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8話 死霊兵士

魂が欠けているって、僕のことを言っている?


誰の声なのか?


その意味は、一体?


近くで彷徨う幽霊がだんだん増えてきた。


でも僕たちに近寄らない。


何かを恐れているみたい。


輪廻の刻印が抑えの布で包み込まれていれば、誰にも気づかれない。


例えレベル高い霊能者であれ、霊であれ、表向きからすれば僕の実力が分からない。


つまり、ほかの人から見れば。僕はだたの一般人。


もしかして、それらの浮遊霊がレンカを恐れているのか。


その可能性はあるが、そうとは限らない。


もう一つの可能性は、近くに何かの強い存在がいること。


悪霊とか、霊能者とか。


「兄さん、やはり戻ろう!こ、怖い…」


「ああ。手、離さないでね」


レンカを手を握って、旅館に帰ろうとするが…


帰る道がなくなった。


具体的に言えば、道が変わった。


旅館への道が消えた…


代わりに、見知らぬ路地が目の前にある。


「に、兄さん、これは…」 


「とにかく落ち着け!」


どうやら悪霊の罠に落ちたみたい。


今のところ、詩音を呼び出したほうがいいかもしれないが、その存在が感じられなくなった。


輪廻の刻印が目覚めて以来、僕の体に宿る度に、詩音の存在が感じられるようになった。


そのはずだったが。


それに、詩音の力を頼りたくない。


僕は、自分の力で道を切り拓く!


自分の力でレンカを守る!


それくらいはやって見せる!


「前に進んでみようか。ちゃんと僕の手を握って!」


「うん!」


路地は長くて果てが見えない。


しかも、分かれ道がない。


ってことは、ここで死を待つか、前に進むか。


もちろん、前に進むしかないな。


レンカは震えながら、僕の手を強く握っている。



やっと、路地の前に違うものが現れた。


同時に、霊の叫び声があちらこちらから湧き上がる。


満月の下。


先と同じように、この先は破滅の道だ


それに、先と同じように棺が一つある。


最初のところにもそうだ。


これは、もしかして何の結界かな。


それとも…


近づいたら、目の前に霊力の強い存在がいると気付いた。


人間?それとも幽霊?


暗すぎてよく見えない。


人の形には見えるが、背が高すぎる。


2メートル、いや、2.5メートルくらいの高さ。


その身体から霊力が湧き上がってくる。


「生身の人間は立入禁止」


その声は、先の幽かな声だった。


そう、「この人間、魂が欠けている」って言ったその声だった。


霊体であれば、右手の刻印を使えば…


何とかする。


しかし、幽霊ではなさそうだ。


鎧を纏っているその体にどくろの頭。


どくろの目から霊力が光っている。


死霊兵士!?


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