クラスメート
学園編、本格始動!
テトラ、アンナ、マリアはそれぞれのスタートを切った。僕も街で新たな始まりを探し、デビッド学園に入学した。
デビッド学園とは、6つあるロールを専攻せず、それぞれの中で必要な技術を自由に選択できる総合的な感じの学校だ。
僕はケルベロスの宿に別れを告げ、デビッド学園へやって来た。学園長室に荷物を置いてから、担任の先生にクラスまで案内してもらった。担任の先生は眼鏡を掛けた真面目そうな女性で、厳しそうでもあり優しそうだ。
ある教室の前で待っているよう言われ、先生が先に入った。
「はーい、席に着いてー。今日は新入生が来ているわ」
お決まりのやつ――だけれど、新入生というのが何とも言えない。
「じゃあ、入ってちょうだい」
ガヤガヤと話し声のする教室へ、僕は意を決して入った。そこには数十人の同年代の男女がいて、みんながみんな僕に注目していた。
その真ん前に立ち、黒板に名前を書いていく。人前に出るの、緊張するなあ……僕は名前を書き終え、振り返った。
「ど、どうも、初めまして…… タジマ ユキオ です。き……よ、よろしくお願いしますっ……」
輝望皇であることを名乗ろうとしたが、ギリギリで踏みとどまった。輝望皇は代々、女性が選ばれてきた。男の僕が輝望皇を名乗ったところで、きっと笑われるか怒られる。
何にせよ、目立つことは禁物だ。僕は異世界で、今度こそ真っ当な学園生活を送るのだ。
「じゃあ、あそこ……カレンの隣ね」
僕は指された席に着いた。隣の――カレンさんは、ツインテールがとても似合う女の子だ。
「ど、どうも……」
「…………」
カレンさんはムスッとしていて、不機嫌そうだ。挨拶をしても、無視されてしまった。
「分からないことがあったら、誰かに聞いておいてね。みんなもタジマくんに何か相談されたら、ちゃんと力になってあげるように――じゃあ、今日も一日、頑張って」
先生はそう言って、別の教室へ向かってしまった――先生、誰かに聞いておいてって、それ僕にとってはものすごい難易度になっちゃうんですけど……。
先生が去るや否や、教室中の生徒が僕の元に駆け寄った。
「ねえ、どこから来たの!? この街の出身じゃないよね!?」
「君はどのロールなの? どの授業取ってるの?」
「ねえねえ、タジマくんって男の子なの? なんか可愛いっ!」
「彼女とかいるのかな? 私、今はフリーだから、その……どうかな?」
なんか色々と質問攻めに遭って、僕はすごく当惑した。どの質問に答えればいいのか、誰に答えればいいのか、頭が回らなくてさっぱり分からない。視界がグルグルする……。
「待ちたまえ!」
すると、凛とした声が場を制した。最前列の席から、何やらいかにも貴族っぽい男が近づいてきた――どことなく、雰囲気がフローゼリア家の三兄弟に似ている。
「彼が困っているじゃないか。そっとしてあげたまえ」
「キャ~ッ! さすがフェザーきゅん! や~さ~し~ぃ~っ!」
彼を追って、なんかキャピキャピした、ギャルっぽい女の子もやって来る。
「すまないね。こういったことは初めてだから、みんな興奮しているんだ……ボクはフェザー。フェザー・ジャ・コン・マーマレッツォ・メケレレル。メケレレル家の次期当主さ。以後お見知りおきを」
フェザーは仰々しくお辞儀しながら名乗った。
「はぃはぃ~っ! アタシィ~、モニカってゅーの。フェザーきゅんのぉ……未来のお嫁さんですっ! きゃ~っ! 言っちゃったぁっ! どさくさに紛れて恋人アピールして、ごめんねっ? てへっ☆」
なんだこいつ。
「キミとは、とてもいいトモダチになれそうな予感がしているよ……よろしく、タジマくん」
絵に描いたような優等生だなあ――けれど、早々に味方が出来るのはありがたい。僕はとりあえず、フェザーの手を取って握手した。
こうして、僕の学園生活が始まった。
次回……まさかの展開!?
同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』もよろしくどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/




