10話 今後の行方
絵に描かれている女の子が、消えた…
言葉も出ないほど驚いた。
本当に、その詩音という画霊の女の子に取り憑かれたのか?
そういえば、僕の体はまだ熱い感じがする。
「レンカちゃん、僕が何か変わってる?感じられるのか?霊力とか…」
「変わってないよ。兄さんはやはり昔と同じように、優しくて、甘やかしてくれるんだもん。」
「いやいや、そういう話じゃなくて… 霊的な力についての話だ。」
「うーん、相変わらずなの。」
「そうかなぁ。」
おかしい。もしさっき絵の世界でのできたことは本当のことだったら、この絵の画霊の女の子がすでに僕の体に憑いている。
でも、どうしてレンカちゃんはそれを感じていないのか。
それと、画霊の詩音ちゃんが言ったのは、僕の体は霊体向きってどういう意味なんだか。
詩音ちゃんも返事してくれない。もしかして本当に眠っているのか。
…
「兄さん、今日は疲れたの。ちょっとシャワー浴びてくるね」
レンカちゃんの声で現実に引き戻される。
「ああ、分かった」
「着替えは?」
「買ってきたばかりの服はまだ洗ってないから、前と同じように僕の服を着替えてくれたら?」
「今着替えるの?」
「シャワーを浴びってから着替えるに決まってるんだろ」
「えへへ、それはそうね」
…
「兄さん、シャンプーはないの!」
シャワー室からレンカちゃんの声が聞こえた。
「風呂のそばにあるんじゃないか?」
「そうじゃないの。今日私が買ってきたシャンプーなの」
「多分お袋にあるんだろう。大丈夫、僕が見つけてあげるから」
やはりお袋の中にある、シャンプーは。って、待って、よくこんな高いシャンプー買ったよな…
ドンドン
「シャンプー持ってきたよ」
シャワー室のドアは開いた。
「兄さん、こっち見ないで」
「見てないよ」
シャンプーを持っている手をシャワー室へ伸ばして…
なんかドキドキする。時が止まっている感じ。
その時、手の中のシャンプーを掴まれ、僕はそれを感じてから、手を放した。
「兄さん、ありがとー」
「…いや」
レンカちゃんのシャワーの水音を聞いて、心は少し揺れている。
いや、レンカちゃんに手を出してはならない。あの子は僕を兄として見ているんだ。兄さんである以上、自分の妹に手を出すべきではない。
しかし、僕には妹がいない。ってことは、レンカちゃんは僕のの実の妹のはあり得ないんだ。
って、そんなことに落ちるわけがない。
今一番重要なのは、これからのこと、今後の行方をじっくり考えないと。これ以上ここに住むと危ないから。
部屋を片付け、役に立てるものを集めよう。
必要のあるものだけを持ち、一刻も早く引っ越したほうがいい。
突然、机の上に置いてあるスマホが鳴った。
…




