表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/102

心強い味方

 誰が来るんでしょうね。

 4人の妻と一緒に過ごすはずだった休日は、エリスという女の子を助けることになった。知らない男に売られて望まない結婚をさせられようとしている彼女を助けるには、人身売買の商人ベッテンバッタを倒さなければならない。

 手始めに100人の手下を片付け、いよいよベッテンバッタとの戦いだ。


 戦いが始まった瞬間、ベッテンバッタは僕の目前に移動していた。繰り出された上段蹴りを間一髪で避け、距離をとった。

 魔法は使われていない、単純に走って迫ってきたのだ。バカな……速すぎる。


「職業柄、手荒な交渉も多くてね。悪いが、鍛え方が違うぜ」


 ベッテンバッタは再び距離を詰めると、強烈なラッシュをかけてきた。両の拳が絶え間なく襲いかかり、ホープ・ライトはおろか、覚えたての魔法を放つ隙さえない。

 格闘術や護身術の心得でなんとか回避はできているが、まだ素人の域を出ない。防戦一方だ。このままではいずれ体力が尽き、この怒涛の連続攻撃を食らうことになるだろう……。


「オラオラオラオラァ! どうした!? その程度で俺の組織を潰そうなど、100年早えんだよ!」


 更にラッシュが凄まじくなった。より防御や回避が難しくなる。まずい、もう……。


「ユッキー!」


 エリスの声だ――一瞬の隙を突かれ、僕は頬に思いきりパンチを食らった。よろめきながら距離をとり、振り返って確認する。

 エリスが木造の足場の2階から僕を見つめていた。


「エリス……どうして……?」

「ユッキー! 大丈夫!?」


 心配そうなエリス。アマンダさんのところを抜け出して来てしまったのか……。


「よそ見するとは余裕だな!」


 視線を戻すと、ベッテンバッタが後ろ回し蹴りを繰り出そうとしていた。モーション的に時間のかかる技のはずだが、彼のはやはり速い。間に合わない。モロに食らってしまう……。


「がんばって! ユッキー!」


 エリスの声援を聞いた、その時。僕は全身から力が溢れてくるのを感じた。今なら、このキックを避けられる。いや、たとえ食らったって――。

 僕は、ベッテンバッタのキックを『あえて』避けなかった。側頭部にとてつもない衝撃が与えられたが、全くビクともしない。痛みも、ない。


「なっ!? 俺の蹴りを受けて、微動だにしねえだと!?」


 驚くベッテンバッタ。それもそうだ。ついさっきまで手も足も出なかった奴が、急に余裕を取り戻したのだから。僕はベッテンバッタの足首を掴み、ニヤリと笑ってみせた。

 エリスは応援士――サポーターとしての能力を使うらしい。サポーターは、味方や自身の能力を強化させる魔法を操る。つまりエリスは、こいつを倒すために僕に力を貸してくれたのだ。

 ありがとう、エリス――僕は、必ず君を助けてみせる。


「悪いけど、僕は勝つよ」


 僕はそう言って、エリスの魔法で強化された腕力を奮い、ベッテンバッタの頬にパンチを食らわせた。地面に叩きつけられ、ゴロゴロと派手に転がるベッテンバッタ。

 僕は先回りして立ち上がる彼の背後で、掌に輝きを顕現させた――ホープ・ライトだ。


「なっ、速えっ!」


 ベッテンバッタが振り返る。だが……もう遅い。


「自分の力を買いかぶったな」


 僕は最大級の皮肉を言いながら、最高級の閃光を放った。

 この助っ人が皆さんにとって想像するに容易かったのか意外だったのかは知れませんが、さすがにそろそろ能力を見せないと。

 想像しやすいか意表を突きやすいかのコントロールをある程度して構成している↓の作品も、できればそろそろ更新します。お待ちください。

 https://ncode.syosetu.com/n9952cq/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ