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百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜  作者: 逢魔時 夕
Chapter 9. ブライトネス王立学園教授ローザ=ラピスラズリの過酷な日常と加速する世界情勢の章〜魔法の国事変、ペドレリーア大陸とラスパーツィ大陸を蝕む蛇、乙女ゲームの終焉〜

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Act.9-161 謁見の場において――オルレアン教国使節団との交渉。 scene.2

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト・ライヘンバッハ・ザール・ウォルザッハ・インヴェルザード・ジードラバイル・ヒューレイツ・グラリオーサ・ビオラ=マラキア・クレセントムーン>


「今、挙げた国の中にオルレアン教国は入っていないけど、勿論、オルレアン教国にも是非多種族同盟の中に入ってもらいたいと思っているよ。じゃあ、具体的に多種族同盟に入るとどのようなメリットがあるのか、また逆にデメリットはあるのか? そういった話をさせてもらうよ。まず、先程も述べた通り、多種族同盟に加盟後も多種族同盟がオルレアン神教会に対して何かしらの制限を掛けるつもりはないし、もし、そういったことをする連中がいるなら教えてくれれば対処するよ。ペドレリーア大陸はオルレアン神教会の影響下にあるから彼らを味方にして交渉を優位に進めるってことも可能だとは思うけど。……うちって議決とかあんまりしないから関係ないかな?」


「思い付いたら即行動って感じだしなぁ」


「ラインヴェルド陛下やオルパタータダ陛下がせっかち過ぎるからねぇ。ただ、加盟する場合はオルレアン神教会影響下全体での加盟ではなく、オルレアン教国単体の加盟となる。そして、加盟した時点で内部の国は少なくとも多種族同盟下においては対等な扱いになる。小国か大国かというのはあんまり関係ない気がするねぇ、その辺りは。強いて言うなら、君主のキャラが強い方が影響力が増す感じかな? 実際、ラインヴェルド陛下、オルパタータダ陛下、エイミーン陛下の影響力は他の国の文官達を胃痛で悩ませるレベルだからねぇ。強いて言うなら、コイツらに振り回される可能性があるってのがデメリットの一つかな? 他にデメリットがあるとすれば、多種族同盟が国際互助組織であるということ。結局、中心核にあるのは助け合いの精神だからねぇ。一方的に力になって欲しいみたいなことは許されない。他の多種族同盟加盟国が困っていたら参戦する……もし、この理念に違反するような場合は除名、場合によっては多種族同盟の総力を上げて潰されてもらう。メリットはその裏返し、自国だけでは解決できない問題に直面した時、他の多種族同盟加盟国が助けてくれる。逆に多種族同盟に加盟していない国の場合は例え、民が苦しんでいたとしても遠慮なく見捨てさせてもらうよ。こっちも慈善事業でやっている訳じゃないんでねぇ。後は通商に関してだけど、多種族同盟加盟国以外とビオラ商会合同会社は取引するつもりがない。まあ、ビオラと取引したいと願うならフィートランド大公領まで足を運んでもらえばいいんだけどねぇ。お伝えした通り、そちらの許可が頂けるなら留学の期間のみ『這い寄る混沌の蛇』との戦いという一点でのみということであるけど協力させてもらいたいと思っている。こっちも、人質取られているんでねぇ、このまま放置って訳にもいかないんだ。それ以後は君達の好きにするといい。多種族同盟に加盟するも良し、加盟しないという選択肢も良し。確かに自国は守られるかもしれないけど、加盟することによって他国の問題の解決のために尽力しなければならない状況になることもあるからねぇ。そんなことやってやる筋合いはない、自分達の国は自分達で守る! っていうのも別にアリだと思うんだよ、ボクは。是非、ダイアモンド帝国、オルレアン教国、ライズムーン王国、プレゲトーン王国、騎馬連合国――ペドレリーア大陸の国々には自分達の手で自分達の未来を決めてもらいたい。ボク達の総意はこんなところかな? 別に加盟しなくたってボク達は一向に困らないし」


「フォルトナ=フィートランド連合王国、ニウェウス自治領、神嶺オリンポス、ブライトネス王国、ビオラ=マラキア商主国、クレセントムーン聖皇国、翠光エルフ連合王国、ユミル自由同盟、ド=ワンド大洞窟王国、エナリオス海洋王国、風の国ウェントゥス、ルヴェリオス共和国、ラングリス王国、ヴァルドーナ=ルテルヴェ市国、ムーランドーブ王国、魔法の国――宗教系含めずとも既に十六国による同盟、ここに冒険者ギルド、黒百合聖女神聖法神聖教会・中庸枢軸教会の総法導皇と四人の天法導皇、フォティゾ大教会といった巨大勢力が加わるんだから、既に一大戦力って感じだよなぁ。まあ、味方は多いに越したことはねぇ」


 実際にはフォルトナ=フィートランド連合王国はフォルトナ王国と旧フィートランド王国の二国分、翠光エルフ連合王国は緑霊の森とマウントエルヴン村国、ヴァンヤール森国の三国だから統廃合される以前の面々を考えると挙げられている以上に多いんだけどねぇ。


「なるほど、多種族同盟にとってはオルレアン教国が加わっても加わらなくてもどちらでも構わないということか」


「まあ、後々『何故、我々には加盟する権利がないのだ! 加盟することを選ぶ権利がないなんて不平等だ!』みたいなことを言われたくないからねぇ。どっちでもいいってのが本音だよ」


「恐らく、他の国にも選択を突きつけたのだろう? そして、これだけの国が加盟する選択をした。多種族同盟の理念そのものは理解できる、己が助けて欲しいならば己も力を困っている者に貸さなければならぬ、当然の真理だ。……問題は自国の民が危機に晒される可能性だが、既にペドレリーア大陸は『這い寄る混沌の蛇』という危機に晒されている。……デメリットもそれ以外にはなく、話を聞く限りメリットは大きい。今日、実際に会って話をして確信した。オルレアン教国は多種族同盟に加盟するべきだと……だが、今はその時ではない」


「オルレアン神教会の影響は良くも悪くも大きい。オルレアン教国が加盟することを決めることで加盟することを強要されたと勘違いして多種族同盟に加盟する国が現れることを危惧しているんでしょう?」


「その通りだ。お主達もオルレアン教国に追随する形での多種族同盟加盟は不本意なのだろう? ならば、我々の答えは先ほど述べていたダイアモンド帝国、ライズムーン王国、プレゲトーン王国、騎馬連合国――大国がそれぞれ答えを出した段階で出させて頂きたいと思う」


「元々、学園で起こると予想される騒動が片付いてから本格的に意思を問いたいと思っていた話だからねぇ。……本当はこのタイミングで答えを出さなくても良かったんだけど」


「フォルトナ=フィートランド連合王国からの留学生についても勿論受け入れよう。具体的にどのような者達が留学するのだ?」


「一人目はスドォールト伯爵令嬢でフォルトナ=フィートランド連合王国の統括侍女であるミナーヴァ=スドォールトさんの娘であるリーシャリス=スドォールト伯爵令嬢。二人目はエーデヴァイズ侯爵家の分家筋であるオーデルヘルム伯爵家の長兄でフォルトナ=フィートランド連合王国の第二王子の補佐役として期待されているガラハッド=オーデルヘルム伯爵令息。この二人はダミーの留学生……っていう風に捉えてしまうかもしれないけど、二人とも将来有望な方々だからねぇ。ボクは真っ当な方の留学生として捉えているよ」


「……真っ当な留学生、ねぇ」


「ボクとソフィスさんは真っ当な留学生として留学する気はないからねぇ。ボクはいいとしてもう一人はソフィス=アクアマリン伯爵令嬢。……ただ、別の立場と姿を使って潜入させてもらうよ」


 この潜入のためにボクは二つのアカウントを用意した。

 一つはボク用に、もう一つはソフィスの潜入用に簡易版の『管理者権限』をソフィスに渡した上で作成したアカウント。


 ボクとソフィスは同時にアカウントを切り替え、潜入用の姿を謁見の間にいる面々に見せる。

 青み掛かった銀髪に、琥珀色の瞳。究極調整体アルティメット・ドリーカドモンのデータを使っているから均整の取れた身体で絶世の美貌を持っている。


 ボクはセミロング程度の髪の長さで、ソフィスはロングの髪をツーサイドに結っている。

 容姿な姉妹という設定だからかなり似ている。まあ、一卵性双生児みたいにそっくりっていうことはないんだけどねぇ。


「潜入中はこの姿でボクはエイリーン=グラリオーサを、ソフィスさんはエルシー=グラリオーサをそれぞれ名乗らせてもらう。フォルトナ=フィートランド連合王国からの女子留学生のでグラリオーサ辺境伯兼宮中伯家の令嬢姉妹という肩書きを名乗るからよろしくねぇ。ちなみに、このグラリオーサ辺境伯兼宮中伯家はフォルトナ=フィートランド連合王国に実在する。この留学に伴って偽の肩書を用意したいと申し出たタイミングでオルパタータダ陛下から押しつけられてねぇ。まあ、その辺りはリズフィーナさん達には関係ない話か。一応、正体は留学初日にプレゲトーン王国の一件で関わったミレーユ姫殿下、ライネさん、マリアさん、リオンナハト王子殿下、カラックさん、アモン王子殿下に明かすつもり。ルードヴァッハさんとディオンさんにも手紙で報告しておこうと思っているよ」


 リズフィーナを含めればこれで主要人物は網羅したことになると思う。フィリイスやそれ以外の面々はミレーユ達の裁量に任せるってことでいいんじゃないかと思っている。まあ、あんまり情報を広げたら別の姿と肩書き用意した意味がなくなるんだけどねぇ。


 その後、リズフィーナから留学に関する説明や留学当日に必要なことなどを聞き(まあ、学院都市セントピュセルに関する知識は当然持っているから、ソフィス、リーシャリス、ガラハッドへの説明がメインだったけど)、リズフィーナ達をオルレアン教国に転移させた後、ボクとソフィスはブライトネス王国に戻った。

 お読みくださり、ありがとうございます。

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 もし何かお読みになる中でふと感じたことがありましたら遠慮なく感想欄で呟いてください。私はできる限り返信させて頂きます。また、感想欄は覗くだけでも新たな発見があるかもしれない場所ですので、創作の種を探している方も是非一度お立ち寄りくださいませ。……本当は感想投稿者同士の絡みがあると面白いのですが、難しいですよね。


 それでは、改めまして。カオスファンタジーシリーズ第二弾を今後ともよろしくお願い致します。


※本作はコラボ企画対象のテクストとなります。もし、コラボしたい! という方がいらっしゃいましたら、メッセージか感想欄でお声掛けください。

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