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11話 それでも、僕は


廃工場に着いた時、もう夜だった。



結構不気味な場所なので、普段はここに来る人は極めて少ない。


ここは、忘れられた場所。


30年ぐらい前、一人の霊能者の活躍で、霊力という存在がだんだん一部偉い人に知られ、社会の発展はいままで違う方向に進んでいた。


科学の発展はなかなか進めない状況で、霊的な力を利用したい人たちが、秘密の場所で霊能者の持っている霊力を駆動するなどの実験を行っていた。


いわゆる人体実験ということまで行ったみたいだった。


結局、実験が失敗し、異変が起きた。


その異変は、百年前の「転移事件」ほどの規模はないが、大きな災害が発生した。


霊界へのゲートがここに開かれ、大量の霊がゲートから侵入し、現実空間のバランスが歪んでいた。



この廃工場はあの実験を行ったところらしい。


昔、一族の禁書を一度読んだことがあるので、この秘密を知っていた。


当時、多くの霊能者の力を合わせたこそ、霊界へのゲートを抑えた。


しかし、一部の霊能者が犠牲になり、一族も大きなダメージを受けた。


一族の3人の長老の中、一人の長老が大怪我をしてしまい、もう一人の長老は行方不明だったそうだ。



あの事件以来、一般人の人たちがこのエリアから逃げ出し、このあたりは一時的に無人区になってしまった。


あの時からこの辺に暮らしたい人はいないので、この街はだんだんスラム街になった。





廃工場内、レンカちゃんの姿を探している僕は、


あの夢のことを思い出した。


昏睡状態で見たあの夢。


それは実際にあったことなのか、分からない。


ただ、その気持ちは本物だった。


すぐそこにいるのに、届きそうで届かない感じ… 現実では絶対味わいたくない!






「レンカちゃん、大丈夫か!?」


「兄さん、来ないで!危ないの!」



僕は必死にレンカちゃんのそばへ駆け寄る。





すぐ届きそうな時……


「あっ!」


急に感電したような痛みが感じて、僕は数歩後退した。


結界か?!


「兄さん、早く逃げて!」


「逃げるわけないだろ!」


「朔夜、思ったより度胸あるな。」


店長のおっさんが僕の後ろに現れて、僕は体の向きを変えた。


「おっさんだと思わなかった。いや、やっぱりおっさんだったのか…」


さっきの電話から聞こえてきたのはおっさんの声だった。


「どうしてこの子を?!この子を、レンカちゃんを返せ!」



「返す?正直に言えば、二宮れんかはもうここに属していない。」


「二宮…れんか?!なぜだ?僕と同じ苗字なんだ?!まさか…。教えてくれ!」


「お前が知る必要はない。これはただのろくでなしに過ぎないお前は足を踏み入れることができないことだ。れんかはなぜお前のところにいるか分からないが…」


「もういい。僕は、僕はこの子を連れて帰る!」


「お前ごとき?あの殺人した霊能者と戦うまで骨が折れるなんて…、あいつはもう始末された。あの殺された女性もお前たちを、いや、れんかを狙いに来たみたい。奴らはすでに互いに奪い取ることだけを考えてる。」


「あのザコか…。なぜこの子、レンカちゃんは狙われてるのか?まさか霊力が強いというわけか?それだけで……」


「そう思えばそれでいい。とにかくお前の安全のため、さっさとここを離れたほうがいいぞ。俺もれんかを元のところに連れて帰る。さっさとここから離れろ!ここに来てもらうのもこれだけ教えてあげるためだ。」


「断る!」


僕の態度はとても断固としている。


「確かに僕は弱くて、小さい頃からいつもひどい目にあっていた。でもよ、自分を守るために一人の少女は危険にさらされることなんて僕にはできない。たとえ僕には関係がないとしても…。ましてあの子は僕を兄にしてるから、僕の妹なんだ。」


僕は拳を握りしめた。


「相手がどんなに強くても、怖くない!この子を、レンカを守る!」


後ろからレンカちゃんの声が聞こえてくる。


「……兄さん。」



「朔夜、お前はまったく霊力がないぞ。俺に勝つことができると思ってるか?」


「余計のこと言うな!それでも、僕は諦めない。」


僕は矢のような速さでおっさんを撃っていく…


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