地図屋ぁ! お前ん家の地下かーーーーーい!
タイトルのテンションがうざいですね。
エリスを売ろうとしていた組織は、控えめに言ってクズ以下のゴミカスだった。エリスだけじゃなく、これまで何人もの女の子を売り飛ばしていたようだ。更には売られた女の子の末路は望まぬ結婚で、エリスの身には条件を満たさないと結婚できない呪いが施されている。
許せない――僕は単身、組織の基地へ乗り込む決意を固めたのだった。
地図に記された、組織の秘密基地へ繋がる地下通路への入口。僕は、ついにそこへ辿り着いた。
そこは、この地図を買った地図屋だった。
「ここかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
僕の爆音ツッコミに、人混みの注意が集まった――今日の僕、注目され過ぎだな。おかげで、当の地図屋にも気づかれてしまった。
「な、なんでぇお前!? さっき、地図買ってった奴だろ!」
「地図屋ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕は地図屋の胸ぐらを掴んだ。
「お前、よくものうのうと道端で商売してられるな! この外道が! 一体何人の女の子を売った!? 一体どれだけの不幸を踏み台に笑ってきたぁ!? 地図を売った収益と女の子を売った収益、一体どっちを肥やしに食ってるんだ貴様ぁ!」
「な、ななな何のことでぇ!? 女の子ぉ!? 売るぅ!? 訳の分からねえことを言わねえで欲しいぜ! 俺ぁしがねえ地図屋だ! そんな汚え商売すっかい!」
「嘘をつくな! この店に地下通路への入口があることは分かってるんだ! そこから組織に出入りしてるんだろ!」
「ち、ちょっと待てよ! たしかに数ヶ月前、地下通路の開通工事の話は受けたがよぉ、俺ぁそれに関しちゃノータッチだっ!」
「な、何ぃ!?」
僕は思わず、店主の胸ぐらを放した。ゲホゲホと、店主が苦しそうに咳き込む。
「本当だよっ! 俺ぁ地下通路を建設するって話を聞いて、勝手にやってくれって言っただけだ。中で何やってるとか、全く知らねえぜ! 大体そんな恐ろしいこと行われてるって知ってりゃ、とっくの昔に通報してる!」
……たしかに、思い起こしてみれば、地図を買った時、エリスを見ても何の反応も起こさなかった。
本当に無関係なのか……。
「す、すみません……でも、この地下に悪い奴らが潜んでます。少し騒ぎになるかもしれませんけど、入ってもいいですか?」
「……そういうことなら仕方ねえ。今日は早めに店閉めっから、とっとと済ませてくれ」
「ありがとうございます」
「客の頼みは断れねえよ」
店主はニカッと笑うと、店の明かりを消してどこかへ去った。
「いい人だなあ」
僕は感心しつつも、店の地下への入口を探し当て、中へ入った。
なんかもう自分で書いてていまいちノリがピンときてなかったのは、ここだけの話
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