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18話 司祭

「汝、ここで何をしておるじゃ?」


振り向くと、小柄な女の子がいる。


妖精の女の子に見える。


誰?この子は。


再び頭を上げて、リリヌとレンカちゃんの姿がいなくなった。


こいつっ。


「ごめん、今は忙しいんだ」


「逃さないのじゃ」


動けない…


これは何の技?


この女の子、只者ではないみたいだな。


「あのっ、放してくれるかな?やらなきゃいけないことがあってさ」


これ以上付き合う暇はない。


「汝は侵入者じゃろう。よく牢獄の間から逃げ出したのじゃ」


なぜこの女の子は知ってるか?


もしかすると、僕たちのことは、すでにこの村に広がっているのか。


空はまだ明るくなっていない。


まだ夜中なのに、ずいぶん早いな。情報の広がるスピードは。


「君はどうするつもり?」


「汝を審判するのじゃ」


「審判って、言い過ぎだろう!」


「汝の同行者は?」


「同行者?知らないな」


「とぼけるな!その白髪の女の子はどこ?」


「本当に知らないってさ」


「クスクス、それじゃ今は汝を審判の間に放逐するのじゃ」


審判の間?なんか怖そうだ。


この女の子は厄介だな。道理でリリヌがレンカちゃんを隠したというわけか。


妖精の女の子が呪文を念じて、魔法陣を召喚した。


「ほら、行きな」


術に操られて、僕は魔法陣の中に投げられた…



「僕は依頼を受けてここに来ただけだ」


審判の間という広い空間。


僕とその女の子しかいない。


その子の質問に、僕はここに来た原因を説明した。


最初この竹林に来る目的。


おかしいと思うことは、ここに来てから一度も例の悲鳴を聞いたことがない。


もしかして、あの骨董屋のメガネ男が嘘をついたのか?


あの男の目的は、一体…


…彼女は納得できないようだ。


「は?なんじゃ?依頼?」


「そう、依頼だ。この竹林から悲鳴が聞こえてくるって。その悲鳴についての調査ってこと」


「悲鳴?そんなことないのじゃ」


「ってか、君は一体誰だ?質問ばかりで」


「夜中で誰もいないじゃから、教えてあげる」


「エルフの司祭、だろ」


「ななななっ、なんで?!知ってるのじゃ?」


「まぁ、この前聞いた君の口調は、今の口調とは違うけど」


実は、リリヌがレンカちゃんを隠したことから考えれば、思いつくことができる。


だが、その件は目の前にいるこのエルフの女の子には教えられない。


あくまでエルフの司祭だから。

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