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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-227 新年最初の多種族同盟会議と王女宮の通常業務再開 scene.1

<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・グラリオーサ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


 新年のお祭り騒ぎも一月四日には少し落ち着き、多種族同盟の各国も通常業務に戻る。

 それに合わせて正月三ヶ日に止まっていた多種族同盟の業務も再開され、一月四日の午前には早速多種族同盟の会議が行われた。


 主な会議の内容はオルゴーゥン魔族王国と魔法師ギルド『不死鳥の尾羽(フェニックス)』の多種族同盟加盟承認の採決と、新たな時空騎士(クロノス・マスター)の承認。

 どちらもいつも通り反対票無しの満場一致で承認され、議論が紛糾することも特に無し。……何というか、ボクが決めたんなら反対する必要ないんじゃないかみたいな風潮が強いよねぇ。別にボクって多種族同盟で一番偉い人って訳でもないし、しっかりと反対意見を言ってくれていいんだけどねぇ。


 残る会議の時間は前回の会議以降に判明した一通りの情報を確認し、それを踏まえた方針の説明に費やした。

 最近のマリエッタの動向、新年祭でラインヴェルドと会話をしたというシャッテンからもたらされた情報、そして今後敵として確実にボクらの前に立ちはだかる『紫焔の悪神鳥(フェイニクス)』のギルドマスターであるカズワリオ=フィシオロゴスについて。


 といっても、最も比重が置かれたのはシャッテンからもたらされた情報なんだけどねぇ。それも、事前にメールで時空騎士(クロノス・マスター)や多種族同盟加盟国の重鎮達には連絡を入れたからあくまでおさらい程度の簡単な説明をするだけに留めた。


「シャッテンとラクツに関してはボク達が想定していた次のブライトネス王国を舞台とした戦争――ボクの断罪を引き金に巻き起こる戦争に照準を定めているってことが判明したから、しばらくは放置でいいと思う。問題は奈落迦媛命(ならかひめのみこと)……所属は今のところ分からないけど、互助倶楽部『綺羅星の夢』か『這い寄る混沌の蛇』の二択の可能性が高い。そして、『這い寄る混沌の蛇』だった場合は……」


「次のペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸の臨時班で敵対する可能性があると親友は考えているんだな?」


「ラインヴェルド陛下の仰る通りだよ。まあ、想定していた以上にハードな臨時班になりそうだけど、今回の件を受けて増員は予定していない。今の時点だと奈落迦媛命をボクが請け負えば済む話だからねぇ。まあ、一人じゃ無理そうだったらラインヴェルド陛下とかオルパタータダ陛下とか霸気を使える方々の力も借りようかな? とは思っているけど……」


「よっしゃ! その時は俺達に任せろ!」


 ラインヴェルド達は確かに強い……んだけど、正直、あの伝説の奈落迦媛命を相手にとなるとちょっと心配が残る。その心配を払拭してくれるくらいもっと強くなってくれることを期待しよう。

 臨時班の再始動までしばらくあるし、臨時班が始動してすぐに対決の機会があるとも思えない。そう考えるとまだまだ時間があるからラインヴェルド達多種族同盟の上位陣達も今以上に強くなっている筈だ。……流石に真聖なる神々(プレーローマ)のクラスはまだ任せられないと思うけど。



<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・グラリオーサ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


 午後からは多種族同盟会議を受けての書類仕事。

 魔法師ギルド『不死鳥の尾羽(フェニックス)』は宗教団体や冒険者ギルドのような一組織として参加だから四人分の『時空(ソード・オブ・)魔窮剣(アビス=ソトホート)』を手渡して解散で済むけど、オルゴーゥン魔族王国の場合は国としての参加だから色々とやらなければならない仕事が多い。


 アスカリッドとエリーザベト、オルゴーゥン魔族王国の宰相でもあるハイゲインを筆頭にオルゴーゥン魔族王国の魔王軍の文官達二十名、そしておまけとして連れてこられたオルレオスが内宮の会議室に集められ、各国から集められた文官達と共に書類仕事を進めていく。

 といっても、各国の文官達はいつもより人数が少ない。……まあ、大多数の国の仕事始めと重なっているからねぇ。アーネストやミスルトウ、メアレイズなどの各国の文官の頂点達も午後からは正月三ヶ日に溜まってしまったそれぞれの国の仕事と格闘している最中だろう。


 一方、ボクはというと多種族同盟会議に参加後に三千世界の烏を殺して一月四日の朝に転移して王女宮筆頭侍女としての職務に励んでいる。

 正月休みを終えたスカーレット達王女宮の侍女達も今日から通常業務で王女宮にはまた活気が戻ってきた。あの静謐とした王女宮も好きだけど、この賑やかな王女宮もボクは好きだねぇ。


 プリムラもスカーレット達もお土産話に花を咲かせる一月四日はスロースタート。

 まあ、いきなりいつも通りに戻るのは大変だし、今日くらいは新年に溜まった疲れ(休みの後に疲れ? って思うけど、帰省したら帰省したで疲れるのはボクも分かっている。それに、プリムラの新年祭の行事で疲れていると思うからねぇ)を取る意味も込めてゆっくり業務を進めていけばいいんじゃないかな?

 プリムラの授業再開は明日を予定しているし、本当の意味で通常業務に戻るのは明日から。


 ヴィオリューテが提出した課題の方も目標のレベルに達していたし、お茶や料理などの苦手分野の克服も含めた王妃教育レベルの淑女教育もいよいよ今年から侍女の職務と並行してやっていくことになる。

 ヴィオリューテは確実に去年以上に大変な日々を送ることになるけど、今日くらいはゆっくりと久々の王女宮での時間を堪能してもらいたいねぇ。


「……ソフィスさんは帰省せずに王女宮で仕事をしていたんだよね? それなのに……その書類の山? 新年早々大丈夫なのかな?」


 ジャンヌが心配そうに見つめる先には堆く生まれた書類の山。

 「そんなに頑張らなくてもいいんだよ?」って言ったのにボクの忠告を無視して、王女宮筆頭侍女の執務室の机の上から強奪されてしまった大量の書類だ。


 三ヶ日の新年祭シフトで仕事がかなり溜まっている。その仕事を少しでも減らそうとラインヴェルド、ディラン、バルトロメオ、アーネストを中心に一部の仕事をボクの方に流してもらっていたんだけど、その一部をソフィスに強奪されてしまった。……ボクとしてはソフィスにもゆっくりと休んでもらいたかったんだけどねぇ。


「新年祭の午後に半休を頂きましたので大丈夫ですわ。とても幸せな時間を過ごすことができたのでパワーが漲っています!」


「そう……大丈夫ならいいのだけど」


「……ソフィスさん、ジャンヌさんの忠告を聞いて少しは休まれた方がいいのではありませんか? 明日からはまた通常シフトですし、今日くらいですよ、ゆっくりできるのは」


「それをローザ様が仰られるのは少し違うような気がしますわ。ソフィス様もですが、ローザ様もです!」


「この書類の山が片付きましたら少しだけ休憩しますわ」


「この書類の山が片付きましたら、ローザ様と一緒に少し休憩させて頂きます」


「……結局、全ての仕事を終わらせる気満々じゃない」


 ヴィオリューテ達にジト目を向けられるけど気にせず書類と格闘する。……いや、既に割り当てられた仕事だからねぇ? できませんでしたって返す訳にもいかないでしょう?



 通常業務に戻ると言いつつも少しだけ祭の後の余韻が残る一月四日も終わり、今日から王女宮も通常業務に戻る。

 午前にはまたボクの担当する授業があり、午後からプリムラは神学の授業、ソフィス達は通常業務、そしてヴィオリューテはいよいよ今日から淑女教育を受けることになる。


 授業は週三回、丁度月曜日から始まって水曜日、金曜日という形で行っていく。……まあ、流石に毎日だと侍女業に支障が出るからねぇ。

 割合は侍女の仕事と淑女教育が半分半分(勿論、適度に休憩を挟んで行うよ。無理は禁物だし、急ぐことでもないからねぇ)。


 ただ、いきなり淑女教育を始めても仕方がないから初日はまずヴィオリューテの現状を把握することから始めた。

 ダンス、刺繍、料理、お茶淹れ……などなど一通りやってもらうと、ダンスや刺繍といった貴族令嬢の嗜みは一定の水準に達していた。まあ、一応ヴィオリューテって侯爵令嬢だから当然と言えば当然なんだけど。


 一方、料理とお茶についてはヴィオリューテの証言通り全滅で、卵を割れば普通は絶対あり得ない謎の効果音と共に怪生物を生み出す、料理を作れば紫色のポイズンクッキングが完成し、お茶を淹れればゲーミング色の謎の飲み物が完成し……うん、厨房を借りて実践してもらっていたんだけど、メルトラン達料理人と一緒に「これ、一体何がどうなっているんだ?」って混乱状態になったよ。


 まあ、これも一種の才能。料理系暗殺者として生計を立てていく道もあるけど、ヴィオリューテの目標はまともな食事とお茶の用意ができるようになることだし、一つ一つ検証を重ねてヴィオリューテのポイズンクッキングの正体を解明していくとしましょうか。

 ……うん、ゲーム時代にもボツ設定の中にもこんな設定は無かったからこのイレギュラーな才能(?)の解明にはかなり興味があるんだよねぇ。


 メルトランが「信じられねェ。あれをどうにかできるとローザ様は本気で思っているのかよ? 俺なら全力で振りかぶって匙をぶん投げるレベルだぜ」って顔をしているけど、こういう無理難題の方が燃えるよねぇ? えっ、それはお前だけだろうって? 本当にそうかな?

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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