1話 お姉さんの頼み事
救われるのか、それとも、もっと深い深淵に落ちていくのか――
…
「どうした?こんなに慌てて」
「バーゲンよ!朔夜君は荷物番。レンカちゃんも商店街に行ってみない?」
「…行くの」
レンカちゃんは元気なさそうに目を揉んだ。
「おいおい、なぜ勝手に荷物番をやらされたのか?!」
「いいじゃないか。どうせ暇なんでしょ?」
「…賛成なの、兄さんは?」
「やれやれ、いつから同じ釜の飯を食うことになったのか…」
…
三人で一緒に出かける。
初春のそよ風が頬をなで、なんとなく僕も少し気が楽になった。
正直、久しぶりに気晴らしになった。今までよく思い煩った僕は…。これから何事もなく過ごすといいなぁ、たとえ一時的にせよ…
思い出すと今でも恐ろしい、レンカちゃんは霊力が暴走したことに。でも、どうしてその光が僕の体を通り抜けたけど、傷つけてくることではなかったか。
霊力が満ち溢れている人だからこそ、自分の霊力を制御することができないこともあるが、今までこんな人も何人もいなかった。
「洋服を買いたい?服選び手伝おうか」
「うん。姉さん、ありがと」
彼女たち二人では話し合い、かえって僕は冷遇されました。
「今日はレンカちゃんとよくこのあたりをぶらぶらするよ。楽しみにしてね」
…
間もなく駅に着き、電車に乗って…
2つ目の駅に降り、しばらく歩くと商店街に出た。
ここの商店街は少しにぎやかで、平日でもたくさんの人が出入りしている。
財布を見たら…
「レンカちゃん、本当に必要なものだったら買うけど、買いすぎじゃいけないな」
レンカちゃんにも、ついでに葵姉さんにも注意を与えた。
レンカちゃんの買い物には僕が支払うことは、今持っているお金はだいたいできるけど、収入源がなくなった以上、少なくとも節約する必要がある。
「兄さん、分かった。」
「そうそう、私がいるから、朔夜君は安心してね」
…葵姉さんがいるからこそ、安心できないよな。
何時の間にか、葵姉さんはもう先にある洋服屋に入った。
「ったく、自分一人で先に行ってしまったなんて…。レンカちゃん、僕らも」
ついていくよりほかはないだろう。
「うん、兄さん。買い物に行こう!」
レンカちゃんの手を繋いで、洋服屋へ行こうとする時、何気なく商店街の片隅にあるアンティーク店を見かけた。
確か前回来た時、あの店がなかったが、新しくオープンしたのか?
この商店街にはがアンティーク店いくつかがある。
この辺りではほとんどのアンティーク店に入ったことがある。
しかし、客があまりいないのは、あの店だけみたいだ。
なんかおかしいような気がする。
 




