表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/102

テトラと○○したい

 何をしたいかって? 本編を読めば分かりますよ。

 僕とテトラとアンナ、3人の旅は順風満帆に見えたが、甘かった。アンナは僕を――全ての男を目の敵にしていた。彼女の策略により、僕とテトラの繋がりが裂かれてしまった。

 ほぼ徹夜で見張りをしていたら、やがて夜が明けた。テトラとアンナがテントから出てきた。アンナは何も言わずにテントを片づけ始め、テトラは食事の準備を始めた。


「テトラ、僕も――」

「ユキオさんは水を汲みに行ってくれる?」

「で、でも――」

「お願い。今は……少し待って」


 僕は大人しくその場を離れた。近くの川で水を汲んでいる間、僕は一人になって考えた。テトラは、僕のことを嫌いになってしまったんだろうか。僕たちの夫婦関係は、終わってしまったのだろうか。

 その後は食事をして、テントを片づけて、王国を目指して出発した。特に着いて来るなとも、ここでお別れだとも言われなかったので、僕たちは一緒に旅を続けた。

 けれど、会話は全くなかった。たまにアンナがテトラに話しかけたが、話題は長く続かなかった。僕はそれを離れたところで見ていて、改めてアンナの狡猾さを思い知った。

 この場合、アンナにはむしろ積極的にテトラに話しかけてほしかった。もしアンナが僕の信用を貶めた直後に、嬉々としてテトラに近づけば、テトラもアンナの異変に気づくかもしれない。

 だが、そこは慎重だった。僕の敗色が濃くなった

後も、アンナはずっと俯いて、一度も僕を見なかった。こんなことをされては、テトラもますますアンナに同情してしまう。

 僕は、完全に孤立していた――そして、そのまま夜を迎えた。テントを張って、食事をして……見張りの順番は、テトラの提案で昨日と同じということになった。テトラが見張りの番をしていた時に事件が起こったのだから、それは当然のことだった。

 僕はテントの中で、自ら寝袋の外に横たわった。テトラは今、僕を軽蔑しているはずだ。それに、昨日のことがあった後で、女の子の寝袋に入るなど……。


「きて」


 僕がゴツゴツした床に寝転がろうとすると、テトラが寝袋の中から言った。


「きて、ユキオさん……」


 寝袋のチャックは開いていた――僕は言われるがまま、二人が入るには狭い寝袋に入った。テトラの体と僕の体が密着する。

 すごい。超ド級に密着している。そのすごさたるや、二人の体が、このまま一つになってしまいそうなくらいだ。

 僕の想いは一つだ――まずはちゃんと、テトラと話がしたい。


「ごめんね、ユキオさん……」


 テトラの口から出たのは、謝罪の言葉だった。


「私……ユキオさんとアンナ、どっちかを悪者にするなんて出来なかった……ユキオさんのことも信じたかったし、アンナのことも信じたかった……もちろん今も……」

「テトラ……」

「でも、しばらく二人が近づき過ぎるのは良くないと思ったの……だから……本当に、本当にごめんなさい……」


 アンナに近づかないで――なるほど、昨日の突き放すような言葉は、つまりそういうことだったわけだ。

 テトラは……自分で悩んでいたんだ。僕とアンナ、どっちが真実かを。けど彼女にとっては、どっちも真実でいてほしかった。そんな想いが、あの涙の正体だったのだ。


「ユキオさん、誓って。私と、女神セア様に誓って――絶対、嘘はついてないって」

「……誓うよ」


 僕の答えを、テトラは受け入れたようだ。


「……そろそろ交代の時間だね。ユキオさんは逆から出て。私がアンナに言ってくる」


 僕は言われた通り、昨日アンナに投げ飛ばされた方から外へ出た。そのおかげで、アンナと出くわすことはなかった。

 よかった……テトラは、僕を見捨てなどしていなかったんだ。テトラは優しい女の子だ。僕とアンナ、両方のことを分け隔てなく気にかけてくれていた。

 僕の気持ちは、テトラに届いたんだ。

 話がしたかったんです。皆さんは何がしたいですか。


 同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』という作品の方も、よろしければどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ