということですか!?」


「そう殺気を向けなさんなって……ソフィスさんがブチギレたら止めるのが大変だからねぇ。……例の毒殺事件を実行するかどうかはこの世界のジェファーズ殿下が決めることだ。まあ、そうなった場合でも最悪の事態にはならないように人員は揃えて挑むつもりではいるよ。……まあ、連中の動きが早まっているから最後のピースであるイエローダイアモンド公爵令嬢の力は借りられないし、その辺りは別の人員で補填する予定だけど」


「では、圓様は積極的にはシナリオを変えないように行動するものの『ダイアモンドプリンセス〜這い寄る蛇の邪教〜』のライズムーン王国篇のトゥルーエンドに進んでいくように環境は整えるということですね。……個人的には事前に起きることを知っているのであれば、そもそも毒殺事件が起こらないように動きたいものですが」


「……個人的にはお二人にも毒殺事件阻止のために動いてもらいたくはないけど、それを決めるのはグリューエグ閣下とカルパッチョさん。君達二人がボクに協力を強制できないように、ボクも二人の行動を止める権利はない。……まあ、でも、それ以外の部分であれば協力することはできる。今回の件で火閻狼(カ・エンロウ)は落としておきたいし」


「『蛇の海〜絆縁奇譚巻ノ一〜』への流れを考えると、ここで火閻狼(カ・エンロウ)を倒すべきではないと仰るかと思いましたが……そういえば、タイダーラって既にえっと、なんでしたっけ? 変な名前の組織に討伐されたんでしたっけ?」


「互助倶楽部『綺羅星の夢』――『管理者権限』を巡る戦いに追加参戦した厄介な者達だよ。元『這い寄る混沌の蛇』の関係者も何人か鞍替えして参加していてねぇ、タイダーラを討った三人のうち一人は『這い寄る混沌の蛇』の冥黎域の十三使徒というゲームには登場しなかった幹部クラスの直属の部下だった。組織の全貌は見えていないけど、現段階でボクは『這い寄る混沌の蛇』よりも更に数段上の危険度だと見積もっているよ。討ち取ったメンバーもいるけど、その中には『管理者権限』を持つ神も含まれていたくらいだからねぇ」


「……しかし、シナリオに干渉しないっていう割に圓様も相当干渉しているじゃないですか? 生徒会選挙――青の試練なんて最早別物ですよ!」


「あの件はラングドン先生が余計なことをしてくれたからねぇ。……重要なのはイベントの起こり方ではなく、その中身だ。ミレーユ姫殿下とリズフィーナ様にとって成長の機会になるのであれば、多少難易度が上がっても問題ないと考えているよ」


「……いや、最早これは難易度が上がるとかそのレベルを超えているのでは?」


 カルパッチョとグリューエグが先程見せた後の試練――生徒会選挙の一部始終を思い出して「どうやったらこんな流れになって、こんな結末でミレーユ姫殿下の勝利になるんだよ!?」と言いたげな顔になっているけど、それ、ボクじゃなくてラングドン教授のせいだからねぇ!! 文句は直接ラングドン教授に言ってもらいたいものだよ。


「……つまり、ここまでの話を纏めると圓様と多種族同盟はミレーユ姫殿下達物語の主要キャラの成長のために基本的に物語のシナリオを大きく逸脱するような行動はせず、異世界化によって生じたミレーユ姫殿下達では対処が厳しい部分にのみ対処する。ただし、それを我々にまで強要することはせず、我々が第二王子殿下の凶行を止めようとしても見逃してくれるということでよろしいでしょうか?」


「カルパッチョさんの理解に相違はありません」


「……まあ、『這い寄る混沌の蛇』に関する情報を提供して頂けたのと、第二王子殿下の件に関しては黙認してもらえるという言質をもらえたのですから、我々にとってはプラスの話だったということになるのでしょうか? 個人的には圓様の助力は頂きたかったですが……」


 カルパッチョからボクの話を聞いていたグリューエグは今回の面会に相当期待していたんじゃないかな? ……なんだか、期待を裏切るような真似をして申し訳ない気持ちになるけど、ボクにはボクの譲れないスタンスがあるからねぇ。


「では、『這い寄る混沌の蛇』の情報も提供し終えましたし、そろそろアンルワッフェ侯国を訪れた本当の目的を果たしましょうか?」


「……そういえば、圓様が我が商会を訪れた理由を聞いていませんでしたね。いったいどのようなご用件だったのですか?」


「もう既にカルパッチョさんは把握していると思うけど、スクルージ商会との間でトラブルが発生してねぇ。近いうちにペドレリーア大陸の経済界に悪影響を及ぼすような状況になる可能性が浮上している。そこで、騒動が起こる前にペドレリーア大陸にあるスクルージ商会以外の商会を訪問し、迷惑料を支払っているんだ。アルマトゥーラ商会を訪問したのもその一環だったんだよ。ということで、この麻袋、受け取ってもらえますよねぇ?」


 もう既に二件連続で断られているからねぇ……もうそろそろ受け取ってもらえないとなんで訪問しているのか分からなくなってくるよ。


「圓様がお支払いになることではないと思いますが……それを言うなら、支払うべきは先に喧嘩を吹っ掛けたスクルージ商会です。……ですが、そういう顔をされると受け取らない訳にはいきませんね。分かりましたから、圧掛けて来ないでください!! 受け取りますッ!! 受け取りますから!!!」


「あっ、それとこれはあくまでフェルミ推定で試算した額だから足りなかった遠慮なく言ってねぇ。計算ミスした分の迷惑料も含めて追加で払うから」


「あっ……それは流石に大丈夫です。というか、貰い過ぎですから!!」


 別に支払うと言っているんだから素直に受け取ればいいと思うんだけどねぇ。

 その後、ボクは念の為に連絡用のスマートフォンをカルパッチョに提供した後、ソフィスと共にアンルワッフェ侯国を後にした。



 四つの巨大商会を巡り終えた日から一週間が経過した。

 他の中小商会も全て訪問し、シーワスプ商会とヴィクスン商会以外の全ての商会の長に金貨の入った麻袋は渡せたのでスクルージ商会との激突前に終わらせておきたかった準備は九割型終わったということになる。


 ここから先、ボクにできることはほとんどない。

 スクルージ商会が打ってくる手に対して、最良の一手を瞬時に模索して打ち、スクルージ商会を自滅に追い込んでいく――それが、今回ボク達が取る作戦だからねぇ。


 勿論、そのための準備も水面下で進めている。……流石にスクルージ商会相手にここまでするのは少しやり過ぎな気がしないでもないけど、やるからには徹底的に、というのがボクの主義だし、今後のこと(・・・・・)を考えても利点はある。

 ……まあ、実際に使うかどうかはスクルージ商会の打ってくる手次第なんだけどねぇ。


 そういえば、ラスパーツィ大陸の方もそろそろ例の件が動き出しそうな感じなんだっけ? 予想していた以上に掛かったけど、あちらの任務もこれでお終いになるだろう。

 ……もしかしたら、スクルージ商会との戦いの前に良い報告が聞けるかもしれないねぇ。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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