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15話 正逆五芒星

「妖精さんなの?」


レンカちゃんは目の前にいる妖精の女の子にすごく興味がありそうだ。


「妖精って、変な呼び方ですね。私はエルフで、リリヌと言いますよ」


「僕は朔夜だ。この子は、えっと、い、妹のレンカ」


少し躊躇した僕は、リリヌにレンカちゃんを紹介した。


「妹さん可愛いですね。」


「ありがとー」


「って、お二人さん。どうして結界を通り抜けましたのよ」


「人に頼まれたから」


それについては、隠したくない。隠す必要もない。


「そういう話じゃありませんっ!我々エルフの結界を通り抜けることは不可能です!」


「えっ、わたしたちはもうここまで来たの。どうしよう、怖いの」


「これかな?」


僕は右手の刻印をリリヌに見せた。


さき、レンカちゃんの霊力の不安定状態を抑えた時から、この刻印はそのまま光ってきた。


「そ、その紋様は…」


「まさかこれを知ってるのか?」


「それは、我々の大昔から語り継がれる物語に関わるようです」


「どういう話なの。聞きたいの」


「話が長いですが。お二人さん、よかったら、案内させてもらいますか?」


「どこへ?」


僕は警戒心を高めた。


「その紋様に関わる場所へ」


「この刻印?」


右手を挙げて、手の甲をリリヌに向ける。


「そうですよ。ちなみに、その紋様は手の甲に現れた時、所有者と他人の見た形が違います」


「角度のためだろう」


「そういうことではなくて、同じ角度でも、紋様の所有者が見たのは逆五芒星で、他の人が見たのは正五芒星だそうです。どうですか?私についてくれますか?」


「妖精さんについていくの!」


「おいおい、勝手に決めるな」


「で・す・か・ら~、リリヌと呼んでください!」


「はいはい、分かったの~」


「じゃ、リリヌ、案内、頼むぞ」



リリヌに連れられて、僕とレンカちゃんが竹林の道を歩き続ける。


「あのっ、リリヌさん。どこまで連れて行ってくれるの?」


「お兄さんの紋様、あっ、そっちの言い方は刻印ですね。今はその刻印の元のところへ向かいます」


「僕の刻印の元?どういうこと」


「着いたら分かると思いますけど、朔夜さんの刻印はどのように手に入れたんですか?」


「これは…」


リリヌに刻印を手に入れた事情の経緯を教えた。


「そうですか。仮面をつけてた人でしたか」


「何か心当たりがあるかい?」


「いえ、知らないです」


「そっか。まあ、仕方ないな」



「着きましたよ」


リリヌの話に伴って、竹林の道を抜けた先は…

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