3話 黒の図書館
電気が発達する今の時代、軌道を利用する交通機関はほとんど電気を動力として運行するが、いわゆる電車ってやつ。
だが、霊能者の霊力による駆動されるモノも実際に存在する。つまり、霊力も動力の一種になっている。
それに、エンジンの代わりに、車や列車などの動力として使われている。その中には、私営の交通機関も含まれている。
都の郊外にある竹林へ行くには、獣の列車に乗ると一番速いと聞いたことがある。
獣の列車というのは、獣の霊で引く列車ということみたいだが、僕はよく知らない。
どうやら情報収集は必要だ。
もともとインタネットで検索すればすぐ分かるようになったが、霊的なことに関する資料や情報を流すことは、政府に禁じられることになっている。
そのため、基本的にはマスコミによる役に立てる情報を手に入れることは不可能だ。
霊的な情報を調べるには、極めて少ない方法の一つは、やはり図書館に訪ねるしか最も合わない。
「兄さん、何考えてるの?ぼんやりしてるけど…」
レンカちゃんの声で現実に引き返した。
「これから図書館に寄ってく。付いてくる?」
「図書館?つまらないなー」
頬を膨らますレンカちゃん。
「もちろん、普通の図書館じゃないよ。そこは霊能者向けの図書館だぞ。面白い本たくさんあるよ。」
そう、都にはいくつかの図書館があるが、一般人向けの図書館は僕の狙いじゃない。霊的なことが調べられる場所は、黒の図書館しかない。
「いいの、兄さんに付いて行くの」
「助かった」
…
繁華街に着いた。
「え?図書館に行くじゃないの?」
「この街にあるよ。図書館は」
「ホント?」
「まぁ、着いたら分かるさ。」
ある占い館の前に止まった。
「兄さん?もしかして、場所がわからないの?だから占い館に、占うつもりなの?」
「いや、ほら、着いたぞ。」
占い館の階段を下りて、地下一階へ。
広い空間に本棚がいっぱい置いてあり、何人かの霊能者っぽい人が本を読み漁っている。
雰囲気はちょっと不気味な感じ。
間違いない。ここは、黒の図書館。
 




