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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-220 臨時班の再始動と三大闇ギルド同盟の崩壊(3) scene.2

<一人称視点・アネモネ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・グラリオーサ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


 少し遠回りするルートで『幻界魔狼(マルコシアス)』のアジトへの入り口がある山小屋を目指す。

 捕捉した『不死鳥の尾羽(フェニックス)』のメンバーに接触するためだったんだけど、四人は絶賛魔物達とバトル中で「ちょっと来るタイミングが悪かったかな?」って回れ右して先に『幻界魔狼(マルコシアス)』のアジトに向かおうとしたらボク達の方にも魔物が……。


「おい、お前達の相手は俺達だぞ! ――ッ! アイシクル・スクリー」


「ああ、ご心配なく。この程度の相手に遅れを取るような者はこの臨時班にはいませんので。――圓式比翼」


「ふむ、あまり強い魔物はいないようだが数だけは多いようだな。帝釈天雷(インドラ)


『アメテュストゥス・ショット!』


氷槍雨アイシクル・ランス・レイン!」


雷鳴閃刀ドンナー・シュヴェーアト!」


 フリオが得意魔法の「氷王の叫吼アイシクル・スクリーム」で遠距離から魔物を凍らせてくれようとしたみたいだけど、それを遮ってボクは双剣を抜き払って圓式の斬撃を放って纏めて魔物を撃破。他のメンバーもそれぞれの方法であっという間に魔物達を全滅させた。

 まあ、数が多いだけで魔物一体一体はそこまで強く無かったからねぇ。


 ボク達が呆気なく魔物の群れを全滅させたこと、そしてこの辺りでは見かけない者達であること、この二つが『不死鳥の尾羽(フェニックス)』の四人の警戒に繋がったらしい。……まあ、得体の知れない危険人物だよねぇ、傍目から見れば。

 氷魔法をいつでも発動できるように準備するフリオ、「武装瞬換術」で召喚した刀を構えるシャルル、黄金の炎を腕に宿らせるジャッロ、雷撃を拳に纏わせるゼルドマン。……いや、仮にもギルドマスターなんだし、ゼルドマンは若い魔法使い達を留めて話し合いで解決するべき場面じゃないかな? ……まあ、解決って何をって状況だけど。


「初めまして、『不死鳥の尾羽(フェニックス)』の皆様。こんな状況で言われてもすぐに納得はできないと思いますが、私達は貴方達の味方です。……多分。敵対する理由がないですし、私達には皆様の疑問に応える用意があります……流石に全てに応えられると確約はできませんが」


「……こういう時は多少誇張しても全ての疑問に応えますというべきところではないだろうか?」


「トーマス先生、ボクにも限界がありますからね?」


 一応、警戒は解けた……のかな? とりあえず、話は聞いてみようという姿勢にはなってもらえた。

 いきなり「この世界は三十のゲームが融合した世界です」なんて言っても絶対に理解してもらえないから、まずは『不死鳥の尾羽(フェニックス)』の四人(と言いつつ、ほとんどがゼルドマンとシャルルの二人から。フリオとジャッロはこういう頭脳系のことが少し苦手な二人だからねぇ)の質問に答えていく。そこから少しずつ情報を広げていき、最終的にはこの世界の秘密の一部と彼らの置かれている状況について予測を述べる。……まあ、この辺りは正直憶測でしか言えないことなんだけどねぇ、何でこのタイミングでこの四人だけがユーニファイドに来ているのか、とか今のボクに分かる訳がない話だし。


「……俄には信じれんが、儂らの世界の人間でなければ知らぬ『不死鳥の尾羽(フェニックス)』のギルドメンバーや三大闇ギルド同盟の詳細について語られてしまえば信じるしかないな」


「しかし、あの『六魔修羅道(グラズヘイム)』と『冥王の心臓(デーモン・ハート)』を壊滅させたのか!? 凄ぇな!!」


「たった五人で……いくら情報があって手の内が分かっていても難しいんじゃないか? 『六魔修羅道(グラズヘイム)』なんて複数のギルドと組んでようやく倒すことができた闇ギルドだったんだぜ」


「……フリオ、ジャッロ、それよりも我々が倒した筈の『六魔修羅道(グラズヘイム)』と『冥王の心臓(デーモン・ハート)』と戦ったということがおかしいと思うのだが。……あの二つの闇ギルドは我々が壊滅させたのだぞ?」


「シャルルさん達は『幻界魔狼(マルコシアス)』との戦いの最中にこちらの世界に召喚されたんだよねぇ? まあ、これを召喚というべきらなのかは判断に困るけど。オーロ戦で使い方を知る『神の焔(オーロ・フィアンマ)』をジャッロさんが使っていることからも少なくとも『冥王の心臓(デーモン・ハート)』との戦闘は既に終えている状況だと推測できる。でも、シャルルさん達がそのタイミングで召喚されたからと言って他の闇ギルドが同じタイミングで召喚されたと断定できる証拠はどこにもないよねぇ? 恐らく、『六魔修羅道(グラズヘイム)』と『冥王の心臓(デーモン・ハート)』は『不死鳥の尾羽(フェニックス)』と交戦する前のどこかのタイミングから召喚されたんじゃないかな? 一人も欠けていない『六魔修羅道(グラズヘイム)』と『冥王の心臓(デーモン・ハート)』と交戦したし」


「――ってことは親父とも戦ったのか!?」


「『神の焔(オーロ・フィアンマ)』をジャッロさんに渡してくれって頼まれたけど、もう既に継承が終わった後だったみたいだねぇ。まあ、『神の焔(オーロ・フィアンマ)』はありがたく頂いておくよ」


『……プリムヴェールさんがマグノーリエさんと話していたところを偶然聞いたのだけど、結構呆気なく跡形もなく消し飛ばしたのよね? その『神の焔(オーロ・フィアンマ)』も継承される前に古代竜エンシェント・ドラゴンの魔法で吸収したものだったのよね? ……貴方なら屍人であるオーロさんを何らかの形で生き返らせることくらいできたんじゃないかしら?』


「アメジスタさん、随分と人聞きの悪いこというねぇ。まあ、ほとんど事実だから反論の余地もないんだけど。一つは復活の機会を与えたけど拒否られてしまったから。相手の意思を尊重せず復活させるのはちょっと違うからねぇ。もう一つはシャッテンさんの暗躍の話を聞いていたから。……あの人はねぇ、戦力を揃えるのが恐ろしいくらいに上手なんだと思う。まだ相見えていないから、あくまで得られた情報を総合した個人の感想なんだけどねぇ。……あの人がオーロさんなんていう重要な戦力を見逃す筈がない。高確率で他の討伐した『六魔修羅道(グラズヘイム)』や『冥王の心臓(デーモン・ハート)』の面々と共にボク達に牙を剥くだろう。その時にジャッロさんが説得するなり何なりすればいい……あの人にはボクの言葉は到底届かない、届くとしたら息子であるジャッロさんのものだけだからねぇ」


「……そうか、今度は親父を救える可能性も、あるのか?」


「まあ、次復活する時は屍人としてではなく生前のオーロさんとしての復活になると思うからねぇ。……あの人の蘇生魔法は一度しか復活させられないという制限がなければぶっ壊れというくらいの滅茶苦茶なものだし、任意の時点の姿と能力での蘇生が可能だから、きっと生前の最も脂の乗った時代を再現されると思うよ」


 ……まあ、この辺りは実際に戦ってみないことには分からないけどねぇ。シャッテンと会話したらしいラインヴェルドの証言から、シャッテンがボクの設定した固有魔法をそのまま持っているとみてまず間違いないことは分かっているけど……どうもそれだけじゃ腑に落ちない点もあるし、何かしらボク達の知らない能力を獲得している可能性は高いよねぇ。「ボク達に恨みを持つ強力な残留思念を見つけ出せる能力」みたいな。


「この世界で暮らしていくための拠点の提供とか、今後の『不死鳥の尾羽(フェニックス)』の立ち位置の決定とか……多種族同盟への所属をどうするかとか、この世界でギルド活動をするならその際に起きそうなトラブルへの対処のために事前に決め事もしておかないといけないし、まあ、色々とやらないといけないことはあるけど、最優先なのは『幻界魔狼(マルコシアス)』との戦いだよねぇ? 『不死鳥の尾羽(フェニックス)』も『不死鳥の尾羽(フェニックス)』にボコボコにされて随分と腹に据えかねているんじゃないかな? どう? ボク達と組んで『幻界魔狼(マルコシアス)』と戦う気はない?」


「そう来なくちゃな! 俺も『幻界魔狼(マルコシアス)』にはでかい借りがあるんだ! このまま負け越しのまま知らないうちに全滅させられていましたって聞くのは嫌だしな! 俺と同行させてもらうぜ!」


「『幻界魔狼(マルコシアス)』との再戦か! 燃えてくるな!!」


「準備をせずにいきなり攻めるのは少々無鉄砲にも感じるが、既に『六魔修羅道(グラズヘイム)』と『冥王の心臓(デーモン・ハート)』を五人で特段の準備もせずに討伐した実績がある五人がいるならば無茶でもないように思えてくる。私も賛成だ」


「……いや、メンバーはボク以外入れ替えているからねぇ。ただ、どのチームも一定の基準以上のメンバーを揃えているし、総合力的にはあんまり変わらないと思うけどねぇ」


「圓さんがいるならそれ以外の戦力ってほとんどおまけなんじゃないかしら?」


「汀さん、ちょっと卑屈じゃないかな? ヴァレンシュタインさんは多種族同盟に関わってから日が浅いからまだまだこれからだけど、汀さんはブライトネス王国戦争を経験しているし、おまけ扱いされる戦力じゃないと思うよ。それに、ボクだけだと限界を感じる戦いがこの先増えていきそうだしねぇ」


 求道神や覇王神の力を使うとバトルにどうしてもタイムリミットが生じる。……真聖なる神々(プレーローマ)や『救済の魔女(ナユタ≠カナタ)』みたいな掛かり切りになってようやく倒せる相手がこの先新たに出てこないとも限らない。

 戦力増強は急務だ。ボク一人が強くてもそれでどうにかできる状況はとうの昔に過ぎ去っている。……だから、最近はあの手この手を使って時空騎士(クロノス・マスター)達の向上心を高めようと努力しているんだよ。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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