表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/102

真実! そして信実!?

 果たしてユキオの運命やいかに!?

 アンナと決闘している最中、森で僕をハメたメスゴブリンの逆襲に遭い、僕は気を失ってしまった。アンナとテトラに怪我がないことが、せめてもの救いか……。

 夢、みたいなところで、女神セアが現れた。


『あなたは優しいんですね。自分を犠牲にしてまで誰かを守る究極の精神……私、あなたのそんなところも愛していますよ』


 セアの笑顔が比喩でなく眩しい。神様に惚れたらシャレにならないから、やめてください。


「にしても、あのゴブリン……よくあの穴から抜け出せましたね」

『それはあなたも同じですよ』

「え?」


 僕が困惑していると、セアは微笑んだ。


『覚えていないでしょうが、あの時、あなたは奇跡を起こしました』

「奇跡?」

『輝望皇の力です。本来、奇跡とは私やリョウゼンのような神が起こすものです。しかし、奇跡は自分の利益のために使うことが出来ません。ですから、私はあなたに、あの閃光しか託すことが出来なかった。

 ですが、あの閃光は私の力でも、森であなたが助かったのは、紛れもなく奇跡の力――あなた自身の力のおかげなのです』

「何があったんですか?」

『あなたは、無意識に輝望皇の奇跡の力を使い、あの窮地から生還しました。けれど、同時に近くにいたゴブリンも、奇跡に巻き込んでしまったのです』


 そうか、だから二人とも――僕と、あのメスゴブリンは無事だったのか。


『ともあれ、良かったじゃないですか』

「え? 何がですか?」

『二人目の奥さんですよ』


 セアは満面の笑みを浮かべ、僕の頭の中から消えていった。同時に意識がハッキリとしてきて、僕は夢から覚めた。

 目の前には、テトラが僕の顔を覗き込んでいた。眩しい……朝のようだ。


「ユキオさん!」


 テトラは思いきり僕に抱きついた。


「良かった! ユキオさん! 良かった!」

「あ、ちょ、テテテテテトラッ!?」


 胸に柔らかみが当たっているし、それにアンナがまた僕を殺しやしないか気になって、僕は慌ててテトラを引き離す。

 辺りを見回すと、アンナが少し離れたところに座っていた。僕と目が合うと、アンナはプイッとそっぽを向いた。


「……あのゴブリンは発情期だった」


 アンナは、ギリギリ聞こえるくらいの声で呟いた。


「テトラだけでなく、ゴブリンのメスまで侍らせようとしてたなんて、まったく貴様は最低のゲスだな」


 まだ怒っているのか。僕は、今に腰の双剣を抜いて襲ってこないかヒヤヒヤしていた。


「……でも、一応、ありがとう。貴様がいなければ、その……アタイは、きっと……」


 朝陽のせいか、アンナの顔が赤くなっているように見える。


「き、今日のことに免じて、殺すのは最後にしてやるっ!」


 なんだか、この約束は早々に破られそうな気がするけれど、アンナは腰の双剣を置いて、僕に背を向けた。その表情は見えないが、どうやら和解は出来たようだ。よかった……。テトラも、嬉しそうに僕に微笑んだ。


「でっ、でもっ、それだけじゃアタイの気が収まらない! たとえ男でも、命を救われた借りは返す! だから、今度はアタイが貴様を守ってやる!」

「……は?」


 どういうことだ? 言っている意味がよく分からない……。


「あーもうっ……アタイが貴様と結婚してやると言ってるんだっ!」


 ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?

 こうして重婚しましたとさ。双剣士アンナ編、もうちょっとだけ続きます。具体的には、あと2話ですね。

 ここいらで、次の話をしましょう。40話目からは、『魔術士マリア』編がスタートします。ついに魔法系のキャラクターですね。まあテトラも魔法系っちゃ魔法系ですが。


 同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』でも、剣士キャラや魔法キャラが登場します。大体メインキャラクターの中で、両者の比率は半々くらいですね。

 よろしければどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ