テトラと○○したい
何をしたいかって? 本編を読めば分かりますよ。
僕とテトラとアンナ、3人の旅は順風満帆に見えたが、甘かった。アンナは僕を――全ての男を目の敵にしていた。彼女の策略により、僕とテトラの繋がりが裂かれてしまった。
ほぼ徹夜で見張りをしていたら、やがて夜が明けた。テトラとアンナがテントから出てきた。アンナは何も言わずにテントを片づけ始め、テトラは食事の準備を始めた。
「テトラ、僕も――」
「ユキオさんは水を汲みに行ってくれる?」
「で、でも――」
「お願い。今は……少し待って」
僕は大人しくその場を離れた。近くの川で水を汲んでいる間、僕は一人になって考えた。テトラは、僕のことを嫌いになってしまったんだろうか。僕たちの夫婦関係は、終わってしまったのだろうか。
その後は食事をして、テントを片づけて、王国を目指して出発した。特に着いて来るなとも、ここでお別れだとも言われなかったので、僕たちは一緒に旅を続けた。
けれど、会話は全くなかった。たまにアンナがテトラに話しかけたが、話題は長く続かなかった。僕はそれを離れたところで見ていて、改めてアンナの狡猾さを思い知った。
この場合、アンナにはむしろ積極的にテトラに話しかけてほしかった。もしアンナが僕の信用を貶めた直後に、嬉々としてテトラに近づけば、テトラもアンナの異変に気づくかもしれない。
だが、そこは慎重だった。僕の敗色が濃くなった
後も、アンナはずっと俯いて、一度も僕を見なかった。こんなことをされては、テトラもますますアンナに同情してしまう。
僕は、完全に孤立していた――そして、そのまま夜を迎えた。テントを張って、食事をして……見張りの順番は、テトラの提案で昨日と同じということになった。テトラが見張りの番をしていた時に事件が起こったのだから、それは当然のことだった。
僕はテントの中で、自ら寝袋の外に横たわった。テトラは今、僕を軽蔑しているはずだ。それに、昨日のことがあった後で、女の子の寝袋に入るなど……。
「きて」
僕がゴツゴツした床に寝転がろうとすると、テトラが寝袋の中から言った。
「きて、ユキオさん……」
寝袋のチャックは開いていた――僕は言われるがまま、二人が入るには狭い寝袋に入った。テトラの体と僕の体が密着する。
すごい。超ド級に密着している。そのすごさたるや、二人の体が、このまま一つになってしまいそうなくらいだ。
僕の想いは一つだ――まずはちゃんと、テトラと話がしたい。
「ごめんね、ユキオさん……」
テトラの口から出たのは、謝罪の言葉だった。
「私……ユキオさんとアンナ、どっちかを悪者にするなんて出来なかった……ユキオさんのことも信じたかったし、アンナのことも信じたかった……もちろん今も……」
「テトラ……」
「でも、しばらく二人が近づき過ぎるのは良くないと思ったの……だから……本当に、本当にごめんなさい……」
アンナに近づかないで――なるほど、昨日の突き放すような言葉は、つまりそういうことだったわけだ。
テトラは……自分で悩んでいたんだ。僕とアンナ、どっちが真実かを。けど彼女にとっては、どっちも真実でいてほしかった。そんな想いが、あの涙の正体だったのだ。
「ユキオさん、誓って。私と、女神セア様に誓って――絶対、嘘はついてないって」
「……誓うよ」
僕の答えを、テトラは受け入れたようだ。
「……そろそろ交代の時間だね。ユキオさんは逆から出て。私がアンナに言ってくる」
僕は言われた通り、昨日アンナに投げ飛ばされた方から外へ出た。そのおかげで、アンナと出くわすことはなかった。
よかった……テトラは、僕を見捨てなどしていなかったんだ。テトラは優しい女の子だ。僕とアンナ、両方のことを分け隔てなく気にかけてくれていた。
僕の気持ちは、テトラに届いたんだ。
話がしたかったんです。皆さんは何がしたいですか。
同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』という作品の方も、よろしければどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/




