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28話 輪廻の糸

「司祭様、これだけの人数では勝てません。ほかのエルフたちを召喚できませんか?」


セシリアと防御結界を構築しているリリヌが、明らかに霊力が足りなくなった。


「無理じゃ。この封印の地には上位エルフしか登れないのじゃ」


「おい、セシリア、まさか…」


「そのまさかじゃ」


それは驚いた。


アルフヘイムには、上位エルフがセシリアとリリヌ、二人しかいない。


すなわち、戦える妖精は二人しかいない。


衝撃的な事実。


なのに、あの長老がここまで、この封印の地の縁まで侵入した。


「じゃ何で僕たちがここに来られるか?」


「そなたたちは人間じゃから」


「逆に人間のほうが制限されてない?」


「その通りじゃ。まったく、どうしてこんなことになっちゃったのじゃ?」


ゴオォォー!


竜の形に見える霊が、結界を破壊しようとする。


「それはあいつの守護霊、伝説上の神獣の霊――青龍じゃ」


セシリアは顔色が悪くなった。


「おそらく本物じゃない。ただの青龍の霊の一部だけじゃ」


「司祭様、その霊はさすがに強すぎる!」


「ほんの一部とはいえ、神獣の霊は只者ではないのじゃ」


圧倒的な霊力。


呼吸までうまくできなくなった。


「やつが強いのじゃ。そなたたち、手伝ってほしいのじゃ!」


「ああ、言われなくても!元々は僕の責任だから!」


「うん、私も兄さんの力になる!」


「この結界はもう限界じゃ。故に協力してほしいことある」


「分かった。言ってごらん」


「結界が壊れる前に、リリヌを連れて逃げてほしいのじゃ」


「司祭様!だめです!リリヌは逃げません!」


「これは命令じゃ。従いなさい」                                                                 


「司祭様… あいつを倒す方法はありませんか?」


「そうそう、あの人が嫌なの!嫌な思いをさせるの。兄さんもそう思うでしょ」


「ああ!ぜひ戦わせてくれ!」


本当は逃げたくはない。


僕は今までずっと逃げてきたのだ。


だが、今回は… 誰かを守るために…


役を立てるのか?


「ならば、人間!その覚悟あるんじゃのか?」


訳が分からないセシリアの話。


しかし、このままじゃ…


ドォォオオン!


ずたずた、ずたずた…


侵入者を近づけられないように、先から構築した防御結界は、いくつかの細かい裂け目が出てきた…


「覚悟した!僕だってやらなきゃいけないことがある!」


「よし!リリヌ、輪廻の糸をこの人に任せてもいいのじゃ」


「司祭様… 本当にいいですか?」


「輪廻の糸はアルフヘイムの至宝じゃが… 別にいいじゃ。あの侵入者の狙いはおそらく輪廻の糸じゃ。だったら輪廻の紋様の持ち主にあげたほうがましじゃ」


「かしこまりました。司祭様」


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