決死!? バトル・ウィズ・アンナ!
なぜ二人は戦わなければならないのか――アンナとの決闘が始まる!
アンナは自らの過去を語り、秘めたる想いをテトラに打ち明けた。嫌がるテトラを強引に組み敷くアンナだったが、止めに入った僕に、彼女は決闘を申し込んだ。
結婚するためではない――殺すためだ。
「さあ、拒否権はない! 決闘は受けたら逃れることは出来ない。貴様がアタイの手にかかって死ぬことは決定したのさ!」
「やめてアンナ! ユキオさんは輝望皇なの! もうすぐ邪神リョウゼンが復活するの! 暗黒の時代を食い止められるのはユキオさんだけなの!」
テトラはアンナを止めたい一心のようだ。今まで無用な混乱を避けるため、言わずにおいたことだ。
「ククク……テトラァ……嘘が下手だね……」
「そんな……嘘じゃ……」
「ハッタリは確実に成功する時以外はしない方がいいよ」
アンナは双剣をクルクル回し、焚き火の周囲を歩き始めた。僕もテトラに下がるよう言って、同様に動き出す。
決闘を申し込まれた以上、もう僕はアンナと戦うしかない……二人の足跡が、明かりに照らされて円を描いているのが見えた。
「死ねぇ!」
アンナが焚き火の上を跳び、決闘は始まった。アンナが振り下ろした剣をよけ、僕は地面に転がる。女神の力は女性には効かない――僕に出来るのは、ただ逃げ回って、チャンスを待つだけだ。
「どうした!? 輝望皇なんだろ!? アタイくらい蹴散らしてみろよぉ!」
アンナは、なんと剣を投げつけてきた。間一髪で直撃は避けたが、少し腕をかすった。傷口から、タラタラと血が流れた。
「ユキオさん!」
「離れろテトラ!」
悲鳴をあげて近づこうとするテトラに、僕は叫んだ。今ここへ来れば、テトラも巻き添えを食う可能性がある。これは、僕がケリをつけなければならない。
僕は負傷した腕を庇いながら、焚き火の太い薪を取った。先端には炎が灯り、暗闇を僅かに照らしている。
「それでアタイを倒そうって? さすがは輝望皇様だなぁ!」
アンナは怯まず突っ込んできた。僕は間合いを見て薪を突き出したが、アンナは容易くかわしてしまう。すると、目にも止まらぬ高速の剣技で、薪を先端から瞬く間に斬り裂いていく。
さながらプロペラのように回転し、僕の即席の武器を叩き斬っていくアンナ。このままだと、僕もこの薪と同じようにプロペラの餌食に……僕は唯一の武器を捨て、後方へ退避した。
しかし、その動きは想定済みのようで、アンナは後ずさる僕を追いかけた。僕が逃げる歩調に合わせ――いや、それを越える勢いで迫ってくる。
マジかよ……このままじゃ、死ぬ。
次回、衝撃の展開!?
同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』も、よろしければどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/




