東出プロローグ
投稿遅れてすいません
俺は東出忠臣。今年で17になった。
最近歩いた記憶がほとんどない。少し太ってきたかも。メガネのブサメンだ。
今は一応高校生になる。でも学校には言ってない。
中学時代はそこそこ人気者で親父に塾通わさせられてたから勉強も出来た。
おかげで結構有名な私立進学校にトップクラスの成績で入学できた。
これが俺の人生の華だった。
俺はこのとき初めてスマホに出会った。
今までゲームなど親はさせてくれなかった。
俺はこの世界に熱中した。夜も寝ずに。
勿論、成績はスプラッシュマウンテン並みに落ちたし。親にもあきれられた。
しかし、ゲームの世界で俺は生きと誓った。
もう現実世界なんてどうでもいいや!
永遠に家にパラサイトしてやる。
俺をこんなにしてくれた。あっ、これは悪い意味じゃなくて良い意味で。
神ゲー「フィスタブル・スターダスト・ファンタジー」略して「フィスタ」の最新作
「フィスタブル・スターダスト・ファンタジーⅧ 悲しみと追憶の鎮魂歌」
が発売されることにた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
パフ!!パフ!!!
正直、二年待った。初期の発売予定日から約、一年後の発売。
正直最初はぶちきれそうになったが、まあいい。
「当、鳥居ゲーミングスは今作品「フィスタブル・スターダスト・ファンタジーⅧ 悲しみと追憶の鎮魂歌」の更なるクオリティアップを図るため発売日を延期いたします。発売日を待ち望んでいらっしゃったお客様方には心からのお詫びともう少し待っていただけますよう心からのお願いを申し上げるしだいであります。」
最初にこの文章がメールで送信されてきたときは放火を考えたほどだったが今となってはいい思いでだ。
変わりに初回得点が増量された。
<主人公 リザールのポスター&クリアファイル><ビーナス・アリオのラフイラスト>
+
<フィスタ版マウス&ヘッドフォン&ステッカー>
「もういいよ」俺は運営に言ってあげたい。二年待ったがそれ以上のものをくれた流石白ゲーだ。
そんな初回限定特典は勿論、店舗限定。発売日は明日。俺は行くぞ。一年近くぶりの家の外だ。
前外に出たのは鯖にあたったときだったっけな。あれもいい思い出だ。
服も着たし、防寒着ももった。食料も詰めたし、ゲーム機とスマホももった。
よし行こう!新世界へ。
久しぶりの外は意外に気持ち良いもんだ。閑静な住宅街ってだけあって人通りは皆無。
そこから電車で一駅。歩いていけないこともない距離だが、勿論電車を使う。
駅について三十分ほど歩いてゲーム屋についたが、並んでるのは十人ほどで以外に人がいない。
まぁ、この周りは高級住宅街で老人が多い。駅はあるがこの辺は都市郊外で高層ビルなんかは立っていない。若い人間もいるがここに来るようなタイプじゃない。
というか、このゲーム屋の存在自体がなぞだ。
白鳥総合病院前にナゼ?病人はゲームしないだろ?
こんなところで商売して儲けは出ているんだろうか。
そんなことを考えながらスマホをいじっていると。以外に人が集まってきた。
たぶん、この辺に住んでないやつとかもいるんだろうなー。そんなことを思う。
なんやかんやで総勢40名くらいの列になった。
朝7時。シャッターが開いて、はげ店主が顔を出した。
「フィスタブル・スターダスト・ファンタジーⅧ 悲しみと追憶の鎮魂歌をお買いになるお客様は順番にレジまでお進みください。」
その声に合わせて列は前に進む。
俺の番になり俺は料金を支払った。
受け取ったゲーム&初回特典はずっしりと重かった。
これが二年の重みか。
俺は少し泣いていた。
だがそんな感動と供に圧倒的歓喜が押し寄せてきた。
やっっっふぉーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!
心の中でそう叫び小躍りしながら家への帰路に着いた。
が、案の定通勤ラッシュに引っかかった。
久しぶりに見る人。しかも集団。
正直、吐きそうになったが何とか気持ちを持ち直す。
電車に乗るか、それとも辛いが歩いて帰るか。
そんなことを考えながら人ごみの中アタフタしていると。
「ちょ、君、忠臣君かい?東出忠臣君かい?」
と突然後ろから声をかけられた。
一瞬俺の頭は真っ白になった。そんな俺は気付いたときには絶妙に裏返った声で
「はい、そうですが」
と発していた。そしてそのあと理性を取りもどした俺は警戒心たっぷりに
「なんですか貴方?」
と続けた。
すると無機質な首から札をたらしたスーツ姿の男は
「やっぱり、君のお父さんから依頼を受けてね、わたしは・・・」
と言い出した。
こここここれはやばい。
とうとう親父がぶちきれた。
こりゃ、うまくいってもカウンセラー、下手したら生活支援員だ
いやまて、新任の新米教師だって説もある。副担にでもなって俺を連れ戻しに来たか。
いやまて、担任の可能性すらある。
そんなことを一瞬で考えた俺は
「あなた生活支援員か何かでしょ、嫌だ~、僕は就職なんか絶対しないぞ~」
とあほみたいなことを言って走り出した。
なんか、咄嗟の判断だろうかそれともネットの見すぎか。
何故就職?意味がわからん。
まぁ、正直こいつが生活支援員かどうかなんて重要じゃなかった。
大切なのはこいつが俺の好みじゃないことをしてくるような、そんなオーラをガンガン出していることだ。
とりあえずこの妖怪無機質スーツ男から逃げなければと俺の本能が囁いた。
だがしかし、一年ぶりの全力ランだ、当然、自然の摂理、世の中の常識が如く足が縺れる。
何とか転ばないよう踏みとどまったが、足を止めてしまったせいで妖怪無機質スーツ男に左腕をがっちりつかまれた。
その次の瞬間。俺の足元が輝きだし、光は俺と妖怪無機質スーツ男を包んだ。