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私を救ってくれたのは……

 テトラ救出回。彼女の絶望を照らす希望とは、一体誰なのか!?

 ごめんね、ユキオさん……私、このまま……。


「やめろ!」


 希望の声が、私の鼓膜に轟いた。私は、顔を上げて声の主を探した。少し離れたところに、私を捕らえた男の人たちとは異なる人影があった。

 声の主は、女性だった。短い髪とたくましい筋肉で一瞬、男の人に見えたけれど、その容貌は美しかった。


「んだぁてめえ!? 女かよ!? てめえも俺たちを楽しませてくれんのかぁ!? アア!?」


 誰かの威嚇に、女性は全く動揺の色を見せない。


「やっぱり、男ってやつはそういうゲスばっかなんだな……ゲスの極みだ」


 女性は腰の両側に携えた剣を抜き、デレオス流剣術の構えをとった。デレオス流とは、あらゆる状況に対応できる万能型剣術の一種だ。


「おいおいおい! やろうってのかぁ!? 俺たちニーズジャンクレイジングと!? 女一人で!? こいつは面白えぜぇ!」


 誰かが叫ぶと、全員が笑った。彼女のことを完全にナメている。


「いいぜぇ! 大勢の男にボコボコにやられた後で遊びてえってわけか! そういうのも悪かねえ!」

「ああ! 見ろよ! あいつの服! 俺たちに胸と尻を見せびらかすために着てきたとしか思えねえ服だぜ!」

「違いねえ! おおかた俺たちの仲間に交じりたくて出てきたってところだぁ!」


 彼女の服は、れっきとした剣士の戦闘服だけれど……確かに、少し露出は激しい。彼女の抜群なプロポーションも相まって、その姿はなかなかに魅惑的だ。

 同性の私でも、ちょっと恥ずかしくなっちゃう。


「黙れ下郎共! 女相手に大勢で寄ってたかって、尊厳など一切気にせずいたぶる悪行! 首から上と首から下だけで女の価値を決めつけ、己の欲求を満たすことのみのために大罪を犯す邪心! 許さない! 貴様ら、ここで死ね!」


 女性は2本の剣を巧みに振るい、私と男の人たちの方へ近づいてくる。


「そこの子、安心して。アタイが必ず守るから」


 女性が、私に優しく微笑んだ。先ほどまでの剣士の顔じゃない、母性さえ感じられるような、慈愛の表情。

 私は、自分が胸を撫で下ろすのが分かった。


「ちょっと待てやクソアマァ!」

「いつまでも調子こいた物言いを続けてんじゃねえぞぉ!」

「そうだぜ……忘れちゃいねえか!?」


 リーダーの人は、乱暴に私の髪の毛を掴んで、彼女に見えるようにした。私は爪先立ちになって、痛みで泣きそうになってしまった。

 喉元に、ナイフをつきつけられた。


「それ以上近づいたら殺す。見えるか? 鋭いぜ? こんな白くて細い首、くしゃみ一つしただけで掻っ切れる。死んだところで遊び方は変わらねえからなぁ。

 さっきの台詞、俺ぁ忘れちまったぜ……もう一回言ってみろよぉ!」


 私は、女性の腕に抱かれていた。何が起こったのかは分からない。けれど、リーダーの人はお腹を斬られ、私は何をされる間もなく、女性に助けられていた。


「このアマぶっ殺してやるぜぇえええええええええええええ!」

「リーダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

「血祭りだぁ! 生かしちゃおけねえ! てめえの死体をぐちゃぐちゃになぶってやるんだよぉ!」


 男たちが騒ぐのを気にも留めず、女性は私を安全な木陰に連れて行った。


「もう大丈夫。すぐに終わらせてあげるから、待ってて」


 それだけ言い残して、女性は男の人たちと対峙した――その顔は、再び剣士のものとなっている。


「双剣士アンナ、参る!」

 はい。ユキオじゃなかったですね。そりゃあ、彼は今、穴の中に落ちていますからね。 そんなわけで登場しました、双剣士アンナです。当分のメインヒロインですね。


 あと、もう本作のおおよそのストーリーを考えたというか、最初にその場で思いついた話をその場のノリで書き連ねると言ったアレはなんだったんだって感じですけれど、一応エンディングまでのあらすじは考えちゃいました、はい。

 全部で10編となる予定です。編というのは、目次の『治癒士テトラ』とか『双剣士アンナ』とか、ああいうの一つを一編としての単位です。

 ヒロインを何人まで増やすとか、どういうキャラクターと結婚するのかとか、もう話を練ってあるんですね。ストーリーを作らずノリと勢いのみで作品を作る感覚で書きたいんですが、本当、気がつくと先を考えてしまうんですよね。

 もう、ストーリーの構想なしで作品を作るというのは、僕は諦めるしかないのかもしれません。


 同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』という作品は、どこかで既に述べたような気もしますが、最初から大体のプロットが練られていて、それに沿った物語というのが終始展開されます。

 こちらも、全二十章と完結までのストーリーラインが明白で、迎えるべき結末へと向かってノンストップで進行している感じです。『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』で言う全二十章というのが、本作で言う全10編の2倍というわけではなく。ボリューム的には割りとマジで5倍くらいあるんじゃないかと自負しております。

 よろしければ、ぜひどうぞ。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/

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