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残念美人の日常  作者: のんの
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残念美人の素顔が天使にバレた件について

放課後廊下にて


『あっ花音ちゃん』

家に帰ろうと教室を出ると廊下を通っていた花音ちゃんにばったり遭遇した。

「?早希ちゃん!久しぶりだね!」

相変わらずほわほわした雰囲気をまとっている花音ちゃんを見ていると鈴が言っていることもなんとなくわかる気がした。あくまでなんとなく、だけど。

『クラス隣なのに全然会わないしねー。そういえば…』

少しだけ世間話でもしようかと思っていると教室の中からバタバタとこちらに走ってくる音が聞こえた。まさか…。

「てんっ…じゃなかった花音ちゃーん!」

やっぱり…。

「花音ちゃん、聞こえなかったふりして逃げよう!」

「えっ!?ちょっと早希ちゃん!?」

花音ちゃんの身を案じた私は状況を掴めず混乱する花音ちゃんの手を掴み走り出そうとするが時すでに遅し。

「待ってどこ行くの!てっ…じゃなくて花音ちゃんを連れて行くなんて許さないからね!」

隠す気があるのかないのか…。

『花音ちゃん心配しないで、私が守るからね。』

「?」

逃げるのは不可能と判断した私は謎の使命感を持ち、花音ちゃんを悪の手(鈴)から守ろうと決めた。

「もう!逃げようとするなんてずるいよ早希!」

「ごめん。」

ずるいという言葉にはあえてつっこまず表面上は鈴に謝っているようにみせて花音ちゃんに対して謝る。私が引き止めなければ花音ちゃんは捕まらずに済んだのに!本当にごめんね花音ちゃん!

しかしそんな上辺だけの謝罪を私が落ち込んでいるように捉えたのか鈴が見当違いのことを言い出す。

「えっ!?ごめん落ち込ませる気はなかったんだよ!ただちょっと天使…花音ちゃんを私から引き離そうとしてるように見えたから…。」

『えっ…あっいやうん。』

当たってるんだけどなー(失敗したけど)。でも変に鋭い…。いやそんなことより今完全に天使って言っちゃってたけどつっこむべきなのか…。チラッと花音ちゃんの様子を窺う。

「?」ニコニコ

分かってないーーー!思わず脳内でつっこんでしまったが花音ちゃんはおそらく鈍感すぎるが故に自分が天使だと連呼されていることに気づいていないのだろう。

『!』

一つ気になることがあった。

『ねえ、鈴。』

「ん?どうしたの早希?」

“花音ちゃんは鈴の本当の性格を知った時どんな反応をするのだろう?”

『花音ちゃんって可愛いとは思うんだけど、どこが可愛いって言い表せない可愛さだよね?』

「!何言ってるの早希!どこが可愛いなんて分かりきってるでしょ!?」

あ、食いついた。

「いい!?まずこのふわふわしているのに髪の毛が絡まらないサラサラした黒髪!そして綺麗なパッチリした二重に焦げ茶色の瞳!さらに白くて透きとおるような肌!それに細長い手足!それから…」

『ストップ鈴!もう十分わかったから!』

「何言ってるの早希!まだまだ…」

『いいから花音ちゃんを見て!』

「え?」

鈴の力説を聞いた花音ちゃんは目をまんまるにし凄く驚いた顔をしていた。そしてしばらくすると顔をどんどん真っ赤にさせていき自分の両手で顔を覆うとしゃがみこんで顔を伏せてしまった。

そしてその様子を見ていた鈴はというと…

「か、可愛すぎる!!!!!」…パタッ

死んでしまっていた。

……何このカオス。


その10分後

「天使!」

「え!?す、鈴ちゃん!?///」

「もーーー可愛すぎる!!!」ガバッ

「ひゃっ!鈴ちゃん!///」

結果鈴の花音ちゃんへの愛は加速した。

「オーマイゴッド。」

何でこうなった。

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