残念美人の天使定義の件について
朝教室にて
『おはよう鈴。』
「おはよー早希!今日も元気いっぱいだよー!」
『あー…もしかして花音ちゃんに…』
「正解!朝から天使に会えるなんて!今日の私は世界一の幸せ者だね!」
『う、うんそうだね?』
…あっやばいかも。
「そう!やっぱりそうだよねー!うんうん。やっと早希も天使の偉大さに気づいたかー!」
『いやそういう訳じゃ…』
「天使といえば何と言っても外せないのがあの可愛さだよねー!あと…」
そういえば…
『ねえ鈴。鈴はさ、花音ちゃん以外に可愛い子はいないと思ってるの?』
「?まさかーそんな訳ないじゃん。いきなりどうしたの?あっ可愛いって言って欲しいの?それなら早希は可愛いんだからいくらでも…」
『ち、違うから!///そうじゃなくて!花音ちゃん以外に天使はいないのかな?って思って。』
「ん?それじゃあまるで天使には可愛さしかないみたいだけどそれは全くの間違いだよ?」
『えっ違うの?』
「違うよ!いい?まず天使に必要不可欠なのは可愛さ!」
『やっぱり可愛さじゃん。』
「まだあるの!その可愛さは見た目も大事だけど中身も大事でね?1つ1つの仕草なんてもう最高に可愛いの!」
『話が逸れてるけど。』
「ハッそれと優しいっていうのも絶対条件!」
『可愛くて優しい子っていっぱいいると思うけど。』
「もー分かってないなー。確かに可愛くて優しい子はいっぱいいるよ?だけど他の子には最も大事なものがない!」
『ゴクッその最も大事なものって…?』
「それはズバリ“天使らしさ”!!!」
『は……?』
真剣に聞いていただけにまぬけな声が漏れる。
「は?じゃないよ!ちゃんと聞いてた!?
て・ん・し・ら・し・さ!」
『あっやっぱり聞き間違えじゃなかった。』
「?大丈夫?」
『…鈴のせいで大丈夫じゃない。』
「私何かした?」
『あ…いやなんでもない気にしないで。』
「そう?天使らしさっていうのはね?もっと具体的にいうと常に可愛く常に優しく常に穏やかってことなんだよ!フフンどう?驚いた?」
『何をどう驚くの?なんていうか想定内というか鈴は鈴だなーって感じ。』
「えー面白くないなー。」
『鈴は私に何を求めてるの…。』
「まあいいや!そのうち早希も天使信者になるんだからね!」
『えっ待って信者ってまさか団体とか出来てないよね?そこでリーダーとかやってないよね?違うよね!?』
「あっチャイム鳴っちゃう!じゃあねー!」
『えっ待って鈴!?』
キーンコーンカーンコーン
『ない……よね?』




